21 シリルの独白
残されたシリルはシャルロットを見つめながら髪を梳いていた。
このか弱い体でこれまでどれだけの人を救ってきたのだろう。ジェラルドやニコラなどがいたと言っても、世間からは冷たい視線を浴び、一人で抱え耐えてきたシャルロット。自分なら、すべてを投げ出して閉じこもっていたかもしれない、他人を救おうなんて思いもしなかっただろう。
目の前で眠る気高く優しいシャルロットが愛しくてたまらない。
どうしたらシャルロットの抱えているものを軽くできるだろうか、自分が支えることができるだろうか。
自分がそばにいることを許してくれるだろうか。
・・・愛してくれる日は来るだろうか。
あの日のことを、つい思い出す。忘れることができない自分の罪を。
そしてふと思った。自分だけに特別な力があるのは彼女と契りを交わしたからではないか?と。身勝手な一方通行なもの。
もしそうなら、自分の非道な行いが、結果的にシャルロットを助けたことになる。そしてそのポジションは自分以外に取って代わられることはないのでは?と思い当たった。
しかし自分がしたことを思えば素直に喜べない。そう自分を戒めるも、胸の高鳴りは治まらなかった。シャルロットが目覚めるまで、反省と高揚の繰り返しだった。
ここまでが、前作と流れがほとんど同じです。
次話から大きく変わっていきます(´▽`)




