第3話:これが俺の妹なわけが...ないよね
よろしくお願いします!
7月24日晴れのち曇り
今日は最悪な1日であった。
8時20分、いつものように朝ごはんを食べていると前の席に座っている加奈子にすねをおもいっきり蹴られる。
加奈子は中学生にしては背が高く脚もそれなりに長い。なので机越しでも俺の足には届く。
なので、いつも俺は足を踏まれながらご飯を食べている。
だが、今日はすねを蹴ってきた。これには俺もさすがにキレようと思ったが、パッと加奈子の顔を見ると、鬼のような形相で何か言うと今にも飛び掛かってきそうだったのでやめた。てか、怖くて手が出せなかった。
(なさけねぇよな~俺...)
そして俺は食べるのをやめ、そそくさとその場から立ち去った。
11時00分、俺はトイレに行きたくなったので部屋を出て階段を降りようとした時、階段を上がってくる加奈子と遭遇。
これだけでも最悪なのにすれ違い様に、俺の脇腹へ強烈なヤンキーキックをお見舞いしてきた。
そして...
「ふんっ」
と鼻で俺を笑い立ち去っていった。
ここで俺の怒りゲージが溜まり始める。
お昼もすねに蹴りを食らい、13時30分のこと。
俺が部屋でゲームをしていると隣の部屋に加奈子の友達が登場。
別になんってことないと思うだろうが、それは違う。
この家の壁は薄いので会話が丸聞こえなのだ。
「ねぇ、加奈子のお兄さんってまだ引きこもってるの?」
しかも話題は俺のこと。
(俺のことって妹の学校までしれわたってんのかよ!)
「当たり前じゃん、どうせ今もエロいゲームやってはぁはぁしてるよ」
「マジで!爆笑ww」
「だろwマジきもーいww」
「そんなお兄さん持って最悪じゃんww」
「いや、まず兄貴だなんてこれっぽっちも思ってないからw」
「加奈子酷すぎwマジうけるww」
(くそっ...あいつは俺の世間体を破壊するのが趣味なのかよ!)
「はぁー...最近の中学生口悪すぎたろ」
そしてこのとき、俺の怒りゲージの貯まるスピードは加速していた。
・・・・・・・・・・・・・・・
「くそっ!イライラするなぁ!」
俺は今にも爆発しそうだった。
俺がソファーで頭を抱えていると誰かが話しかけてきた。
「ねっねぇ、お兄ちゃんどうしたの?」
声だけで分かる。そいつは恵だった。
(ちっ、ちょっとは空気読めよ!)
「別になんでもねぇよ」
「そっそう?ならいいんだけど...」
(いいなら早く行ってくれ!)
「あっあのね、お兄ちゃん...最近加奈子と何かあった?」
「あ?」
「ごっごめんなさい!ただ今日の加奈子の様子なんか変だなって思って...お兄ちゃんも元気なさそうだったし」
(そんなの俺が聞きてぇよ。嫌われてるのは知ってるけどわざわざ俺が火に油を注ぐなんてことありえるわけ...)
「あっ...あったかも」
そういえば思い当たる節があった。
それはつい昨日のこと...チャンネルを取り合った件のことだ。
「えっ?やっぱり何かあったの?」
「うっせぇ、お前には関係ない」
「ごっごめんなさい...」
(ほんとうざいなこいつ!)
「てかいつまでいんだよ。お前が近くにいるとなにされるかわかんねぇだろ。さっさとどっかいけ!」
「はぅ、ごっごめんなさい~! 」
そう言って恵はリビングから出ていった...その間に三回転んで。
(...もう嫌だ)
そうして俺の怒りゲージは爆発寸前となっていた。
そしてとうとうその時がやって来た。
それは19時40分の出来事だった...
・・・・・・・・・・・・・・・・
その時間はちょうど夕飯が出来て食べ始めようとしていた。
(またどうせ蹴られるんだろうな)
と思っていたが加奈子の姿はなかった。
いつもはいの一番に降りてきて俺が降りた時には食べ始めているのにまだ降りてすらもいなかったのだ。
そんな加奈子を不思議がったのか、お袋が俺に向かって...あっ、言ってなかったが俺にはちゃんと親父もお袋もいる。
「ねぇ、ちょっと大介加奈子呼んできてくれない?こんなこと一度もなかったのに...」
「えっ!?なんで俺が!」
「いいから早く呼んできて」
「はい...」
そして俺はしぶしぶ加奈子を呼びにいった。
...コン、コンッ
「おい、飯だ。早く降りてこい」
...返事は返ってこない。
「おい!聞いてんのか!飯だっつってんだろ!」
すると返事が返ってきた。
しかし返ってきた返事は...
