第26話:朝、目が覚めると美少女が...って妹かよ。つまんね
よろしくお願いします!
朝、目が覚めると...
「おはよ、兄貴♪」
ニコッ
「加奈子、ただいま帰りました!」
俺の上にまたがって、笑顔で敬礼する加奈子の姿があった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「帰るの早かったんだな」
「あんたたち二人だと心配だからね」
お袋たちは朝5時に宿をでで、急いで家に帰ってきたらしい。
親父は仕事があり、帰って早々仕事に向かった。
そして俺たちは今、朝ごはんの真っ最中である。
「そういえば、珍しいわね。あんたがこんな時間に起きてくるなんて」
「別にいいだろ」
「良くないわよ。あんたが食べるなんて思ってないから、ごはんもう少し炊かないといけなくなったんだから」
「うぐっ...悪かったな」
(俺だって起きたくて起きたんじゃねぇっつーの!)
俺がこんなにも早く起きた理由...それは、
『兄貴、いつまで寝てるの?起きないと...キスしちゃうぞ♪』
と、加奈子に脅されたからである。
えっ?脅しじゃない?どーみても脅しだろ!拷問と言ってもあながち間違いじゃねぇってぐらいだよ!
「ところで、私たちがいない間はおかしなことはなかったわよね?」
「うーん...」
俺は考えるふりをして横にいる恵みのほうを見た。
恵は「だめ」と口パクで言ってきたので、
「別に、何もなかったけど」
と嘘をついた。
「そう」
(まぁ、あんなこと言える分けねぇよな)
「あ、ちょっとそこの醤油とってくれない?」
「おう」
俺はお袋に頼まれ醤油をとろうとしたが、横にあった納豆の入れ物に気付かず間違えて肘を当ててしまった。
そのまま入れ物は床に落ちた。
「おっと...」
俺はそれを拾おうと手を伸ばした。
すると、
「「あっ...」」
同じく俺が落とした入れ物を拾おうとした恵の手と俺の手がぶつかってしまった。
顔をあげると鼻が触れ合いそうな距離に恵の顔があった。
俺は驚いて、立ち上がってしまった。
「ご、ごめん」
(うわー、あぶねー。もう少しで当たるところだった)
俺は何故か顔が赤くなって、心臓もドキドキしていた。
しかし、それは俺だけではないようで、恵も、
「あわわわわ!こ、こっちこそごめんなさい!」
と、顔を真っ赤にして後ろに倒れるんじゃないかと言うぐらい後ろにのけぞっていた。
「............///」
「............///」
(早くおさまれ俺の心臓!なんでこんなドキドキしてんだよ!)
「もうあんたたち何やってんのよ。早く食べちゃいなさい」
「そ、そうだな」
「う、うん///」
お袋からそう言われて俺は今度こそ入れ物を拾い席についた。
そして、ごはんを食べようとしたとき、ふと前を向いたところ、
「じーっ」
何故か加奈子が俺の方を睨んでいた。
「な、なんだよ?」
俺がそう聞くと、加奈子は俺の方に顔を寄せて匂いを嗅ぐ真似をした。
「おい!ほんとになんなんだよ!」
「...兄貴から事件の香りがする」
「はっ?」
「昨日、ほんとはなんかあったでしょ?」
「えっ!?」
何を言うかと思えば、加奈子は俺が隠していることを匂いを嗅いだだけで当ててきたのだ。
「えっ!?てなに?やっぱり....」
「だ、だから何もなかったっていってんだろ!」
「ふーん...じゃあ何でそんなに必死なの?」
「なっ...そ、そんなの関係ないだろ!とにかく何もなかったから!」
「...ならいいけどね」
(な、なんとか誤解はとけたか?)
「いい加減にしなさい。私もこれから仕事があるんだから」
「わ、分かったよ」
お袋にそう言われたので、俺は残りのごはんを一気にたいらげて、
「ごちそうさま」
と言って、急いでその場から離脱した。
(危なかったー...しかし、なんて勘の鋭い野郎だ。もう少しでばれるところだったぜ)
俺はばれてないものだと思ってそのまま二階に上がり、自分の部屋へと戻った。
しかし、俺は知らなかった。
加奈子があんなことで退くようなやつではないと言うことを。
「...やっぱりあやしい...これは調査の必要ありね」
お読み頂き感謝です♪
妹に起こされるとか現実だと夢のまた夢...ですよね。
はぁー...




