表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/53

第6話:俺の妹が病んでるなんてことは...ないよね

よろしくお願いします!

「お前だったのか...」


 あの視線は本物だった。

 しかもその犯人は...あろうことか恵だったのだ。


「そんなことして何やってたんだ?」

「お兄ちゃん鈍すぎだよぅ...そんなこともわかんないの?」


(わからんから聞いてんだろ!)


「まぁいいよ。教えてあげる。それはね...」


 ...ごくり


「お兄ちゃんがあのブスと一緒にいたからだよ♪」

「えっ?なんだって?...ブス?」

「そう、あのブスが最近お兄ちゃんにベタベタしてるから変なことしないか見張るためにずーっとお兄ちゃんのこと観察してたんだ♪」


(ブスって...多分加奈子のことだよな...まさか恵がそんなこと言う子だったなんて!)


「てかお前らってそんな仲悪かったっけ?」


 俺が知っているあいつらはいつも一緒にいてすごく仲良しだったはずだった。


「そんなことないよ。私とかなちゃんは大の仲良しだよ」


(じゃあ、なんで...)


「でもそれとこれとは話が別なの。あのブスは私のお兄ちゃんを奪おうとしてる...それだけは誰だろうと許せない!」


(えっ?何このオーラ?こんな子が放つようなオーラじゃないよねこれ)


「私のお兄ちゃん...私だけのお兄ちゃんなの!絶対誰にも渡さない...渡すもんか!」

「ど、どうしたのかな~。ちょーっと落ち着こうか恵」

「これが落ち着いていられるか!なんで?お兄ちゃんは加奈子の方の味方なの?」

「いや、それは絶対にあり得ないことだけども...」

「じゃあ、私を見て...私だけを見てよ!私...お兄ちゃんが好きよ。この世界の誰にだって負けないぐらいお兄ちゃんのことが好き。大好きなの!だから、お兄ちゃんも私のこと好きって言って!言うよね?言うでしょ?言って、言って、言って、言え!!」


(いやぁぁぁぁぁああああ!!こんな告白全然嬉しくねぇぇぇええ!!)


 俺は逃げたかった。でも思うように足が動かず逃げることができなかった。


「なに?言ってくれないの?そんなのいや...いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!」


(俺だっていやだよ!部屋に戻してくれぇぇ)


「どうしたんだよお前!お前は天然のドジっ娘じゃなかったのか!?」


 すると恵は...


「あれは演技ですよ。男の人はそういう人に弱いって聞いたから...」


(あれが演技だって....あり得ねぇだろ...)


「でも、違ったみたいですね...せっかくつけたくもない眼鏡までつけて髪も長く伸ばしたのに...お兄ちゃんは振り向いてくれなかった」

「えっ!?だて眼鏡だったの!?」


(はっ!しまった!つい...)


「だてではないですよ。眼は悪いですから...」


(よかったぁ...KYな質問しちゃったからマジ焦ったけど、助かった)


「でも、今はそんなことどうでもいいんです!お兄ちゃんそんなに私に興味ないんですか?」


(やっぱり、やらかしたぁぁぁぁあああ!!)


「もういいです...分かりました...それならこっちにも考えがあります...」


 そう言うと、恵は俺に近づいてきた。


(ヤバいって...これは...殺される!)


 俺はとっさに思い付いた言葉をそのまま口に出していった。


「いや、俺って実は眼鏡萌えなんだ!だから眼鏡を掛けた恵はちょー可愛いぞ!」


(えっ?俺なにいっちゃってんの?終わった...ごめん...あやたん、みやびたん...俺、先に旅立ちます....)


 そう思ったときだった...


「...ほんと?」


(あれ?)


「あ、ああ、ほんとだとも恵はほんとにかわいいなぁ」

「そ、そうかな?もう、面と向かってそんなこと言われたら恥ずかしいよぅ///」


(気持ち悪っ!でも今が抜け出すチャンスなんじゃ...)


「じゃ、じゃあ恵、そろそろ洗い物したいから行くな?」

「うん!分かった♪」


(やったぁ~!)


 許可をもらった俺はさっさとお盆を持ってさっさと部屋から出ようとした。


「ゆっくり休めよ、恵」

「あ、待って!」


(はやく...はやくいかせてくれ!)


「あのね、お兄ちゃん...今日は看病してくれてありがとう♪お兄ちゃんのおかげで私すごく風邪よくなったよ!そういう意外と優しいとこ...大好き///」


「...............」


 俺は呆気にとられた。

 さっきの恵と違い、いつもの恵になったことで何て言うのか...ギャップ萌えってやつをしちまったみたいだ。


「お、おう。それはよかったな」


 そして俺はやっとのことで部屋から出ることができたのだった...


 ・・・・・・・・・・・・・・・・


(今日はほんとに疲れた...寝よ)


 俺はベッドに横になった。


 でも、神様はまだ俺を寝させたくないらしかった...


 ドン、ドン、ドン!


「お兄ちゃん、洗い物終わったんでしょ?じゃあ、こっち来てはやく看病の続きして」


 それは壁越しに聞こえてきた。

 俺の部屋はちょうど加奈子と恵の部屋の間にある。


「ねぇ!聞いてるんでしょ!はやくきて、来るよね?来るでしょ?行くって言って、来い!」

「も、もう勘弁してくれぇぇぇぇええ!」


 俺はそれから二時間は眠れなかった。てか、眠らせてもらえなかった。


 そしてやっとこさ寝ても見る夢はたいそう最悪な夢だったとさ...





お読み頂き感謝です♪

ヤンデレってこんな感じですか?

間違ってたらすいません...

てか、R15じゃ...ないよね?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