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3章「神様にだってそういう時はあります」

3章「神様にだってそういう時はあります」




 「うん。言い返事だね、それじゃぁ早速行こうか。すぐそこに魔魂居るみたいだから、そいつを思いっきり殺っちゃってっ」

 「は、はい」

 『殺っちゃってって、神様そういう言葉しってるんだ…てか、普通に使うなよっ!』



信司は心の中で叫んだ。期待はずれな神様と言えど、神様に突っ込むわけにはいかない。

信司は心の中で突っ込むことに決めた。

 「すぐそこって、どれくらいですか?」

 「ほんとにそこだよ。ほら…」




神様が指差した先には赤い服と赤いズボンに身を包んだ男が立っていた。ここから距離はそう遠くはない。というか、本当に近くだ。6mあるか、ないか。

そして顔はというと…骸骨になっている。そして手には大きな剣を持っており、何かしらの嫌な空気が漂っている。




 「あれか…」

 「今回は試験だから、彩音ちゃん無しで一人で戦ってもらうよー」

 「えっ!神様ぁっ私も信司君と戦いたいっ」

 「駄目だよ、試験なんだもん。」



彩音はぷくーっと頬を膨らませて信司に向かって

 「がんばってねっ」

と声援を送った。そして信司はうなずくと、昨日と同じ動作で手袋と靴を取り出して解放と叫ぶ。

 それが戦闘開始の合図となり、信司はすぐに空気で剣を作り魔魂に向かって飛び込んで行った。対する魔魂はそれに気付いたのか、信司の方に向き直り、剣を構える。




 「あれは…骸の使徒。雑魚じゃなかった…」

 「え、神様っ!? こんな時に見極めミスですか?」

 「うぅ…ごめん。ごめんよ、信司君。」



その会話は信司に聞こえていない。

聞こえていない方が、戦いには集中できるのだろうけれど、雑魚と最初に言ったので油断しかねない。

それに神様が信司のことをおだてたからなおさらだ。

そして信司は骸の使徒の懐に潜りこみ、一閃しようかとしたその瞬間。

骸の使徒の体が3つに割れた。




 「…っな…割れた…?ど、ど、ど、どうなってんすか!これ!」

 「そいつの能力だよっ信司君! 気をつけてっ単純な攻撃じゃぁ、あいつは斬れないよ!」

 「それを先に言ってよっ!」




信司は叫びながら後方に跳んだ。そして、上に跳び態勢を立て直し、両手を前に出して空気を集め、変換。

空気はたちまち10本の刺となり、骸の使徒目掛けて飛んでいく。

躯の使徒はそれを剣で全て防ぎ切り、こちらに跳んできた。




 「まじか…」

 信司は急いでさらに上空へと跳んだ。そしてなかなか追いつけない。追いつけないどころか、見えない高度まで登る。

すると、空に魔法陣を描く。そしてあるものをイメージし、変換。

空気は一瞬にして槍の雨と化した。

骸の使徒はさすがに避わせないようだ。




そして、骸の使徒はガードするのをやめて棒立ち状態になった。

 「諦めたのかな…?」

信司は上空から秒速100mの勢いで骸の使徒の後ろに回り込む。

 『いや…これは諦めじゃない。なんだ…この嫌な空気は…』



槍の雨が四方を囲み、骸の使徒に当たりそうになった瞬間。骸の使徒の体に異変が現れた。

服が裂け、その体躯があらわになった。完璧なる骸骨。そして、ほねの色が頭から爪先まで血の赤に染まる。

 そして…



槍の雨をその体で全てはじいたのだった。

 「は…? え、え、えーっ! ちょっとまてぇぃっ いくら骨でもこれはないっ! これはっ!」

 「あの、神様ぁ…信司君。大丈夫ですかあ?」

 「だいじょーぶじゃなーい?」

 「なんですかっ? そのけだるそうな声はぁっ! 信司君が危ないっぽいですよっ」

彩音は顔を真っ赤にして神様に大して若干の怒りを見せる。神様に怒る天使。普通ならおかしな話だろう。だけれどもこの神様については、怒りたくもなる。

 「この骸骨やばいなぁ…つか、どこが雑魚だよっ!」

 「あはは…」





