第51話:こんなことになるなんてね
ケータイ変えてパスワード忘れてメアドも変わってしまって早2年、、、パスワードをなんとか思い出しせっかく書いたので完結させたいと思い、今更ながら再開させていただきます。
よろしくお願いします。
意外な来訪者に驚いた俺は、律を見たまましばらく固まってしまった。
律も、俺と同じく少しの間固まっていたが俺から視線をはずし、首に巻いていたマフラーに顔を埋めてしまった。
「だ、大介くんそんなに見られると恥ずかしい、、、かな」
「お、おう、すまん」
そのひとことで俺も我に返り、視線を律からはずした。
「と、とりあえず、中入れよ。寒いだろ?」
「う、うん。じゃあ、お邪魔します」
外は冬ということもあり、冷えきっていて、そのためか、律の耳や頬も真っ赤になっていた。
俺は玄関のドアを閉め、律をリビングへと案内した。
「ごめんね、急に押し掛けちゃって」
「別にいいよ、でも、どうしたんだ?なんか俺に用か?」
「近所に用事で来たから、ちょっと寄ってみようかなって思って、、、やっぱり迷惑だったかな?」
「そんなことはない。どうせ俺も暇だったし、いつでも来いって言ったのも俺だしな。まぁ、ゆっくりしてけよ」
「よかったぁ、ありがとね」
律はほっとしたのか、俺の方を見てにっこり笑った。
不覚にもドキッとしてしまったことは言うまでもない。
「・・・・・。」
「・・・・・。」
(、、、気まずい)
昔は、幼なじみで家も近いこともあり、よく遊ぶ間柄だったとはいえ、だんだんと話す回数も減り、最近までは顔を合わせてもいなかったために、何を話していいのかわからなかった。
律も、同じなのか、視線を四方八方に巡らせて、俺と目があっては顔を赤くして下を向き、どこか落ち着かない様子だった。
「な、なにか飲むか?」
「う、ううん、お構い無く、、、」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
(、、、沈黙、つらい)
沈黙が辺りを包む、、、
その沈黙を破ったのは、律だった。
「あ、あのね大介くん!」
「お、おう!」
「今度の日曜日って空いてますか!?」
「お、おう!?」
突然のことで驚き、不覚ながら変な声が出てしまった。
律も目を><にして、あたふたと少し変な様子だ。
「えっと、あの、やっぱり嫌だよね。ごめんね変なこと言って」
えへへと言いながら苦笑いを浮かべる律。
そんな顔を見せられたら断れるわけがない。
というか、断る理由がなかった。
「嫌なわけあるか。日曜日な。もちろん空いてる」
「いいの?」
「そう言ってるだろ」
「あ、ありがとう」
そう言って、微笑む律はとても嬉しそうに見えた。
俺も久しぶりに律と出掛けるので、とても嬉しいし楽しみだ。
(やばい、にやけそう)
表情に出さないようにするのがやっとだった。もしかしたら変な顔になってたかも。
「じゃあ、日曜日の10時にまた来るね」
「悪いな」
「いいよ、誘ったのはこっちだし」
律はそう言うと、ソファから立ち上がり、
「それじゃあ、今日は帰るね」
「家まで送ろうか?」
「いいよ、すぐそこだしね」
「そうか」
玄関まで見送り、玄関のドアを閉めたと同時に動悸が強くなる。
(こ、これってデート、、、ってやつなのか?)
女の子と2人っきりで出掛けるなんて経験がなかったため、楽しみな反面不安になる。
そして、ふと、あることに気づく。
「、、、何着ていけばいいんだ?」
デートまで残り3日。
不安材料は山積みだった、、、
お読みいただき感謝です♪




