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第16話:見たことがないのに見たことあるって思うのはデジャブって言うんだって...ごめん、誰でも知ってるよね

よろしくお願いします!

「ねぇあなた、今日は一緒に寝ましょうよ」

「いや、なんで?」


 晩御飯が終わり部屋に戻った俺は今、あのゲームをしていた。


「だって、私達もう結婚が決まってる仲じゃない///」

「それはお前が勝手に言ってることじゃねぇか!」

「私じゃあ...不満?」


(うわ、やべぇ。許嫁まじ可愛いんですけど。なんって言うの?いつも強気なのになんかこういうこと言われるとキュンキュンするわ)


「そういう訳じゃねぇよ。でも...」

「でも何?どうして?私以外に好きな人でもいるの?」

「そ、それは...」


(い、言えねぇ...俺って妹が好きなんだよねなんて...)


「やっぱり...いるのね?」

「............」

「そうなのね...わかったわ」


(お?諦めたのか?)


 すると、許嫁は急に俺を押し倒して、


「お、おいなんだよ?」

「あなたに好きな人がいるのはわかった....でもそんなこと知らない」


(お?お?この展開はどうゆうことだ? )


「既成事実...既成事実さえ作ってしまえばいいんだ...」(ボソッ

「あ?何だって?」

「あなた...私を抱いて」


(がはっ!な、ななな、な!)


「じょ、冗談はやめろって」


 俺がそう言うと、許嫁は俺の手をとって自分の胸に押し当てた。


「な、何やってんだ!」

「わかるでしょ?私...こんなにドキドキしてるの。それなのに冗談って言うの?」

「お、お前...」


(やばいやばいやばい!許嫁まじやばい!)


「お願い...私とひとつになろ?」


 そう言って、許嫁はいきなりキスをしてきた。


「...んっ!」

「んっ...しちゃった...これ、私のファーストキスなんだ///」


(キタコレェェェェェ!!あぁ、鼻血出てきた)


「お、お前俺のことそこまで...」

「やっとわかってくれたの?遅すぎ...ねぇ、もう一回していい?」


 俺は断ることが出来なかった。

 そして、許嫁はまた唇を重ねてこようとした。


 そんなとき...


 ガチャ


「お、おにぃ...」

「お兄ちゃん...」

「えっ....」


 ドアを開けて現れたのは、あやとみやびだった。


「何やってんの?」

「お兄ちゃん...そんな!」

「いや、これは違うんーーーー」

「「もう知らない!!」」


 そう言って、あやとみやびは走り去った。


 ど、どうするよ俺...


 そんな俺の前に、二つの選択肢が現れた。


 《1:二人を追いかける》

 《2:そのまま許嫁と聖なる夜を過ごす》


(そうか、これは俺に対する試練なんだな。だがしかし、俺ともなればこんなの簡単!もうすでに答えは決まっている。もちろん...)


 そして俺は選択肢を押そうとした。


 そんな時だった...


「お兄ちゃんなにやってるですか?」

「ギャルゲー...ってえっ?」


 聞こえるはずのないところから声がして俺はとっさに答えてしまったがさすがに変だろうと聞こえた方向に顔を向けるとそこには、


「か、楓ちゃん!?」


 楓ちゃんがこのゲームを覗くように見ていた。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ~加奈子 View~


 時間は午後9時をまわっていた。

 そして私はやっと兄貴に謝りにいく決心がついた。


 ドアを開け、廊下にでるとちょうど階段を降りようとしていた恵と目が合う。

 恵は私に向かって頑張れと手をふってくれた。


 恵には本当に助けられたな...

 そんなことを思いながら私も恵に手をふりかえす。


 恵が見えなくなり、また兄貴の部屋へと歩を進める。


 兄貴の部屋を見ると、電気がついてないみたいだった。


 まさかもう寝たとか?...ってそんなわけないよね。どうせ暗いなかまたあのゲームをしてるんだろう。


 そして、兄貴の部屋の前...


 やばいどうしよう...緊張してきた。

 でも、大丈夫...絶対仲直りできるよ。

 そういい聞かせて私はついにドアを開けた。


 しかし、そこで私は衝撃の光景を目にするのだった...