「...死ね」
ブチッ!
俺の中で何かが切れる音がした。
「いい加減にしろよ、お前朝から何なんだよ!」
俺はとうとうぶちギレた。
「あっ?昨日のチャンネルのことでまだ怒ってんのか?ガキだな」
まぁ、取り合ってた時点でどっちもガキだけど、それは置いとくってことで。
「何か言いたいことあるなら言えよ!黙ってちゃわかんねぇだろ!」
「...うるさい(ボソッ」
「あ?なんだって? 」
うまく聞こえなかったので俺はドアに耳を当てた。
すると...
バンッ!
いきなりドアが開いて俺は顔を強打した。
「うるさいっていってんでしょ!」
「いてぇだろ!いきなり開くんじゃねぇよ!」
「あっ、ごめん...」
(あれ?意外と素直だな)
「ちっ...んで、なんで今日俺に突っかかってくるようなことばっかしたんだよ?」
「そっそれは...あっあんたが悪いんでしょ!」
(やっぱり昨日のことか)
「あのなーそりゃーーーーーーー」
「あんたがあんなゲームにはまって私のこと構ってくれないから...あやだかみやびだかばっか見て私のこと全然見てくれないから悪いんでしょ!」
「...へ?」
俺には全く意味がわからなかった。
(昨日のことじゃないのか?なんであやとみやびがそこで出てくるんだよ)
加奈子は続けて言った。
「なんで...なんで気付いてくれないの?」
「気づくって何を...っておい!」
加奈子を見ると...泣いていた。
俺は本当に意味がわからなかった。
「どっどうしたんだよいきなり!」
「だって...ぐすっ...だってぇ...」
今の加奈子は別人に見えた。
何て言うか、まぁ、その...可愛かったのだ。
「えぐっ...ぐすん...あのね...あのね、兄貴...」
(おいおい、一体どうしちまったんだ!こいつが俺のこと兄貴って呼ぶなんて。これは夢だ、夢なんだ!)
俺は今にも意識が飛びそうだった。
意味の分からないことが一気におこったから頭の中がパンクしそうだったからだ。
「私ね....もう無理なの...もう抑えられない...だから言うね。私、兄貴のこと...」
プツンッ
俺はここで意識が途切れた...
・・・・・・・・・・・・・・・
目覚めるとそこはいつもの風景...俺が朝起きたときに見る景色だった。
俺はホッとした。なぜなら、あの出来事が夢だッたのだと思ったから。
でもそれはつかの間の安心感だった...
...バンッ!
いきなりドアが勢いよく開いたと思ったら...
「兄貴...兄貴目、覚めたのね!よかったよ~」
そこに現れたのは....俺を嫌いなはずの加奈子...
しかも、泣いていた。
「うぇぇーん、ほんとによかったよ~。すっごい心配したんだから~」
(だっ、誰だこいつ...)
その加奈子は俺の夢で出てきたはずの加奈子だった。
「兄貴、もう体調は大丈夫なの?」
「体調??なんのことだ?」
「兄貴、昨日私を呼びに来たとき倒れたんだよ?覚えてないの?」
なんのことだかさっぱりだった。俺はふと思った。
(呼びに行ったって確か夢もそんな感じだったような...ってまさか!)
「ねぇ、兄貴のそばにいってもいい?」
そう言うと加奈子は俺のベッドにのってきて、俺の上にまたがってきた。
「おっおい!何やってんだお前!」
「えへへ、兄貴がうちの目の前にいる♪」
正直に言わせてもらおう...マジできもい。
いつもの加奈子なら俺が倒れたって...
「早くの垂れ死ね」
と言うだろう。
だが、今のこいつは...
「あっ兄貴、そんなに見つめられると...さすがに恥ずかしいよう」
(ぐはっ!なっなんだこいつ!マジで頭いかれてやがる)
「兄貴、昨日うちが言ったこと覚えてる?」
「いや、知らん」
「そっか...やっぱ覚えてないか...」
(ヤバい!なんで俺が『リアル』妹相手にこんなにドキドキしてるんだ!)
「じゃあ、もう一回言うね...私は、兄貴のことが...」
(やっやめろ!それ以上は!)
「だぁーいすき!!」
プツンッ
そして俺はまた意識を失った...
ぶっ飛びすぎたかなw
でもこうゆう感じに書きたかったから個人的にはいいかなって♪
とりあえずお読み頂き感謝です♪