第14話:私がお兄ちゃんを好きで悪いことなんて...ないよね
よろしくお願いします!
今回は妹視点で書いてます!
~恵 View~
私はベットの中でうずくまっていた。
(最悪だよー...今考えると一緒にお風呂入るなんてどうかしてるし、それにあんなことまで...)
「...うあああああ」
ダメ...思い出すだけで恥ずかしい...
「お兄ちゃん...嫌いになっちゃったかな...」
私はお兄ちゃんに変な子だと思われたと思っていた。
「嫌われたらどうしよう...私...お兄ちゃんに嫌われたら生きていけないよー...」
私にとってお兄ちゃんとは世界で一番の存在...
なので、そのことを考えると私の心はズタズタに切り裂かれ今にもおかしくなってしまいそうだった。
「お兄ちゃん...お兄ちゃん...」
私は何度もこの言葉を唱え続けた...けれどお兄ちゃんは来てくれない...来るわけもない...か
「どうしてこんなことになったの...私だってあんなことしたくてしたんじゃないのに....あっ、そっか」
私はあるひとつの答えにたどり着いた。
「あのメス豚が来てから変なことになったんだ...だったら消せば万事解決だよね...」
そして...ある決心をした。
「....よし、殺そう」
そんなときだった...
コンコン
「恵、いるかー?」
私のことを誰かが呼んだ。
「俺だけど...ちょっといいか?」
「えっ!お兄ちゃん!?」
それはお兄ちゃんでした。
(なんで...なんでお兄ちゃんがここに!?)
「あのさー、昨日のことで話があるんだ」
「き、昨日のこと!?」
昨日のことと聞いて私は過敏に反応してしまう。
(来てくれたのは嬉しいけど....関わるなとか言われたらどうしよう)
私はなんって言われるか怖くてビクビクしていた。
でも、やっぱりお兄ちゃんはそんな人じゃなかった...
「昨日はほんとごめん!」
「...えっ?」
絶対嫌われると思っていた私はお兄ちゃんが言ったことを一回で理解できなかった。
「あのあとすぐに謝りにいけばよかったのに俺、テンパっちゃってて...恵は、女の子だからあんなこと、絶対嫌だって分かってたのに...」
「...お兄ちゃん...」
(あわわ...どうしよう...なにか言わないとなのに頭真っ白だよー)
「怒ってる...よな?ほんとごめん...とりあえず、お前朝からなんも食べてないよな?だから昼飯持ってきたから食べろよ。加奈子...心配してたから...そんじゃ」
(あ、お兄ちゃんが行っちゃう...そんなの嫌だ...待って、待ってお兄ちゃん!)
私はベットから抜け出しドアまで走り一気に開けた。
バンッ
「お兄ちゃん待って!」
そこにはまだお兄ちゃんの姿はあった。
私はお兄ちゃんに抱きついた。
「わっ!どうした恵!」
「お兄ちゃん...謝るのはこっちの方だよ...私、あの子にお兄ちゃんがとられるのが嫌だったから見栄はってあんなことして...それでお兄ちゃんに迷惑かけちゃって...ごめんね」
「えっ?怒ってないの?」
その問いに私は思いっきり首をふった。
「そっか、なんだ心配して損したぜ」
「お兄ちゃん心配してくれてたんだ...」
「うん...ってそんなわけあるか!さっきのはあれだ、言葉のあやってやつだ!」
必死になってるお兄ちゃん...ほんとかわいい。
「てかそろそろ離れろ!いつまでそうやってるつもりだ!」
お兄ちゃんは私を離そうとした。
でも私は離れなかった。
「だーめ♪」
「はぁー...もう好きにしろ」
「えっ!お兄ちゃん今私のこと好きっていった!?」
「ちげぇーよ。いい加減にしろ」
お兄ちゃんはいつもゲームばっかりやってるいわゆるオタクってやつだけど、嫌いって言いながら私達のこと考えてくれるとても優しい人。
そして、私達の世界でたった一人のお兄ちゃんであり私が世界で一番愛する人。
もちろんきっとこれからもこの気持ちは変わらない...
