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導きの愚者  作者: ひじきの煮物
第二章 新たな世界と南の都市
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第二章17 何気ない朝


 都市へ来てから二日後、時刻は朝方。起床して準備を完了したラルズは、契約して私室同然となっている宿場の部屋を出ていき、目的地目指して進んでいた。

 

 場所は当然、昨日ミュゼットと別れる直前に約束した大広間だ。集合時刻は明確に定められてはいなかったが、初めて彼女と出会った時間付近で時間を潰していると発言していたので、記憶を掘り返して日時に間に合うように調整。


 現地についたとしても都市然り、大広間もそこそこ広い部類に入るので見つけるのに時間が掛かる可能性も。こういう際、グレンベルクから譲り受けた代物、対魔鏡なんかを手にしていれば、落ち合うのも楽なのだろう。便利な魔道具もあるものだと、常々感じてしまう。


 グレンベルクの方から接点を設けてくれたこともあるので、近いうちに連絡を図ろうとは考えている。幼少期の頃から日課となっている鍛錬もそうだが、彼と一度立ち合い、黎導と同じく実力のほどを確かめてみたいし、普段から立ち寄っているギルドと呼ばれる施設にも多少興味がある。


 旅をしている名目の中で、将来目指したい職種柄を定めたいというのも一つだ。都市に限らず、人々を守ろうと尽力するギルドの仕事ぶりは、ラルズの中では好印象であり、同時に選択肢としても悪くないと感じている。


 なので詳しい事情を把握しておきたいという思いも上々。仕事を軽んじている訳じゃないが、もし叶うなら直接現場で仕事ぶりを味わってみたい。体験実習みたいな制度が設けられていると助かる。


 期限は有限。だが少なくとも一年間は外の世界に身を置ける。焦らず、自分の道筋を増やしていきたい。


 ・・などと考えていると大広間に到着。辺りに視線を動かしてみると……


 中心、噴水の脇に設置されている、等間隔に配置されているベンチの一角。そこに見覚えのシルエット。腰まで届く綺麗な白髪の持ち主、足をプラプラと動かし、周囲に首を動かして視界を絶えず働かせており、誰かを探している素振り。


 見間違うことなどなく、ミュゼットが先に大広間で待ち人、約束を交わしたラルズを待っていた。


「ミュゼット!」


「――! ラルズ!」


 手を振りながら名前を呼んで駆け寄る。座り込んでいたミュゼットも立ち上がりラルズの方へ。互いが互いの存在に気付いて合流に無事成功。時間的に気持ち少し早目に宿を後にしたラルズであったが、彼女はそれよりも早く現地で待機していた。


「ごめん、もしかして随分と待たせたんじゃ……」


 まさか既に到着しているとは思ってもおらず、ミュゼットに待ちぼうけを食らわせてしまった形に。


「私もさっき来たばかりだからさ、全然気にしないで!」


 男性が女性に言えれば恰好がつく台詞だが、今回に関しては立場が完全に真逆だ。気にしないでと、ラルズを気遣って配慮してくれるミュゼット。特段気にする必要もないかもしれないが、女性を待たせてしまうのは性分上よろしくない。


 次からは意識的に行動を早めることを心掛けよう。


「・・そう言えば予定は合わせたけど、これからどうするか何も決めてないね」


「あ、確かに……」


 落ち合う約束は取り付けたものの、今日これからの行動は何も考えていない。両者とも失念していた。


「先生もまだ早いから寝てるだろうし、それまでどこか時間でも潰せればいいんだけど……」


 ステラもこの時間はまだ活動停止中と、彼女のことをよく知っているミュゼットが補填する。最も、昨日訪れた際も眠っているだろうと推察したのに対し、随分と不躾に押し入っていたのだが、流石に太陽が昇り始めて直ぐの時間に押し掛けるのは不味いと感じているのだろうか。


 二人して沈黙してしまい、これからどうするか頭の中で思案し合う。都市について詳しいのはミュゼットの方であるし、アイデアが豊富なのは彼女の方だ。


 とはいえ、ラルズの方で何も案が無いわけではない。気になる代物は今の段階でも充分にあるし、それこそ――


「・・もしあれなら、少し露店を巡りたいんだけどいい?」


「露店? いいけど何か探し物?」


「昨日話した妹二人、シェーレとレルがいるんだけど、文通だけでやり取りするのもあれだから、もし金銭的に余裕があったら、昨日グレンから頂いた対魔鏡みたいに、連絡を取り合える魔道具があれば、屋敷の方に贈りたいと思ってさ」


 ラルズが手にしている金銭の大半はミスウェルから頂いたもの。その中にはラルズが毎月貯金していた金銭も少しは内蔵されている。元々物欲があまりないのと、当時欲しいものもこれといってなかったこともあり、それなりに個人的な財布は潤っており余裕がある。


