【15】 戦闘訓練?
「よしっ、皆無事に契約が済んだし、ギルドへ行って報酬をもらいに行こう」
少し、鼻息を荒くする柚衣。ギルド......って、あっ!スイバまだ採ってないや。
採りに行かないとね
「僕、まだクエスト終わってないから、してこないと」
「そっか、じゃぁ別行動だね。何か危険な目にあったら、逃げてね」
「怪我して帰ってくんなよ」
「うん、じゃ行ってくるね」
「「いってらっしゃい」」
《僕とクロ太がイレルカ洞窟の入り口にいない事実を破壊する》
次に目を開けると、林の中の洞窟の前に立っていた。
「にゃ!?ご主人のすきるは、転移なのかにゃ?」
「ちがうよ。破壊ってスキルだよ。クロ太は何のスキルなの?」
「破壊って規格外ですにゃ.....わっちは具現というすきるですにゃ」
十分君も規格外だね......
「まぁ、わっちのすきるは魔力を供給し続けないと消えてしまうから、あまり効率のいいものではないですにゃ」
そう言いながら、スキルを発動するクロ太。
「どうしたの?」
「魔物ですにゃッ」
茂みへと飛び掛っていった......!? 何処へ言ったんだろう?
向こうから、『ギギィ』と短い悲鳴が聞こえてくる。
少しして、クロ太が帰ってきた。緑色の血が付着しているオレンジ色の刃渡り20cmぐらいのナイフを手にして。
「これで、もう大丈夫ですにゃ」
「そ、そっか」
「何を採りにきたのですにゃ?」
「スイバって言う薬草だよ」
「それなら、匂いで探せますにゃ。探してくるので待っててくださいにゃ」
「あぁ、ありがとう」
何か至り尽くせりだな。また、茂みへと消えていく、クロ太。
初報酬は、クロ太に何か買ってあげよう
待っている間、変身の練習をしよう
ねずみから、猫、狐、狸、兎の順番で変身していこう
「ご主人~。みつかったにゃ~」
見つけたようだ。体を兎から元に戻して、クロ太の元へと走った。
クロ太の近くにあったのは、
「ヨモギ?」
「ヨモギって何ですにゃ?」
うん、普通にヨモギじゃなかった。匂いはハーブ系だし、水の上に浮いてるし、色合いも少し違う、なんかピンク色だ。
「なんでもないよ」
「? さっさと採って帰りたいですにゃ」
「どうかしたの?」
「お腹が減ったですにゃ~」
「そっか、じゃ、もらった報酬で何か食べよっか」
途端に、クロ太の目が光り、スイバを根こそぎ採取し始めた
「5株でいいからね...」
聞こえてないようだ。
結局、25株採取した。