第41話:車は危ないから気を付けなさいとよく言われたが、まさかこういう意味だったとはね
よろしくお願いします!
あれから1ヶ月近くが経った11月上旬。
やはり11月ともなると、外は少し肌寒く、吹く風はとても冷たい。
そんな時に俺は今、お袋に頼まれたおつかいでスーパーに向かっていた。
妹たちのおかげもあって最近はよく外に出れるようになった。
あのときのことは今でも鮮明に覚えている...正直思い出すと恥ずかしい。
なんてったって、あのときは気がつかなかったけど、言い争っていたのが人通りの多い場所だったためさぞ、たくさんの人に見られたことだろう。
それでも今となってはいい思い出だ。
しかし…俺が買い物に行こうとしたとき何でお袋と妹たちは玄関まで見送りに来たんだ?しかもにやにやしながら。
...まぁ、いいか。
そんなこんなで、俺はスーパーにたどり着いた。
俺はお袋からもらった買うものが書かれている紙に目を通しながら食材やら、その他もろもろを物色していた。
「えーっと次は…玉ねぎっとってあっ…」
「あ、あら?大介くんじゃない!」
玉ねぎ売り場に向かおうと方向転換をしたとき、目の前に一也のお母さんが立っていた。
手にはカートを転がしていて、どうやら一也のお母さんも買い物に来ていたらしい。
「こ、こんなところで偶然ね」
「ほんとですね」
「お買い物かしら?」
「はい。お袋に頼まれて」
「そ、そうなの。それは偶然ね」
一也のお母さんはニコッと笑っているがその笑顔はどこかひきつっているようにも見える。なんだか緊張しているような...声もどこか上ずってるし。
「あの、どうかしました?」
「べ、別に何もないのよぉ。オホホホホー」
「…............そ、そうですか」
やっぱりなんかおかしいような?
「そ、そんなことより!早く買うもの買っちゃいましょ」
「それもそうですね」
俺はどこか違和感を覚えながらも、それ以降は気にすることもなく、一也のお母さんと買い物を続けた。
買い物も終わり、俺は片手に買ったものを持ってスーパーを後にした。
「それじゃ、失礼しますね」
俺はそう言って、家に帰ろうとした。
すると、
「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
と一也のお母さんに呼び止められた。
「なんですか?」
「そ、そのー…」
そう言って、一也のお母さんはもじもじしだした。
それにしても一也のお母さんってかわいいよな。この姿もとても可愛らしいし、何より40代とはとても思えない。
まぁ、お袋がもじもじとかやっても鳥肌もんだろうな。
「に、荷物が多いから家まで運ぶの手伝いなさい!
」
何故に命令口調!?
でも確かに一也のお母さんが持っている荷物は片手ずつに二袋ずつしかもぱんぱんなやつを持っているのでさすがにこれを持って帰るのは辛いだろ。
俺も言われたら手伝おうかなとは思っていた。
「分かりました。それじゃあそっちの荷物は俺が持ちますよ」
俺は一也のお母さんから二つの袋を預かり、それを空いていた片方のてで持った。
「あ、ありがとう」
「いいえ。それではいきますか」
一也の家にはよく遊びに行ったことがあったので道は知っていた。
しかし一也のお母さんは、
「そっちじゃないわ。こっちよ」
と言って駐車場の方に歩き出した。
俺はそれについていった。
「ここよ」
そう言われたところには車が置かれてあった。
家までって言ってなかったっけ?
いいんだけどね別に。
「じゃあ、乗って」
「えっ?」
持っていた荷物を車の中に積んだところで、一也のお母さんは俺に乗れと言ってきた。
「いや、僕は歩いて帰りますよ」
それはさすがに悪いと思ったので俺は一度拒否をした。
「そ、それはダメなの!いいから乗って!」
「いや、だからいいですって」
「いいからいいから。お願い!乗ってください」
この光景を見た人はなんと思うだろうか。
挙げ句のはてには、一也のお母さんに、頭を下げられてしまった。
ここまでされると断るわけにもいかないので俺は乗せてもらうことにした。
俺が乗ることになって、一也のお母さんはとてもほっとしていた。
「ふぅー...あとは家に連れ込むだけ...」
なにやら横から物騒な言葉が聞こえたような気がしたのだが...なんか今日は気のせいなことが多いなぁ。
「じゃ、じゃあ行きましょうか」
その掛け声と共に車は行きなり急発進した…かと思うと今度はいきなり急ブレーキがかかった。
「ーー!?」
俺はあまりの衝撃に首うちするかと思った。
「だ、大丈夫ですか?」
「ご、ごめんね。今度は大丈夫だから」
しかし、その次もそのまた次も同じようなことの繰り返しで結局出るだけで俺は5回も首うちもどきをけいけんしたのだった。
そして、路上に出てからも、信号赤なのに突っ込もうとして急ブレーキ。急カーブなのにブレーキ踏まずに回ろうとしてからだが持ってかれる。てか、それ以前に道に迷うなど、いろいろあって俺は今、何故かよく分からないところまで出てきてしまっていた。
「............」
「............ココドコ?」
「それはこっちのせりふだ!」
俺は一也のお母さんにツッコミをいれてしまうぐらいにまいっていた。
果たしていつになったらつくことやら。
もしかしたら一生このままかも...そんなのは絶対嫌だぁ!
そんなこんなで後半に続く…
お読み頂き感謝です♪
一也のお母さんのキャラ崩壊しちゃったかもww




