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第49話:いつものパターンだね

お久しぶりです!

よろしくお願いします!

 俺は、お袋に頼まれて加奈子を起こしにきただけのはずだったのだが…


「だから兄貴、私に最後の思い出をちょうだい」


 加奈子はそう言って、俺に顔を近づけてくる。

 あの夢はたぶんこのことを予知していたのかも知れない。

 そうだとしたら俺って、すごくない?

 ついに俺も、サイドエフェクトを目覚めさしてしまったみたいだな…なんて思っている場合ではない。


 …………どうしてこうなった。


 確か加奈子はこう言ってたな。


『私、遠くにいっちゃうの』


 その言葉を聞いた瞬間は、なんのことか分からず少し混乱してしまったが、冷静になってみれば言葉の意味はすぐ分かった。


「ちゅーーーーー」


 最後の思い出なんて口にして、俺に顔を近づけてくる加奈子に、俺は最後の思い出として俺は加奈子の肩を掴んで…


 ゴンッ


「あいたっ!」


 加奈子の額に頭突きを食らわせてやった。


「もう、何すんのさー!?」

「それはこっちのセリフだ」


 俺は加奈子が遠くに行くと言った理由を知っていた。


「遠くに行くってお前、ただ部活の合宿で4日ほど遠征するだけじゃねぇか」

「えっ!?兄貴、知ってたの?」


 同じ家にいて知らないわけないだろ!と言ってやりたいとこだったが、昔の俺ならたぶん知らなかっただろうな。

 では、なぜ俺がそのことを知ることが出来たのかと言うと、答えは簡単。

 リビングの机の上に遠征に関する紙が置いてあったのを、ついさきほど目撃したからである。

 つまり、それまでは知らなかったと言うことであって関心があるかないかで言えば全くない。

 むしろ、ありがたいぐらいだ。うるさいのが4日もいなくなるんだからな。


「なんだよもう。この機会に兄貴といけない関係になろうと思ったのにぃ」

「そんなのならなくていい。てか、なりたくもない」

「そんなこと言ってー、ほんとは…」

「いいからはやく下に降りろ。お袋が怒ってたぞ」

「やばっ!もうこんな時間じゃん!」


 確か、遠征の紙には集合時間は8時30分と書いてあったはず…今の時間は8時だから…無理だな。

 ん?何で時間を知ってるのか?だから紙に書いてあったからだって。別に関心があるわけではないよ。たまたま書いてあったのを覚えてただけだから。


「ヤバい、ヤバい!」


 今頃、事の重大さに気付いた加奈子はわたわたと慌てて準備を始めた。

 俺はその様子を呆れ顔で眺めていた。

 するとまだ部屋着のままだった加奈子が慌てすぎて俺のいることを忘れているのか着ていた服を脱ぎだした。

 いきなりのことで驚いた俺は、思わず咳き込んでしまった。


「ゲホッ、ゲホッ!お、おまっ、いきなり何脱ぎだしてんだ!」

「えっ?」


 上半身、下半身とも下着姿になってやっと俺の存在に気付いた加奈子は俺の方に目を向けるとそのまま固まって、顔色はみるみるうちに赤くなっていった。


「あ、あ、あ、兄貴、何でいんのよぉぉぉぉぉ!」

「お前を起こしにきたんじゃねぇか!」

「うっさい!いつまで見てんのよこの変態!スケベ!露出狂!でも、兄貴になら見られても…ゴニョゴニョ」

「露出狂って、それはお前のことだぁ!」


 てか、見られてもいいのかよ…


「って、よくなーい!いいから早く出てけ!このロリコン!」

「俺は、ロリコンじゃねぇぇぇぇぇ!」


 なんてことを言いやがる!俺はおっぱい大きい娘の方が好きだっつーの!って、それは全く関係ないな。つい、熱くなってしまった。

 俺は、被害を最小限に抑えるため、すぐに加奈子の部屋から退散した…が、それは間違いであったのかもしれないと、出た瞬間に思ったのであった。


「くふふ、お兄ちゃん♪何してるの?」


 そこにいたのは、満面の笑みをこちらに向ける恵たんだった。

 これはまずい!と思ったのであろう私の身体は、とっさに加奈子の部屋のドアを開けその中に身を隠した。


「ちょっ!何でまた入ってきてんのよ!」


 そこにはもちろんお着替え中の加奈子たんの姿があった。

 しかし、そんなことはどうでもよくて俺はどうやったら生き残れるか頭を巡らせた。

 いいアイデアは…全く思い付かなかった。


「お兄ちゃん♪開けなさい」

「…はい」


 もう、俺に抗う力は残されていなかった。

 俺はドアから離れ、そのあと恵がゆっくりとドアを開けて加奈子の部屋に入ってきた。


「言い訳は?」

「…ありません」


 俺は覚悟を決め、ゆっくり目を閉じる。すると、今までの思い出が頭の中に蘇ってくる感覚があった。


 これが走馬灯ってやつか…


「天誅!」

「あべしっ!」


 首に何かものすごい衝撃を受け、俺はバタッと床に倒れた。


「ふん、自業自得よ…言ってくれたらいくらでも見せてあげたのに…ゴニョゴニョ」


 意識の薄れていくなか、加奈子がそう言ったのが聞こえた。

 意識を失う前に言わせてもらいたい…妹の下着姿なんか見たくねぇーよ!


 そして、俺は意識を失った…





お読み頂き感謝です♪

遅くなりましたが、また再開していた期待と思います。

感想をくれた方、本当にありがとうございました!

これからも頑張ります!

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