 そこで都合の良い代物、今回では対魔鏡に当たる。定期的に無事を知らせる名目も相まって手紙を屋敷に贈ろうとしているのだが、それよりも手軽で、且つ顔を見合わせられる対魔鏡があれば、文を送らずとも、いつでも好きなタイミングでシェーレとレルにコンタクトを図れる。


 ミスウェルやアーカード、ノエルとも接触できるし、持っていて損はない、価値の高い一品だ。それと個人的に他の魔道具にも関心がある。


 なのでミュゼットが良ければ露店を徘徊して目当ての品の値段と一緒に確認したいのだが、


「いいよ!」


 ミュゼットから了承も頂く。都市に詳しい彼女の案内に従い、二人はそのまま大広間を出発して都市の北側へ向かっていった……


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「グレンの言ってた通り、結構手が出やすい値段なのね」


「微妙に柄が違うのは、同一品との差別化だろうね」


 二人して露天商の真ん前、腰を低くして並べられている商品を閲覧中。数軒立ち寄って商品を目にすれば、どれも値段はそこまで大差も無く、同時に庶民でも手が出るくらい良心的なお値段ごろとなっている。グレンベルクの言う通り、広く人々の手に渡っている点と値段、それに利便性を考えても、かなりお得な代物だ。


 見た目ほとんど同じに見えるが、留め金が張られた金属の張りの上、今ラルズが手にしている代物には役柄が記されている。この絵柄が二台セットで購入する際の目印変わりとなっていて、他者の対魔鏡と被っても持ち主が分かり易い仕組みになっている。


 ちなみにラルズが手にしているものには火を表すマークと、間接的に魔法を思い浮かべる類のもの。持ち主の扱う魔法に合わせて絵柄なんかを揃えておくと記憶に定着しそうだ。


「どうしようかな……?」


 シェーレとレルに渡す分の対魔鏡。本来個別に渡しておけば何も心配する要素も無いのだが、数を増やしてしまうと手持ちがかさばってしまうだろうし、わざわざ二種類用意する必要があるか審議中。


 二人とも行動を共にする機会も多いし、一緒にいる時間も沢山だろう。そう考えると、違う鏡面を映して連絡を取り合うのも変な話、不格好に加えて少々扱いも面倒だろう。


 となると両者に渡すべき対魔鏡は一つが相応しいだろう。考えを結論付け、後は柄を選択するだけ。対魔鏡一つとっても絵柄が複数個異なる物が多いから、意外と悩んでしまう。属性を暗示するマークに、製造主の思案したオリジナルデザインが施されているのも少々。


「ラルズ、どれにするか決めた?」


「・・これが一番いいかな」


 手に取ってみたのはハートのマーク。トランプの絵柄にも使われている、言ってしまえば安直な絵柄だ。


 ハートのイメージとして、愛情が強い印象を持っている。家族間での仲の良さだったり、仲睦まじい兄弟間を表すものとしては、これが一番シンプルで適切だろう。


「すみません、これを二つ」


「あいよ!」


 店主に商品の対価でもあるお金を手渡し、購入した商品をそのままポーチの中に入れる。手紙と一緒に物品を送れるらしいし、手紙を送りつける際、一緒に中身も同封してもらって屋敷に届けてもらおう。


「買い物はもう大丈夫?」


「うん、案内ありがとね」


 無事に目的の品も手に入れたことだし、無事に買い物は終了。さて、これからなのだが、


「俺の方の都合に付き合ってもらったし、ミュゼットの方でやりたいこととかあったら付き合うけど……」


 買い物はラルズの私情によるものだ。なので今度はミュゼットのしたい事、用事があればそちらを優先したい。


「じゃあ司書館行こ! 先生に会いに行くのは後でにしておいて、よく一緒に遊んでるゲームがあるからさ、一緒にやろう!」


「いいよ!」


 少しだけ公共の利用する人たちに迷惑が掛からないか心配だったが、昨日訪れた際も利用客は皆無に等しかったし、周りへ配慮を致せば、ある程度の喧騒も許されるだろう。


「・・ただその前に……」


 先の元気な様子とは一転。急にもじもじし始め、視線は目の前の露店に。ちらりと目配せすると、ミュゼットが気に留めているのは恐らく対魔鏡だ。思い返してみるとラルズが選んでいる際、隣で同一商品に対して興味を向けていたから直ぐに様子は伺えた。


「対魔鏡がどうかしたの?」


「――いや、その……」


 ラルズの予想通り、ミュゼットが気にしている代物が対魔鏡なのは確実だ。ただ中々その先を言い出せないでいる。選んでいる最中も彼女の方から視線を感じていたが、もしかして……


