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短編ジャンルで連載のプロローグを投稿した俺、なんか嫌われて目の敵にされてるんだが!? ~だって人気を計りやすいし連載開始が楽だから、と言ってもヘイトがたまってもう遅い~

作者: やまさん

結構辛辣かもしれません。

批判的な文章が嫌いな方はブラウザバックをお願いします。

 最近はちょっとブームが去った気がするプロローグ詐欺(※1)な短編ガチャについてです。

最近ハイファンのプロローグ詐欺短編ガチャが減ったら、短編ランキングが「異世界[恋愛]」に埋め尽くされてます。

ジャンルを盛り上げるという意味では短編ガチャは良いことだったのでしょうか……

今回久々に該当するような作品を読んだため、以前書いて眠っていた文章を引っ張り出してみました。


(※1)

 プロローグ詐欺とは、「短編として投稿されている作品を読んだら、単なる連載版の第1話でオチも何もなかった」作品と個人的に定義しています。

 ついでに、あらすじに「これは連載候補のプロローグです」などがなければもう読んだ後に「時間返せ!」と思ってしまいます。


 さて、一部の人間に毛虫のごとく嫌われますよね、プロローグ詐欺な短編ガチャ。

ただ、アイデアさえよければポイントが沢山貰えて、連載のスタートダッシュ、ひいては書籍化に有効みたいなので、一時期はすごく多かったです。

そのかわり感想欄は結構荒れて、しばらくたってみると作者に都合のいい感想以外バッサリ消されてたり、新規感想を停止してたり……


 最近では見た感じプロローグ詐欺とか減ってきて、プロローグをお試しに短編として投稿される方も「※連載候補のプロローグです」みたいに書かれる方がほとんどに見えます。

そうやって書かないと感想荒れるし、書いても感想荒れるからプロローグ詐欺が減ってきたのかも、と思わないでもなく……


 そんな訳で、個人の主観で嫌われるプロローグ詐欺とはどんな物か、考えて書いてみます。

「知ってるよ」「余計なお世話」「的外れじゃね?」とかいろいろあるかもしれませんが、興味のある方はご一読を。

今更こんなの書いても「もう遅い」かもしれませんが……←「もう遅い」も流行に乗り遅れてますよね。


 とりあえず嫌われている要因をいくつか分析してみました。



1.タイトル詐欺、あらすじ詐欺


 作者の頭の中ではタイトルやあらすじの内容まで話がつながっているのでしょうけど、短編でそこまでたどり着いていない場合。


 作者の方が連載版のプロローグのつもりで書いているので、まったくタイトルを回収できていない場合です。


 これは多かったですね。~○○と言ってももう遅い~系のタイトルがついた短編で、○○という場面まで書かれてなかったり。

読む方としては「○○と言われてざまぁする!」事を期待して読み始めるのに、そこまでお話がたどり着かなかったり、「後日○○と言われることになるとはまだ誰も知らなかった。」の一文で済ませたり。

下手するとタイトルで「△△な人に拾われてのし上がる」と言っているのに、「△△な人」が短編に一切出てこなかったりもします。

要は読者が期待したところと、作者が見せびらかしたいところが一致していないんですね。


 まぁ、プロローグでタイトル回収してしまうと、後が続かないですからね。

そんなことをやった話は「ダンまち」くらいしか私は知りません。

開始早々タイトル回収とか凄まじかったです。


 これを今流行りの悪役令嬢物(※2)で、仮に「悪役令嬢は追放されたけど○○して幸せになった!」と言うタイトルの話で考えてみます。

短編ガチャ作品の場合、とにかく悪役令嬢が追放されるまでを非常に事細かに書いて、悪役令嬢の能力や人となりも詳しく解説して、追放する王子側の心理描写も微に入り細をうがち……

そしてそれが終わったら、「その後がんばって○○して幸せになりました。王子は平民落ちしました。」と一文書いて終わらされるような感じですかね。

「ふざけんな!」と言いたくなりませんか?

読者は「がんばって、○○して見返して、幸せになって、ついでにざまぁをぶちかます」話を読みたいのであって、婚約破棄だけされる話を読みたいのではないのです。


(※2)

 例に使わせていただいた悪役令嬢物に代表される「異世界[恋愛]」ジャンルを書かれる方は、「幸せになる場面」を書きたい方が多いと見受けられます。

 このジャンルの短編は、例え連載を見据えていてもタイトル詐欺のパターンはあまりないんですよね。

 書きたいところ、見せたいところが物語のオチなので、オチまでたどり着かないと作者の方もすっきりしないのだと思います。

 そのかわり、導入の場面は似たものになりがち、と言うよりは、名前が置き換わっただけのまさにテンプレートになりがちです。

 例えば婚約破棄場面は書きたいところ、見せたいところではないので、テンプレートに則って書けば詳細を書かずとも状況が分かって貰えるという、非常に強力な舞台装置です。

 ろくな説明もなく「侯爵令嬢○○!王太子たる私が貴様との婚約を破棄する」とか書き始めるだけで場面状況が想像出来るって、凄まじくないですか?


