第2話:俺達の出逢いは偶然という名の必然...だったんだね
今回もよろしくお願いします!
今日は休日である。まぁ、俺にはどうでもいいことだが...
特にすることがないので何故俺が妹(『二次元』)を好きになったのかを語ろうと思う。
その前に、俺の紹介がまだだったのでしとくと...
俺の名前は新大介。歳は18だが学生をしてる訳ではない。いちおう通ってはいた。高校に入学して3ヶ月間だけ。別に楽しくなかった訳ではない。とりあえずいろいろあったのだ、いろいろな。
それからは、特に何もしていない。いわゆるニートってやつだ。平日だろうと休日だろうと俺は家から出ない。コンビニすら行かない。今んところ引きこもって1年間と74日と記録を更新中である。
だから休日だろうと俺には関係ないのだ。だって毎日が休日なのだから。
しかし、学校をやめてからの日々はとても退屈だった。趣味が特にない俺はいつも寝て、テレビ観て、また寝るの繰り返しだったので生きている意味が分からなくなりかけていた。
そんな俺を救ってくれたのが妹だったのだ(もちろん『二次元』の)
・・・・・・・・・・・・・
それは偶然だった...
俺は暇潰しをするためにその時大人気だったゲームをネットで買った。いわゆる狩りゲーである。
しかし、届いたのはジャンルの全然違うギャルゲーだったのだ。
(しかも、よりにもよって妹ものかよ!)
これが俺がこのゲームをみて初めて抱いた思いである。なんでそう思ったかは察してほしい...
もちろん俺は、すぐに返品しようとした。でも、しなかった。というかできなかったのだ。
その理由は2つある。
1つは、俺自身がギャルゲーをプレイしてみたいと思っていたから。
男だったら誰もが1度はやってみたいと思うだろ?だから、ここまでは別になんともない理由だと思う。
実際に返品しなかった理由の80%はこの2つ目の理由が原因である。
その2つ目の理由は、パッケージに写っていた2人の可愛さに俺は、ハートを射ぬかれてしまったからだった。
そう、これが俺が愛する我が妹、あやとみやびとの出逢いであった。
もちろん、やるのには少し抵抗はあったさ。でも、やらない訳にはいかないだろ!やらなかったらあやとみやびに失礼ってもんだ!
俺は決意をすると早速ゲームをプレイしてみた。
そして、2時間後にはすっかりこのゲーム...いや、あやたんとみやびたんの虜になってしまっていたって訳だ。
俺は妹が嫌いである。でも、それが逆によかったのかも知れない。『リアル』妹とは比べ物にならない2人の可愛さが俺を未知の領域へと誘っていく。
まさか俺も思わなかったよ。『二次元』のしかも妹に俺が恋しちまうなんてな。
これが俺が妹(『二次元』)を好きになった成り立ちである。
(うん、うん思い返す度にいい話だなぁこれは。ヤバい...泣ける。)
「...ちょっと、あんたなんで泣いてんの?マジひくわ」
「...ん?...えっ!?なんでお前ここにいんたよ!」
横を向くとそこにはじゃじゃ馬女こと加奈子が立っていた。
「あんたこそ、なんでこんなとこいんだよ?いつもは部屋に籠ってキモいゲームやってんじゃん」
そっか、ここ俺の部屋じゃなくてリビングだったな...
「てか、キモいってなんだよ!あやたんとみやびたんと比べたらお前の方が100倍キモいっつーの!」
「あ?なんか言った?」
「はい...すいません」
俺は兄貴でありながらこの家で一番肩身が狭い。まぁ、当たり前と言えば当たり前だけどな....
「別にあんたが何言おうとどうでもいいけど...ってかそこどいて。テレビ見れないじゃん」
そう言うと、加奈子は乱暴にテレビのチャンネルをとってチャンネルを変えた。
それが俺にはどうしても許せなかった。
なぜなら今日は俺が大好きな妹ものアニメの放送日だからだ。
「おい!ふざけんなよ!俺が見てただろ!」
俺は加奈子からチャンネルを取り返し元のチャンネルに戻した。
(ふぅ...よかった~まだ始まってねぇ。)
「ちょっとあんた何様だよ。ちょーしこいてんじゃねぇ!」
加奈子はまた俺が持ってるチャンネルにてを伸ばしてきた。しかし、それを俺はガードした。
「ふんっ!二度も同じ手をくうかよ!」
「くそ生意気なんだよ!なめんな!」
すると、加奈子はもう片方の手でチャンネルを掴んできた。
「はーなーせ!」
「嫌だね!お前こそいい加減にしろよ!」
とうとう俺らは向い合わせでチャンネルの取り合いが始まった。
「だまれー!あんたなんか部屋に引きこもってればいいでしょ!」
「今日だけは譲れん!さっさと離しやがれ!兄貴の言うことは聞け!」
「誰があんたのこと兄貴なんて思うか!一緒の家にいるだけでむしずがはしるっつーの!」
なんとでも言え!だが俺は引くことはできん!
「それはこっちのせりふだ!あーあ、ほんと可愛くねぇなお前!ちょっとはあやたんとみやびたんをみて学べ!」
と言うと加奈子は急に引っ張るのをやめ、フルフル震えだした。
「あやたんみやびたんって...そんなに二次元が大事かよ!」
俺は驚いた。なぜなら、顔を上げた加奈子はうっすらだけど涙を浮かべていたからだ。
「あっ?なんだよ急に?」
俺は全く訳が分からなかった。
「うるさい!」
バシーン!
そう吐き捨てたあと加奈子は俺の頬を叩いた。
「いてーだろ!っておい!」
しかし、振り返ったときにはもう加奈子はリビングから出てしまっていた。
「なんなんだほんと?泣くほどテレビ見たかったのかよ」
(別にいいけど。これでゆっくりアニメ見れるし♪)
それからはさっきのことについてあまり深くは考えなかった。
まぁ、今の俺にはまず考えたところで妹の行動の意味は分からなかったと思うけど。
そう、このときの俺はこれっぽっちも気付いていなかったのだ...
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