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ダイス・マキア  作者: kiro


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17/91

魔女の対重力理論と、白銀の籠手

奥多摩の山中で1/100の奇跡を引き当て、西東京市の地下セーフハウスに帰還した俺とセリアを、イヴは徹夜のテンションで出迎えた。


「素晴らしい。神獣の魂が物質化した専用神器『機巧神の籠手デウス・エクス・ガントレット』。これなら、【6】の権能の莫大な反動オーバーヒートを外部装甲として完全に逃がしてくれます」


イヴは俺の右腕に装着された白銀のガントレットを魔術でスキャンし、満足げに頷いた。


「これで俺も、気兼ねなく『不落の大盾』や『万軍の戦車』を出せるってわけだ」


「ええ、腕が吹き飛ぶことはありません。……ですが、あなたの魔力や体力が無限になるわけではない。連発すれば、腕の代わりに『意識』が焼き切れて死にますよ」


イヴが冷水を浴びせるように釘を刺す。 


「それに、いくら【6】の手札が切れるようになったとはいえ、アルテアの歴150年の『重力支配』を正面から打ち破ることは不可能です。重力とは空間そのものの圧。戦車を出そうが盾を構えようが、空間ごと圧縮されてミンチになるだけですからね」


「じゃあ、どうするんだよ。この籠手があっても勝てないなら、紅刃こうじんは助けられないぞ」


俺が焦りを見せると、イヴはデスクの上に数枚の紙を広げた。そこには、物理学の数式と魔術陣が複雑に交差した図が描かれている。


重力グラビティを攻略する唯一の鍵は、質量マスです」


イヴはチョークを手に取り、空中に数式を書き出した。


「重力という物理現象は『対象の質量』に対して働くものです。……統くん、あなたの【1】の権能ウェイト・ダウンで、自身の質量を『完全なゼロ』にした場合、どうなりますか?」


「……! 質量がゼロなら、いくら重力をかけられても、影響を受けない……?」


「その通りです。『0 × 100倍の重力 = 0』。質量を持たない存在を、重力で圧殺することはできません」


イヴの言葉に、俺とセリアは息を呑んだ。


絶対無敵に思えたアルテアの重力空間を、無効化できる唯一の理屈ハック


「ですが、質量ゼロのままでは攻撃の威力もゼロ。アルテアにダメージを与えるには、彼に肉薄し、攻撃が当たる『コンマ一秒』の瞬間だけ、質量を元の重さ……いや、限界まで『重く』逆転リバースさせる必要があります」


イヴが眼鏡の奥の瞳を鋭く光らせる。


「重力空間の中で、質量を0から100へ瞬時に切り替える。タイミングをわずかでも間違えれば、その瞬間に重力で圧殺されます。……残された1ヶ月。この致死のイカサマを、無意識で息をするように行えるまで、徹底的に身体に叩き込んでもらいますよ」



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