第50話:ほんと、なんなんだろうね
またまた遅くなりました!
よろしくお願いします!
その後、俺が目を覚ました時には、すでに加奈子は合宿へと行っており、お袋や恵たちも仕事やら部活やらに出たらしく、家には俺だけで、残ったのは首への痛みだけだった。
近くの時計を見ると、時間はとっくに12時を過ぎていて、もうすぐ1時になるところまで針はきていた。
(とりあえず、喉が渇いたな、、、下、降りるか)
部屋を出ようとドアを開けると、ドアの間から何か紙のようなものが、俺の目の前をヒラヒラと落ちていった。
「なんだこれ?」
拾い上げてみると、それは半分に折り畳まれていて、うっすらと文字が書いてあるのが見えた。
開いてみると、そこには恵の字でこう書いてあった。
『さっきはごめんなさい、、、でも、今度このようなことが起これば、、、分かってるよね、お兄ちゃん♪』
「............」
(あ、あれ?おかしいな。ただの謝罪の手紙のはずなのに、手の震えが止まらないや)
俺はしばらくの間、その場から動けなかった…
・・・・・・・・・・・・・・・・
あの、脅迫状めいた謝罪文を読んでから数分後、手足の震えがおさまり気持ちも落ち着いたところで、俺はようやく部屋を出て、下への階段を下り始めた。
それにしても、、、恵は前はこんな子じゃなかったのにな…
昔の恵といったら、ドジでのろまでみてるだけでイライラしてくるようなやつだったのに…今となったら…なんだか、昔の恵が可愛く思えてきたぜ。
加奈子にしても、前は口を開けば「きもっ」か「うざい」だったのに、今となったら「兄貴♪兄貴♪」って、鬱陶しさは倍増したな。
でも、なんでだろうな、、、今のあいつらと一緒に暮らしてるのは嫌じゃないんだよな。
むしろ、居心地が良くなってる気がする。
それに、あいつらのおかげで俺もずいぶん変わることができた。
こればっかりはあいつらに感謝だな。
「あぁ、はやく帰ってこねぇーかな…」
って、おい!何考えてんだ俺!今のはリアル妹のことじゃないから、みやびたんとあやたんのことだから!
「落ち着け、俺…」
と、念じながら何故か頭を壁に打ち付ける俺…
(…何やってんだろう)
そんなアホみたいなことを一人でやっていると突然、
『ピンポーン』
と、玄関のチャイムの音が鳴った。
(ん?誰だろう。お袋誰か来る時は何かしら言伝てるしな。なんかの勧誘か?)
まぁ、チャイムが鳴ったからには出ないわけには行かないので、俺はすぐさま玄関へと向かった。
『ピンポーン』
俺が向かっている間にまたチャイムが鳴る。
「はいはい、今開けますよ」
玄関に到着し、俺は玄関の鍵を開け、扉を開いた。
(どうせ勧誘だろ。さっさと断ろう)
そんな俺の思いとは裏腹に、俺の目の前に現れたのは、、、
「こ、こんにちは!わ、わわ私、大介くんの同級生だった三舟律といいます!た、ただいま大介くんはおられますか!?」
「…えっ?律??」
「わわっ!だ、大介くんだったの!?」
顔を真っ赤にしてテンパる律だった。
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