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ~大介 View~


「何でいるの?」

「何回呼んでも返事がなかったから入ってきたですぅ」

「マジで?」


 どうやら熱中しすぎて気付かなかったらしい。


「で、何か用かな?」

「なに言ってるですか。今日は一緒に寝てくれる約束じゃないですか」


(そういえば、そうだったなぁ)


「でも、まだ寝る時間じゃないでしょ?」

「お兄ちゃん、もう9時ですよ。良い子は寝る時間ですぅ」


 そう言われて、俺は時計を見てみるといつの間にか9時を過ぎていた。


「あ、ほんとだ」

「じゃあ、早くねるですぅ」


(こんな時間に寝れねぇー...まぁ、しゃーねぇか)


「よし、寝るか」

「わーい♪」


 楓ちゃんはさぞ嬉しそうにベッドにもぐり込み、そのあと俺もベッドに入った。


「それじゃあ、電気消すぞ」

「はいですぅ」


 そして、電気を切った...が、


(やっぱり全然眠たくねぇ)


 さすがに9時に俺は寝れなかった。


 楓ちゃんの方を見てみると寝れないのかモゾモゾしていた。


「楓ちゃん、寝れないの?」

「いや、その...実はお兄ちゃんにお願いがあるですが...」

「ん?何?」

「あの...寝るまでだっこしてください///」


 楓ちゃんは赤面していた。

 そんな顔で言われると断れるわけがない。


「わかったよ、ほら」


 俺は楓ちゃんを抱きしめてやった。


「ありがとですぅ♪お兄ちゃん大好き///」

「これで寝れそうか?」

「大丈夫ですぅ」


 そうして、寝るまで抱きしめてやることになったのだが...正直に言わせてもらおう...めっちゃ暑い。


 今は8月後半。

 夏のピークは過ぎてはいるがまだまだ十分暑い。

 そんな中、こんなに密着していると汗をかきそうだった。


「なぁ、楓ちゃん暑くない?」

「............」


 返答がない。


(もう寝たか?)


 そう思い、俺は楓ちゃんから離れようとした。


 すると、


「お兄ちゃん、騙されたぁ♪」


 そう言って、楓ちゃんは俺の上にのってきた。


「お兄ちゃん、楓が寝ちゃったと思ったですか?ぶっぶー、それははずれなのですぅw」

「ははー、すっかり騙されたー」


 とりあえず、俺はそれにのってやることにした。


「寝るまでだっこしてくれるって誓いを破ったお兄ちゃんには罰ゲームがあるですぅ♪」

「うわー、罰ゲームかー。何かなー?」


(とっとと終わらせて寝させよ)


「じゃあ、罰ゲームやるから目をとじてほしいですぅ」

「はいはい」


 そして、俺は目を閉じた。


 それが、あの事件の始まりだとも知らずに...


 チュッ


 目をつむっていた俺の唇に何かが触れた。


「...んっ!」

「んっ、どうですか?罰ゲームの味は」

「まさかとは思うが....何をした?」

「もちろんキスをしたですぅ♪ちなみにファーストキスです///」


(いや、そこまで聞いてねぇよ!うん?...なんかこれ見たことあるような...)


「なぁ、楓ちゃん。前もいったと思うけどそういうのは本当に好きなーーーー」

「好きな人としかだめだったですよね?だから本当に好きな人にやったですぅ」

「楓ちゃん、そんなに俺のこと....」

「気付くのが遅すぎですぅ…あの...もう一回していいですか?」


 俺は断ることが出来なかった...ってやっぱこの感じどっかであったような気がするんだけど何だっけなぁ...


 そして、楓ちゃんはまた唇を重ねてこようとした。


 そんな時だった...


 ガチャ


「あ、兄貴...何やってんの?」

「えっ...加奈子?...あっ」


 ここで今さらながらこの展開はあのゲームと同じだということに気付いた。


 でもそれは...遅すぎだったのだ...








お読み頂き感謝です♪

加奈子にばっか、こんな辛い思いをさしてほんとにすまないと思ってます...

ごめん!加奈子ぉぉぉぉぉぉ!

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