「・・勘違いじゃなかったら嬉しいけど、ミュゼットとの対魔鏡も揃えたいな……なんて」


 確信に至らず、少し不安が勝っている言葉。先日もグレンベルクから対魔鏡を譲り受けた際、本人も欲しそうな様子だったし、先の視線の正体もこれなら一応説明が付く。


 結果は……


「――! うん、私も揃えたい!」


 満面の笑み。今日一番の爽やかで明るい笑顔をしており、どうやらラルズの提案がしっかり的を得ていたようで何より。正直全く自信が無かったので、内面では一安心。


「どんな柄がいいの?」


「えっとね、これ!」


 どうやらミュゼットの中で選定は既に決まっていたみたいだ。実物を目にして、ラルズも成程、と理解を示した。確かに、彼女のイメージにぴったりな絵柄だ。


 対魔鏡に刻まれているマークは風の紋様。風が大好きで愛している彼女にぴったりなデザインだ。


 互いにそれぞれ一つずつ折半して金を出し合い、各一つずつ受け取る。ラルズは風魔法を扱えないから、正直雰囲気違いは否めないが、風の名の連想としてはミュゼットの存在が大きいので、こちらとしては他の代物と間違えることは無いだろう。


 その場で早速対魔鏡を開き、魔力を通して使用感を確かめているミュゼット。その様子に若干違和感を覚えつつも、ラルズも彼女と同じように開いて魔力を流し込む。


 数秒後、鏡がきらりと輝いて変化が生じる。鏡にはミュゼットの可愛らしい顔が映り込み、反対に彼女の鏡面にはラルズの顏がはっきりと映り込んだ。


「対魔鏡って凄いのね! これでいつでも連絡が取れるし、待ち合わせもしやすいね!」


 ミュゼットの言う通り、日時を指定したり、行動している中ではぐれた際には役立つ実物だ。なのだが、先程のおぼつかない手取りと今の発言を受けて再び疑問が浮かんだ。


「あれ? ミュゼットのことだから、ステラさんと揃えてたりしてるとばかり……」


「先生? 一度だけお揃いで合わせようって提案したら、「夜遅くでも平然と連絡を掛けてきそうだからいらないわ」って言われたの。結構ショックだった……」


「・・そっか……」


 先程言いづらかった空気の理由は、断られる可能性があったからだろうと納得を示す。


 合鍵を渡している時点でステラの心配など既に意味を成していないような気がする。そう言えば、グレンベルクも似たようなことをミュゼットに話していたな、とラルズは胸中で振り返る。


 何はともあれ、互いに互いと連絡が取れる手段を手に入れたラルズとミュゼット。二人はそのまま昨日と同じ、司書館へと足を運んでいった……


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 場所は往来激しい中心街から離れて司書館。外の喧騒さは微塵も感じられず、利用客はラルズとミュゼットをおいて他には感じられないほど。本来読書の際、無言で文字を目で追っていくので静寂が基本なのだが、静寂すぎてある意味普通からは軒並み外れてしまっている。


 二人は昨日訪れた管理者の一室、ステラの部屋に向かわず、道中ミュゼットが倉庫に立ち寄って遊べる道具を何種類か拝借し、螺旋階段を登って二階の奥へ。


「――今更だけど、勝手に持っていってもいいの?」


「いいのいいの! どうせ先生、管理なんて杜撰で気付かないだろうし、勝手に持っていったところで大した気にも留めないよ。倉庫には資料とか本とか何度も取りに向かわされたこともあるし問題なし!」


 昨日も原因解明のもと、ラルズの為に倉庫から持ち寄って来てくれていた魔道具の数々を、ミュゼットが倉庫に戻していたことは覚えている。今更鍵を渡しており、私室に好きなタイミングで転がり込める行動を看過してくれているのだから、倉庫ぐらい気にも留めていないだろうという、彼女の発言には妙な説得力が備わっていた。


 手にしている遊び道具の数々。トランプは基本として、パーティー用の大人数でもできるテーブルゲームもちらほら。


「ラルズはこういうゲームしたことある?」


「んー……あんまりかな。屋敷にいた頃も何度か遊んだことはあるけど、あまり進んでプレイする側じゃなかったし、妹たちの遊びに付き合う程度だったから」


 屋敷でもよくシェーレとレル、あとはノエルも交えて幾つかゲームはした記憶がある。一番プレイしたことのある類のものは、単純なトランプゲームが多かったと記憶している。


 遊戯感覚で行ってきたと口にするラルズだが、この手のゲーム、負けた人物は罰ゲームと称してノエルが悪戯をしたい名目のもと、沢山付き合わされたことが一番鮮烈に刻まれている。眠気が限界に近い中、無理矢理フィールドに立たされたことも何度かあり、こちらが寝落ちしようものなら叩き起こされることも。寝不足で朝方怠かった日々も何度か。