信司は何度か骸の使徒の体を斬ろうとしたが全てはじかれてしまった。



 『こうなっては剣ではだめか…』

 信司は精一杯思考を巡らせた。この状況の打開策。鋼のように固い骸骨。剣では斬れない。槍も無理。刃物では無理だということだ。



 『炎であぶるか? …いや、そういえば火葬しても骨は残ってるから…無意味っぽいな。んー…考えろ…考えるんだ…っ!』

 炎は、無理。刃物も並大抵のものでは斬れない。水…無意味。

 『ん…? ちょっと待てよ…そういえば、この力って知ってる物なら想像すれば作れるんだっけな。だったら…あれだって…』

 信司はおもむろに高く跳び上がり、一瞬にして姿を消した。そして、信司はまず手に力を込めて刀を作る。





さらにその刀で空中を斬りながら四方八方へと跳ぶ。一見何をしているのだろうと思う動作だ。

そして地上に向かって空気を蹴った。彩音達から視認できるほどの高さに行き、着地。

そして信司は刀を水平に構える。

 「彩音ちゃん。信司君は何をするつもりなんだろうね?」

 「さぁ…私にはわかりません。戦闘に関しては私はあんまりですからねぇ」




 骸の使徒の口から煙が漏れ、不気味さを漂わせている。それを見ても余裕の表情を漂わせている信司。彩音と神様は息をのんで見守る。

信司が一つため息をついたかと思うとその瞬間。骸の使徒めがけて飛び込んだ。

 「何!? 刀は効かなかったのに?」




 「…んー、ただ無謀に突っ込んでるってわけじゃなさそうなんだけどねぇ~…」

そして信司は懐の前でまた跳躍、今度は右斜め上空へ。そして右、左。また懐への繰り返し。そして、数回それをしたかと思うと立ち止り、また上空へ飛んで帰ってきた。

すると、上空から魔法陣が描かれた槍が無数に降ってくる。そして骸の使徒の周りに魔法陣が現れ…

槍がそこに達した時、そこから眩しすぎる光が骸の使徒を包む。




 そして無数の槍がその光の中へと飛び込んだ瞬間。信司は駆けた。

信司はその光の中へ突っ込むと持っていた刀を一閃。そして右斜め上から斬りつけ、さらにその反動を利用して左斜め下から右に斬る。また、今度は右から左斜め上へ斬りつける。それをものすごい速さで何度か繰り返している。




もちろんその様子は彩音達には見えない。信司も目を閉じているので見えない。

骸の使徒も…見えていないようだ。

そして斬れないはずの骨に無数の切り傷が生まれる。

そしていくつかひびが入ったところで信司は手に力を込め空気を集めて…

骸の使徒を…思いっきり殴った。

すると、骸の使徒の体に入っていた亀裂が広がり、骨は…割れた。

 骸の使徒が無残に砕け散り、光も消えた時彩音と神様の目には目をつぶって立っている信司の姿しか見えなかった。





 「何が起こったの…?」

 「私にもわからない。彩音ちゃん、ちゃんと見てたかい?」

 「光の中に跳びこむまでは…でも光の中までは見えなかった。」

 彩音と神様は信司のところに駆け寄ると質問を浴びせた。

 「どうやったの?信司君」

 「あぁ…まず上空に跳び上がって消えた時あったでしょ? その時に、大きな魔法陣を描いたの。それと同時にこの刀。斬鉄剣をイメージして、作った。」





 「なるほど…相手が鋼の様に硬いものだから、斬鉄剣なら斬れると思ったわけか。」

 「そういうことです。それで、今度はめまぐるしくハエみたいに跳びまわった時あったでしょ? あれ、実は…魔法陣を剣で書いてたんです。」

 「あぁ、あの光の発生源はあれだったわけか。」

 「はい…空気で光を作れるかというのはかなり冒険でしたがね。それで、上に行って発動させてきました。実はこっそり彩音にこういう魔法陣を教わったんです。」

 「えへへぇ~っ 私の教えが役にたったぁー」

 「それで、中に飛び込んでひたすらに切り刻み亀裂を入れました。斬れると思ってたんだけど、亀裂を入れるだけで精いっぱいでしたから…そしてとどめに空気を集めて硬質化させてパンチ。これで終わりです」






