第47話:俺はこんなプレイ全然好きじゃないんだからね!
お久しぶりです!
よろしくお願いします!
俺は今、恵の部屋で正座をしている…まではいいのだが、何故か手首を縄で拘束されていた。
「恵…さん?な、なにこれ?」
俺はそう言って手首に巻かれた縄を恵に見せる。
恵はそれを見るとニコッと笑って、
「何か問題でも?」
と言った。
「いや、問題云々よりもどうしてこんなこと…」
「そんなことどうでもいいじゃない」
(よくねぇーだろ!だいたいどこでこんなこと覚えたの?お兄ちゃん、蝶々結びは教えたけど絶対にとれない縄の結び方なんて教えたことないよ)
「お兄ちゃんを私だけのものにするために、そのくらいの教養は身に付けておりますの」
(さすが恵さん、感服いたしましたわ。ってアホか!教養?最近の中学校ではそんなこと習えるの?)
「ええ、主にインタネットさんに教えていただいていますわ」
(学校のパソコン使って何調べてんだお前は!てか、俺さっきから喋ってないんですけど!)
「私のサイドエフェクトは心を読む力ですもの。当然ですわ」
(それじゃあお前は他人の心が見えるって言うのか!?)
「いいえ。主にお兄ちゃん専用ですわ」
(個人情報保護法って知ってるぅ!?)
「お兄ちゃんのあーんな考えやこーんな考えはすべてお見通しです。例えば…さっき女と会ってたってこともね」
「えっ!?」
「図星…みたいですね」
「それもサイドエフェクトか!?」
「そんなのなくても分かりますよ。お兄ちゃんから女の香水の匂いがぷんぷんしますから。ちなみにサイドエフェクトは嘘です。お兄ちゃんのことなら表情、仕草、態度をみればだいたいのことは読み取れます」
(なんて恐ろしい子なの!)
「それで、誰と会ってたんですか?」
「お前には関係…」
「あぁん!?」
「ありますよね…はい」
こいつに抵抗は無意味だったと悟った俺は、しぶしぶ会ったやつの名前を口にした。
「...律だよ」
「律?もしかしてあの三舟のりっちゃん?」
「あぁ、そうだよ。わりぃかよ」
「…………………」
(あ、これやばいかも)
恵は俺から律と会ったと聞いて、下を向いて肩を振るわせ始めた。
これはもう…完全に怒っている。
これで俺の人生も終わりか…俺はそう思った。
案の定、恵はゆっくりと俺の方に向かってくる。
その姿は巨人が闊歩しているような迫力をかもし出していた。
そして、
ガシッ
と俺の両肩を凄い握力で掴み、バッと顔をあげてこう言った。
「私を差し置いて、りっちゃんと二人っきりで会ってたなんて!」
まぁ、当然ながら怒られた。
嫉妬されるのは普通なら嬉しいことだが、こいつの場合は嫉妬じゃすまないからな…これは覚悟を決めねば…
「どうして私も連れていってくれなかったんですか!」
「…へっ?」
俺は恵の言ったことに拍子抜けして何とも間抜けな声が出てしまった。
「私もりっちゃんに会いたかったです!」
(って、そっちかよ!)
どうやら俺は勘違いをしていたらしい。
嫉妬した原因は、俺じゃなく律のことでだったみたいだ。
「それで、りっちゃんとどんな話をしたんですか!?」
「どんな話って、いろいろだよいろいろ」
「それで、私のこと何か言ってませんでしたか!?」
「とくには何も…」
「えぇー!ちゃんと思い出してよー!」
そう言って、恵は俺の肩を掴みながらユサユサと前後に揺らしてきた。
その度に、頭もガクガク揺れてとてつもなく気持ち悪い。
「おい!ちょっ、やめ…おぇっ」
「で、なにか思いだしました!?」
「はい…よろしく言っといて…だそうです」
「それだけ!そんなはずはないです!もう一回思い出してください!」
「ちょっ、マジで…もう、勘弁して…うぇっ」
俺は薄れゆく意識のなかまるで走馬灯のように昔のあることを思い出した。
そう言えば、昔は四人でよく遊んでたっけ…その時こいつらは、確か律のこと…
「私もお姉ちゃんに会わせてくださいぃ!」
そうそう、お姉ちゃんって呼んで慕ってたっけな。
そして僕は、あの頃の忘れられない思い出を新恵とともに思い出す…
まぁ、回想シーンはないんだけどね(笑)
お読み頂き感謝です♪
1ヶ月ほど多忙な日々を送っておりましたので更新が遅れてしまいました。
誠に申し訳ありませんでした…




