不思議な不思議な怖い小さな話 噂のマンション
いつも帰りの道に、ひっそりと佇む、灰色の5階立てのマンション。
一見どこにでもある、なんの変哲もないマンション。
見過ごされてしまっても不思議ではない。
そのマンションにはひとつの噂があった。
ある日、宅急便配達の男が、このマンションのエレベーターに乗って、
閉のボタンを押してドアが押したところ、
エスカレーターの後ろに人の気配がした。
男は、あれ、おかしいな、エレベータには自分一人だけなのにと思って
背後後ろをみたら、
そこに、馬のような顔をした男がたっていた。
本当に馬面、まさに馬のような顔をした男が立っていたのだ。
馬ツラの男は、じっと男を見つめていた。
その馬男は軽く会釈して、男は
どちらにいかれます、と聞くと
その馬男は、613までいくのです、と答えた。
郵便配達の男は、たしか613号室は・・・・、と思った。
やがて、
エレベーターのドアが開き、
6階に。
後ろを振り返ると、馬男はそこにはいなかった。
どこにいったんだろう、
そうなんだ、そのマンションには、613号室は存在しないのだ。
612号室のの次は、614なのだ、