だからこの気持ちをちゃんと伝えないと。
たぶん伝えても気付かないだろうけどね。
でもいつかきっと伝わることを信じて私はこの言葉を言い続けるよ。
「お兄ちゃん...だーいすき!」
ってね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~大介 View~
(ふー、とりあえず一件落着だな)
俺は恵に謝って機嫌を直してもらうことに成功した。
「てか...そろそろ離れろ!マジでいい加減にしろよ!」
「えへへ...いーやーだ♪」
「頼むから離れてくれ」
俺は何とかして引き離そうとしたが...無駄だった。
「お前、加奈子に心配かけたこと謝らねぇといけねぇだろ!これじゃあ歩けねぇじゃねぇか!」
「じゃあこのまま引っ張って♪」
(ダメだ...なにいっても伝わんね)
しかたなく、俺は恵が抱きついたままリビングへと向かった。
まさかあんな光景を見るなんて今の俺はこれっぽっちも思っていなかった...
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~加奈子 View~
「ん?加奈子お姉ちゃん?」
「あ...楓ちゃん」
(ヤバッ!さっきの聞かれてたかも)
「何してるですか?」
「べ、別に...なにも」
(よかったー、聞こえてなかったみたい)
「楓ちゃん、何かする?」
「いえ、今はいいですぅ」
「そ...」
とりあえず、私と楓ちゃんはソファーに腰掛けテレビを観た。
「...............」
「...............」
(気まずっ!なにかしゃべらないと...)
すると、楓ちゃんの方から口を開いた。
「あの、加奈子お姉ちゃんひとついいですか?」
「どうしたの?」
「お兄ちゃんのこと好きなんですか?」
「ぶっ!」
楓ちゃんはなんのためらいもなく聞いてきたので思わずふいてしまった。
「な、なんで?」
「さっきそんなこと言ってなかったですか?」
(うっ...やっぱ聞こえてたか)
「...そうだけど」
「加奈子お姉ちゃんはもっと常識のある人だと思ってたですぅ」
「...どういう意味?」
楓ちゃんはまたしてもためらいなく言った。
「はっきり言うですが、超キモいですぅ」
「へ?」
「だからキモいって言ってんの」
二回も言われた...これにはさすがの私でもキレた。
「ブチッ...あーそー、へぇーそう!それがあんたの本性ってわけか」
「だったら何?」
(何か隠していると思ってたけどまさかこんなんだったとはね)
「あのさー、このさい言わせてもらうけど兄貴にもうひっつかないで」
「どうしてですか?」
「あんたみたいなのに触れてほしくないの」
「自分が触れないからって嫉妬ですか。マジ乙ww」
「な!ちっ!」
(なにこいつ!超ムカつくんですけど!)
「一緒にお風呂も入れないぐらいですもんねー。かわいそうww」
「はぁ!うっさい!一緒にお風呂とかガキだっつーの!私なんかいっつも抱き合ってるし、裸もみせあったし!」
実際はただこっちから抱きついただけだし、裸も見せたのは私だけでしかも背中だけ...
「いや、お風呂入った時点で裸みせあってるし...普通でしょ」
(しまったー!もう、私の方がガキじゃん....)
「と、とにかく、もう兄貴には近づかないでね!」
「嫌ですぅ!そっちこそ妹なら妹らしくしてろっつーの」
「あ?」
「なんだよ?」
私はもう爆発寸前だった。
そんな時、楓ちゃんが止めを指してきた。
「実はー、楓今日お兄ちゃんと一緒に寝ることになったんですよー。そこでお前のお兄ちゃんねとっちゃいますねw」
「ブチッ!!!」
私はとうとう我慢できなくなった。
そして、理性を失った私は...
「あんた、いい加減にーーーー」
私は楓ちゃんに手を降り下ろした。
そんなところに...
「おーい、恵連れて...」
「しろ!」
バチン!
私はかえでちゃんの頬を叩いた。
しかし、それを兄貴に見られてしまった。
「あっ...」
「お前...何やってんだよ」
楓ちゃんの顔を見るとしてやったりという顔をしていた。
私はまんまとはめられてしまっていた...
お読み頂き感謝です♪
修羅場ってますねぇーw
今後の展開は...まだ考えてませんw