 あらかた説明し終えると信司は息を吸い込んで…

 「神様っ! あれのどこが一番雑魚なんですか! おかしいでしょっ! あれが一番の雑魚って!」

 「いやいやぁ…ごめんごめん。あれ、実は3番目に雑魚。」

 「え…?」

 「神様の見極めミスよー、そういうこともあるの。神様には」

 「そうそうーっ大目に見てもらいたいね」

 「…ともかくっ! 今後はもっとしっかりしてくださいっ!」

 「はい…」





信司は一瞬固まった。何言っているんだろう。偉大な神様に向かって。いや、偉大なのかどうかは微妙なのだけれど…という葛藤が生まれる。

それでも、まぁいいかと。前言撤回だと言わんばかりに心の中で叫んだ

 『よし、これからは神様にも突っ込もう』

 「まぁ、なにはともあれ勝てたんだからいいじゃないかぁーっ」

 「まぁ…そうだけども」

 「これで信司君は彩音ちゃんの正式なパートナーだね」

 「よろしくねーっ! 信司君っ」

 「やっぱり彩音、キャラ変わってない?」

 「信司君に言われたくないっ! それに、これが素なのよ。」

 「僕もこれが素だ。」

 「おやおやぁー 彩音ちゃんがすぐに素を見せるなんて珍しいじゃないかぁ」




神様がそう言うと彩音は顔を真っ赤にさせて

 「べ…別にっ、珍しくなんかないもん。この前は、初対面で…だから冷たい口調だったのよっ!」

そう自分を弁護した。神様はクスっと笑い、信司は苦笑いをしている。






彩音は、耳の先まで赤く染めて顔を覆っている。

 「よし、じゃぁ今度は君に二つ名を与えよう。」

 「二つ名…」

 「そうだねー、君はぁ…在天無天。なんてどう?」

 「それ、どういう意味? 神様ぁー」

 「彩音ちゃんは本当におばかさんだね。字で分からないかい? 一応書いて説明したんだけど。」





神様の手には達筆な字で在天無天と書かれた紙が握られている。それを前に突きだし、見せるようにしている。

 「これは、天使であって天使で無い。まさに信司君の特徴そのものさ」

 「あれ、能力で二つ名決めなかったんだぁ」

 「そうだね、彩音ちゃんやみんなは能力だけれど、なんか。能力でつけにくいじゃん。それに、こっちのほうが特徴的だなぁって…」




神様は唇に人さし指を当て、悩んでいる。数秒悩んで信司が…

 「それ、いいと思います。確かに僕は天使と人間の中間。天使であって天使でないですし。」

 「さすが信司君だ。物分かりがいい。空気も読めるっ」

 「神様ぁ?なんで私の方見て言ったんですかぁ?」

 「あはは…さて、そろそろ私は戻るとしよう。」

 「あ、逃げた。」

 「逃げだな。」

 「じゃぁね。期待してるよ」

神様はそれだけ言い残し、逃げるように天界へと昇って行った。



おはこんばんにちわわっ!!←

どもっ時雨恵ですっ


3章書きあげました

書きあげたのは結構前なんだけれど

宿題いっぱいで徹夜三昧で載せる時間なかったんですっ

すいませんっ


話数ごとの感想は、音時雨へお願いします。

なお、何の小説の何話の感想なのかご明記いただけるとうれしいです

では!


http://playlog.jp/gzza/blog/


ここのAngel Magic更新!3話っ!

というところにお願いします

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