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第24話:ということは…焦らしプレイですね?

よろしくお願いします!

 妹とかくれんぼなう。

 これをツイツターにツイートしたら見た人は多分ほほえましいなぁーと思うだろう。

 でも実際は、かくれんぼという名のデスゲームですよっと。


 ガチャガチャガチャガチャ


「ねぇ、ここ、開けてよ、ねぇ、開けてお兄ちゃん」


 恵はドアノブをガチャガチャと回す。

 しかし鍵がかかっているのでドアは開かない。


(やべぇぇ!!ついにばれたぁぁ!!で、ても鍵かかってるからな。お袋たちが帰ってくるまでの辛抱...)


 俺は少しホッとしていたがそれは一瞬にして恐怖へと変わった。

 なぜなら、


 ドンドンドンドン!!


「ここにいるんでしょ!早く開けてよ!ねぇ、ねぇ!ねぇ!!」


 恵はすごい勢いでドアを叩いてきたのだ。


(そんなドンドンしないでぇ!ドアが壊れちゃうよぉ!ほら、ギシギシ言っちゃってるじゃん!)


 しかし俺にはどうすることもできないのでその場にしゃがみこみ、お袋たちが早くかえって来るよう祈るしかなかった。


 だが、神は俺を見捨てたようだった...


 トゥルルルルル、トゥルルルルル


 俺が祈っていると電話がかかってきた。


「もうなにぃ?こんなときに電話なんて...めんどくさいなぁ。ちょっと待っててお兄ちゃん」


 そう言うと、恵は電話をとりにいったみたいだった。


(い、今が出るチャンスなんじゃね?)


 俺はそう思うと、そろーっとドアノブに手をかけて鍵を開けようとした。

 しかし恵は、それをさせないと言わんばかりに電光石火でまた戻ってきた。


「ただいまお兄ちゃん。まだいるよね?」


(帰ってくるのはやっ!?)


「さっきの電話だけど、お母さんからだったよ」


(えっ!?まさかもう帰ってくるとか...やったぁ!!)


 神に見捨てられたことを知らない俺はそう思った...でもそんなわけがない。


「すごい雨で今日は帰れそうもないからホテルに泊まって帰るって...やったねお兄ちゃん。今日はずっとかくれんぼできるよ」


 俺は一瞬頭が真っ白になった。

 そして、


「............嘘だろぉぉぉ!!」


 あまりの事態に思わず大声で叫んでしまった。


「やっぱりそこにいたんだお兄ちゃん」

「はっ!しまった!」


(てかいること分かってなかったのかよ!下手こいたー)


「お兄ちゃん、まさかずっとそこに籠ってる気じゃないよね?そこにいたらご飯も食べられないしー、お風呂も入れないしー、それにテレビも見れないよー。今日は確かお兄ちゃんの好きなテレビの放送日だよね?」

「な、なんの話だ?」

「あれー?違ったっけー?」


 恵の言っていることは大正解だった。

 そう、今日はあろうことか俺の大好きな妹ものアニメの放送日なのである。


(よりにもよって...まだ録画もしてなかったのに...)


 かといってここから出ると死が待つだけなので、俺は生きるために今日は見ないとしぶしぶ決心した。


「そんなこと言っても俺はでねぇからな!」

「ということは...焦らしプレイですね?」

「ちげぇーよ!」


 それから数時間、この状態が続いた。

 だが、それはあることで均衡が破られたのだった...


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 何時間たっただろうか...

 いつの間にか俺たちは、無言のままの状態が続いていた。

 もしかしたらいなくなったのかも...

 しかし、確認しようにも居たときのことを考えるとやはり出ることはできない。

 そんなときだった...


「...お兄ちゃん」


 とても小さな声だったが、確かに恵の声が聞こえてきた。

 恵はまだそこにいるらしい。


「お兄ちゃん...私もう我慢できない」


(言っている意味が全くわからない)


「もう...出ちゃう」


(はっ?なにがだよ?)


「お願い!開けてお兄ちゃん!」


 そう言うと、恵はドアノブをガチャガチャしたりドアをドンドンと叩いてきた。


「もうだめ!ほんとに限界なの!」


(いや、俺の精神のほうが限界なんですけど!)


 恵の様子はさらにおかしくなっていった。

 急におとなしくなったと思うと、


「これ以上動いたら...ほんとに出ちゃう」


 恵の声は何故か震えていた。

 さすがの俺も少し心配になってきた。


「おい、どうしたんだ?」

「だから...ドアを開けて...」


(それだけは無理だ...そんなことしたらどうなるか...)


 だが、このとき俺は大きな勘違いをしていた。

 そしてとうとうそのときが来た。


「もう...無理」


 恵がそう言った瞬間、


 チョロロロ...


 廊下に何かが流れる音がした。

 それと同時に俺の足先が冷たくなった。

 見ると、ドアの隙間から水が入って俺の足先を濡らしていた。


(...まさか...こりゃやべぇ!)


 俺はことの次第を理解しすぐさまドアを開けた。


「恵、大丈夫か!?」

「ぅぅ...お兄ちゃん...」


 恵の泣き声が聞こえる。

 しかし、俺が見た光景は...


「やっと出てきてくれたね」


 ペットボトルを逆さに持ち、笑顔でこちらを見る恵の姿だった。

 俺はそれを見てすかさずドアを閉めようとしたが、もう手遅れだった。

 恵は閉まるドアに手をかけてそれを阻止した。


「は、離せ!」

「お兄ちゃんが出てくるなら離してあげる」


 恵は、どこからそんな力がでるのか、びくともしなかった。

 俺はこの時点で抵抗するのをやめた。


「つーかまーえた」


(...詰んだ...)


 とうとう恵に捕まった大介。

 果たして大介の運命はいかに!?


 またまた次回に続く...






お読み頂き感謝です♪

すいません遅くなってしかもまたまた次回に続いちゃって....これがほんとの焦らしプレイ!なんつってw

マジですいません調子こきすぎました...

でも、次回でほんとにこの話ラストです!感動のフィナーレです!

どうかよろしくお願い申し上げます。

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