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第17話:こんなことになるなんて、、、思ってもみなかったよね

よろしくお願いします!

 ~加奈子 View~


「あ、兄貴...何やってんの?」


 私はまさかこんな光景を見るなんて思っていなかった。


「えっ...加奈子?」

「なんで...何でそんなこと...」

「加奈子!これは違う!...そう!事故なんだよ!」


 兄貴は事故だといったが私は信じられなかった。


 何言ってんの?

 事故ならなんで二回目もしようとしたの?

 やめてよ

 なんでそんな一言で片付けようとするの?

 私なら納得すると思った?

 私だって兄貴のこと信じたい!

 けど...無理なんだよ...


 兄貴はまだ何か言っているようだったが私には全く届いていなかった。


 私があの事でこんなに苦しんでるのに...

 やっと決心がついて、勇気を振り絞ってここまで来たのに...

 なんで、どうしてよ?

 兄貴は私のことなんかどうでもいいの?


 もう私...分かんないよ...


 そして、私の中で何かが砕けちった...


「いや...いやあぁぁぁぁぁ!!」


 私は溢れる涙をおさえようと、声の限りに叫んだ。


 そして、私は逃げるようにそこから立ち去った。


 でも、部屋には戻らなかった。


 私は現実から逃げるように、ただただ走り続けた。


 その時の私の意識はないも同然だった...


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ~大介 View~


「いやあぁぁぁぁぁ!!」


 加奈子は叫びながら走っていった。


「うわー。加奈子お姉ちゃんこわーい」

「何言ってんだよ!」


 俺はつい、楓ちゃんを怒鳴ってしまった。


「ご、ごめんなさい...」

「あ、わりぃ...つい」


(何やってんだ俺は!この子に怒鳴っても仕方ねぇだろ!)


「とりあえず、楓ちゃんは寝ててくれ!俺は加奈子んとこ行ってくる!」


 このままではいけないと思い俺は加奈子を追いかけようとした。


「待って!」


 でも、それは阻止された。


「このままにしとけねぇだろ!」

「お兄ちゃん...行ってどうするの?」

「そんなの...」


 俺は、その質問に答えることができなかった。


(追いかけて俺はどうしたいんだ?慰める?そんなんでさっきの加奈子の状態が改善するのか?じゃあ、謝るか?何を?何について謝るんだ?)


 ゲームの主人公だとこういう場面は追いかけるのだろう。

 俺も実際そうしようとした。

 でも、ゲームと違って追いかけて何をすればいいのか俺には分からなかった。


「お兄ちゃんはお姉ちゃんのこと好きなの?」

「な、なんだいきなり!好きなわけねぇだろ!」

「じゃあ、ほっとけばいいじゃん」


 俺はそう言われて、本当に追いかける意味がわからなくなった。

(そうだ....俺はあいつのこと嫌いなのに、なんでこんなに必死になってんだ。別にどうだっていいじゃねぇか)


 俺にはもう追いかけるという思いは消えていた。


「だから、今日はもう寝るですぅ。どうせ明日になったらいつも通りになってるですよ」

「...そうだな、そうだよな」


(明日になったら加奈子もきっと落ち着いてるだろう。そんときに誤解を解けばいいか)


 そして、俺はベッドに戻った。


「じゃあ、お兄ちゃんだっこしてくださいですぅ」

「...もういいだろ。普通に寝さしてくれ」

「お、お兄ちゃん...」


 さすがにもうそんな気分にはなれなかった。


 俺は寝ようとした。

 でも、全然眠れなかった。

 加奈子のことは嫌いなはずなのに頭の中からあの逃げていった加奈子の顔がどうしても離れないでいた。


(どうしちまったんだ!俺は加奈子のこと嫌いなはずなのに、なんであいつのこと考えてるんだ!)


 結局俺が寝たのはそれから四時間後の深夜二時だった...


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 朝、目が覚めると楓ちゃんの姿はどこにもなかった。

 時計を見ると、午前10時を回っている。

 俺は起き上がり廊下に出た。


 でも、そこで俺はある違和感に気付いた。

 全く人の気配がしないのだ。


 そして、リビングで電話が鳴った。

 三回、四回と呼び出し音が鳴るが誰もとらない。

 俺は階段をかけおり、リビングに入った。


 するとどうだろう、そこには誰もいなかった。


 俺は不思議に思いながら受話器をとった。


「もしもし」


 そこから聞こえたのはなんとお袋の声だった。


『もしもし!加奈子、加奈子なの!』

「いや、俺だけど」

『なんだ、あんただったの....いちお聞くけど、加奈子いる?』


 もちろんこの家には誰もいなかったので、


「いないけど」


 と答えた。


『そうなの...どこにいっちゃったの加奈子』


 お袋の声は相当震えていた。


「お袋、なんかあったのか?」


 これはただ事ではないと思い、俺は聞いてみた。

 お袋から返ってきた答えは予想外のものだった。


『加奈子が...加奈子がいなくなっちゃったのよ!』

「えっ?いや、何言って...」

『ほんとなのよ!朝、降りてこないから部屋に見に行ったらどこにもいなかったの!』

「ぶ、部活じゃないのか」

『そうかと思ったわよ。でも、顧問の先生に聞いてみたら来てないって』

「...嘘だろ」

『ねぇ、大介何か知らないの?』


 なぜそんなことになったのか...もちろん俺はその理由を知っている。


 それは昨日のことが原因だろう...でもまさかこんなことにまでなるなんて俺は思ってもいなかった。


 そして、そこまで加奈子のことを追い詰めていたことを俺は今さらながらに気付いたのだった...




お読み頂き感謝です♪

もうちょっとうまいことかけたらなぁ...

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