表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/53

第15話:俺が怒るなんてそうそうないこと...なんだけどね

よろしくお願いします!

 俺はこんな光景を見るなんて、これっぽっちも思っていなかった...


「おーい、恵連れて...」


 バチン!


「あっ...」

「お前…何やってんだよ」


 俺がリビングのドアを開けると、そこは嵐が通った後のような惨状になっていた。


「うえーん、お兄ちゃーん」


 楓ちゃんが泣きながら俺に抱きついてきた。


「よしよし...加奈子どうゆうことだ」

「いや...これは、ちがくて...」


 その時の加奈子の様子はおかしかったが、今の俺はそんなこと気にする余裕もないぐらい怒っていた。


「ぅぅ....怖かったですぅ...」

「ちょっと何いっちゃってんの!兄貴、そいつ猫かぶってるから騙されないで!」

「うるせぇ!いい加減にしろよ加奈子」


 俺が大声を出したことに驚いたのか今まで抱き付いていた恵が俺から離れた。


「お、お兄ちゃん、落ち着いて」


 恵の声は俺には届いていなかった。


「加奈子...もうお前の顔なんか見たくねぇ...とっとと失せろ」

「えっ...」

「ちょっとお兄ちゃん!何いってるの!?」

「...もういい!」


 そう言って、加奈子はリビングから出ていった。


「あっ!待ってかなちゃん!」


 恵も加奈子の後を追ってリビングから出ていった。


「もう、怖いお姉ちゃんいなくなったから大丈夫だよ」

「ありがとですお兄ちゃん(ざまぁww)」


 このときの俺は、これで正しいと思っていた...


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 俺は楓ちゃんが泣き止むまで傍にいてやっていた。


「どうだ?落ち着いたか?」

「だいぶ気が楽になってきたですぅ…お兄ちゃんほんとありがとですぅ」

「もとはといえば俺の妹が悪いんだから俺にもちょっとは責任あるしな」


(にしてもなんであんなことしたんだ?)


 そんなことを思っていると、楓ちゃんが話し掛けてきた。


「ねぇ、お兄ちゃん...」

「ん?どうした?」


 楓ちゃんはちょっと言いにくいようでもじもじしていた。


「あ、あのね、今日お兄ちゃんの部屋で一緒に寝てもいいですか?」

「はい?」


(おいおいちょっと待て...どゆことこれ?)


「あんな怖いことがあったあとでまだ怖くて、それでもしものことがあってもお兄ちゃんなら守ってくれるなって...だめですぅ?」


(楓ちゃんの上目遣い...これは反則だろぉ)


 俺は断ろうにも断れなかったので...


「はぁー...まぁいいか」


 と答えた。


「やったぁ!楓うれしいですぅ♪」


 そう言って、楓ちゃんは抱き付いてきた。


「おい!やめろ!」

「えへへ、お兄ちゃん大好きですぅ♪」


(明日で帰っちゃうからな。仕方ない...か)


「ふふん♪早く夜にならないかな」


 俺はさっきのことを忘れかけていた。


 しかし、加奈子のほうは違っていたみたいだった...


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ~加奈子 View~


 私は逃げるようにリビングを出た。


(なによ!なにも知らないくせに...)


 私は泣きそうだった。


 そんな私を誰かが追ってきてくれたみたい。


「かなちゃん待って!」


 まさか兄貴が!とも思ったけどそれはメグだった。


「メグ...メグぅ」


 でも正直メグでよかった。

 だって兄貴だったらこんな風には泣けなかったから。


「かなちゃん...やっぱり何か訳があるんでしょ?私で良ければ聞くよ?」


 メグは双子の姉妹の姉であり私の一番の親友...だから私はメグを信用している。


「実はね...」


 私はあの事をありのまま話した。


 すると、メグは...


「やっぱりあのメス豚が諸悪の根源...待っててかなちゃん、今...消してくるから」

「いや、そこまでしなくていいから」


 メグはこんなときでも冗談を言ってくれる。

 正直、少し気持ちが楽になった。


「とにかく、それお兄ちゃんにも言った方がいいよ」


 メグはそう言ってくれた...でも...


「それはだめ...言っても信じてくれないと思うし、それに...」


(顔みたくないって言われちゃったし...)


 私はあの事を思い出すとすごく胸が締め付けられる思いになった。


 私の目にはまた涙が溢れていた。

 そんな私を見て察してくれたのか、メグが...


「お兄ちゃんも本気であんなこと言ったんじゃないと思うよ?」


 と言ってくれた。


 でも、私もそんなことは分かっていた...ただ、お兄ちゃんを怒らせてしまったことが今の私にはキツかった。


「私...どうしたらいいかな?」


 私は精神的に限界になりかけていた...でも恵が救ってくれた。


「とりあえず、今は思いっきり泣こ?それで、そのあとお兄ちゃんにちゃんと謝って仲直りしよう...ね?」


 メグは優しくそう言ってくれた....私は我慢できなくなった。


「メグ...ありがとうメグ...」


 私はメグに抱きついた。


「...よしよし」

「うわぁーーん!兄貴のバカー!」


 そして、私は思いっきり泣いてやった。

 それはそれは、一年分ぐらいの涙は流したっていうぐらいに。


 そして、決心した...


(よし!今日の夜、兄貴に謝りにいこう!そんで、絶対仲直りしてやるんだから!)


 私は確信していた...絶対仲直り出来るって。


 でも、それは叶わなかった。あの事件がきっかけで...





お読み頂き感謝です♪

これからシリアス展開が続きます...

なんかすんません...

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