 ノエルだけならまだしも、レルは負けず嫌いな一面もあるので、少々熱が入ることも。年の割に大人びているシェーレなんかも、意外と身内同士で負けるのはプライドが許さないのか、二人同様に熱中することもしばしば。


「見たこと無い遊びも幾つかあるけど、ルールに関しては教えてもらえれば直ぐに理解できると思う。遊びの範疇だし、そこまで複雑な代物も無いだろうしね」


 物覚えは悪くない方だと認識している。数回プレイすれば、恐らくルールの方は心配いらないだろうし、感覚も自然と掴めてくるだろう。


「何からしようかな~。トランプが一番いいかな。それともマルチポッド……」


 これから遊ぶゲームを口に出しながら楽しみな様子のミュゼット。その言葉が不意に区切られ、同時に歩みも止められた。隣にいたラルズもつられて彼女の視線の先を見ると、見覚えのある姿の女性が腰を落としていた。


 自分たち以外、司書館に滞在している人などいないと考えていた二人。しかし、ラルズの方はその姿に覚えがあった。


「・・セーラ?」


 昨日の夕刻、ステラの私室を退室し、ミュゼットと別れた後に遭遇した少女。名前は確か……セーラと言っていただろうか。


「ラルズ、知ってるの?」


 人物を前にして、気付けば名前を口にしていた。ぽそりと零れた名前を耳にして、見知った間柄なのかミュゼットがラルズに尋ねる。


「少しね。昨日ミュゼットと別れた後に少しだけ……」


 本当に顔見知り程度の仲だ。話した時間も数分にも満たない。一言二言話したぐらいで、唯一知っているのは互いの名前だけだ。


「――ね、折角だから誘わない? 年齢同じくらいだろうし、私も彼女と話したいな。それに、もしやるならゲームは多い方が楽しいだろうし、駄目かな?」


「そうだね……。誘うだけ誘ってみようか。あんまり無理強いはしないでさ」


 本を読んでいる最中であるし、誘うだけ誘って厳しそうならそのままに。見た目年齢も近いだろうし、話も弾むかもしれない。


 二人して方針を決定し、本に目を落としているセーラのもとへ。彼女は集中しているのか、こちらには一切気付いていない様子だ。


「――あの?」


 ラルズから声を掛けると件の女性、セーラが初めて二人の存在に気付いた。下を向いていた顔が声に反応して浮かび上がる。見上げた視界の先、二人の姿を彼女も捉える。一方には覚えのない視線、そしてもう一方は覚えのある視線をぶつける。


「昨日の……ラルズだったかしら?」


「うん。君は確かセーラ……だよね?」


 目の前の人物、セーラも相槌を口にして確認が完了。すると次に口火を切ったのは、今この時点で面識がまるで無いミュゼットからだ。


「私ミュゼット! よろしくね、セーラ!」


「・・えぇ、よろしく」


 自己紹介に乗じて相手をすぐに名前呼び。友好的に接しようとするミュゼットの思いが垣間見える中、他人との距離の詰め方に遠慮のない彼女に対して、勢いに多少飲み込まれたか返答に間が空いたセーラ。


「セーラもさ、一緒にゲームで遊ばないっ?」


「ゲーム……?」


 脈拍なしにいきなりミュゼットが本題を切り込む。首を傾げて事態が見えないセーラに対して、ラルズが簡単に事情を説明する。


 もし時間があるなら一緒に話でもどうかと。人数が多い方が楽しいだろうから、ゲームでもして交流を深めたいなぁといった誘い文句。


 ラルズの説明を受けてセーラは本に目配せ。開かれているページは本の最初付近であり、まだ読み始めたばかりなのだろう。前半部分で中身が開かれている途中でもあり、捲られるのを待っている状態だ。


「読書中みたいだったし、勿論無理にとは言わないよ。もし良かったら――」


「いいわよ」


「やったー!」


 本を読み進めているのに夢中な様子だったから、断られるかもしれないと予想していたが、ラルズが言い切るより先、こちらが喜ぶ形での返答。


 読んでいた本を閉じると、存外あっさりとセーラは了承してくれた。微笑を浮かべ、その様子には渋々納得したような印象ではなく、好意的にラルズたちの提案を受け入れてくれた印象だ。


「本、片付けてから一緒するわ。先に行って待ってて」


 テーブルに置かれ、読み進める予定を立てていた本たちを仕舞ってから向かうと宣言し、セーラは分厚い蔵書を手に取って本棚の方へと向かって行った。


 司書館の静けさの中、ラルズとミュゼットの喜び合う声が小さく響いた……




 


 





 

 


 




 


 


 



 



 

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