 一方、ハイファンなんかで「プロローグ詐欺」をされる方は、とにかく追放のシチュエーションや主人公のチート設定を書きたい方が多いようです。

そしてシチュエーションを思いついたらばばっとプロローグを書いてガチャる、と。

「この設定面白いでしょ!続きを読みたかったら評価頂戴!」的な。

そのため、タイトルやあらすじやタグにはざまぁ要素が含まれるのに、読んでみると追放で終わってしまうことになりがちです。


 短編なので、タイトルの場面まで物語をたどり着かせて欲しいです。

もしくは一つ私が思っているのが、短編向けのタイトル付ければ良いんじゃないの?と。

「○○な俺はパーティを追放された。~いつか「戻ってきてくれ」と言わせるくらい成り上がって見返してやる~」

とか。

成り上がれるだけの主人公のポテンシャルを匂わせて短編終了。

そして後日最初に思っていたタイトル(もう遅いとか)で連載開始する、と言う感じで。

まぁ、タイトルで初動ポイントが結構変わるようなので、あんまりやりたくないのかもしれませんが……



2.すっきりしない、オチがない、ざまぁがない


 1.と似ていますが、すっきりするシーンがまったく書かれていない場合です。

作者の方が連載版のプロローグのつもりで書いているので、話がオチてないためです。

「ざまぁ」のシーンは連載向けに温存しておきたいですし、そこを書き込んじゃうとあとで連載版のプロローグとして使う時に修正が多くなりますからね。

と、言う訳で1.でも書きましたが、読者が期待したところまで書かれていないというか、主人公が追放されるだけの話を誰が読みたいんでしょうか。

ざまぁ物を読むのはすっきりしたいからです。追放場面を読みたいからではありません。

何かすっきりする要素を入れていただけるときっと平和です。



3.短編の書き方じゃない


 作者の方はプロローグのつもりで(以下略)

連載のプロローグのつもりで書いて最後に申し分程度に「このあとざまぁ」的な一文を書くだけで、短編!といって投稿される方が多かったですね。

プロローグですからね、起承転結の「起」が9割9分と、一文の「結」だけの作品になります。


 起承転結になっていない、だけならそこまで責められないと思いますが(私も一つ短編を書きましたがとても起承転結がうまく行っていると思えない)、

上記のタイトル詐欺や追放で終了、と組み合わさるとヘイトを稼いでしまいます。

詳細な起と雑な結だけとか、そもそも雑な結すらなく起だけとか。


 私も非常につたないながら一作だけ短編を書いて気づいたのですが、最初に書きたいことを全部書いたらとても冗長になってしまい、見せたい場面の割にやたらとクドイ物が出来上がりました。

非常にクドかったのでせめてもう少しマシにしたくて、いろいろと文章を削る作業を行いました。

短編という枠の中で不要な情報について、ガチガチに固めた設定(私は設定マニアです)の中から記述する物を選び、かなり削りました。

当然ただ削ればいいわけでなく、最低限の情報は読者に伝わるラインを見極める必要も有ります。(出来たとはいいません……)

私の場合は削りに削って、設定していたキャラの名前すら文中には出せませんでした。「戦士」とか「聖女」とか、定着している用語を使った方が誰だかわかりやすかったので。

それでもだいぶ冗長になりましたし、わかりやすい文章とは思えず自分の才能の無さに凹んだ次第です。


 そんな作業を経験した今思うことは、正直すっきり簡潔で面白い短編を書かれる方は化け物だと思いました。


 さて、一方プロローグ詐欺の作品ですが……まぁ、不要な情報が多いこと。

非常に書き込まれた追放場面、事細かな主人公能力の説明、主人公迫害場面にしか出てこないネームド人物、etc...

そして「俺たちの活躍はまだまだこれからだ」的なジャ○プ打ち切り漫画のような終わり方。

一文で済まされたり、あるいはまったく触れられなかったりするタイトル内容。


 そりゃそうですよね。作者の方は一つの短編として面白い物ではなく、プロローグのつもりで(以下略)

今後出てくる設定や関係者を出しておきたいのかもしれませんが、短編としてみた場合まったく不要な情報である事が多いです。




 いろいろ書いてきましたが、短編ガチャの良いところは、

・連載開始時から読者がついてくれる

・ウケる設定なのが分かっているので評価のスタートダッシュがよい

・プロローグを短編として投下すれば連載時に第一話にかける労力がないため、連載スタート時の作業軽減になる。

あたりがあげられると思います。


 一方、マイナス面もありますね。

・連載開始時点で(短編ガチャに騙されたと思っている)アンチが居る

・連載開始時の期待のハードルが高く、感想欄が厳しくなりがち

等です。

読者の目が厳しくなっちゃうんですよね。

短編ガチャした作者がTwitterで愚痴っていたりするのを何度か見たことがあります。


 また、短編ガチャ作品そのものや、短編ガチャを多用される作者にありがちなのが

・出だしがちょっと違うだけで、その後は結局全部似た展開になりがち

 (作者の方が一番見せたいと思うのは出だしのシチュエーションと主人公の設定だから?)

・連載開始からちょっとの間が人気のピークになりがち

・連載してしばらくすると、更新ペースがガクッと落ちたり、更新が止まりがち

・連載作品完結前に新しいアイデアが浮かぶとガチャ欲求が我慢できず、結果同時に何本も「連載中」状態になりがち

 (※ガチャは魔物)

・書籍化作品が出てくると、書籍化作業などで更に更新遅くなりがち

と言うような感じで、比較的投げっぱなしになる物語が多い印象です。


 ぶっちゃけると、全盛期の赤川次郎バリ(※3)の執筆速度で書いていただけるなら、何本「連載中」を抱えていただいてもかまわないかと思います。

そうでない場合、「作者の作品は全部好き!」とかで無ければ、自分の好きな作品の更新が止まると読者は離れて行ってしまいますね。

また、作者ページを見て同じくらいの話数で止まっている「連載中」作品を多数抱えている作者は、正直新作が面白そうでも読むのを避けます。

だってどうせまたしばらくたつと止まっちゃうだろうし、と思ってしまいますので。

書籍化作業だって当然大変だと思っているので、連載中が1~2本程度ならおとなしく待ちます。待ちまくります。更新ペースが年一話とかだとさすがに見なくなりますが……

ただ、5本とか連載中の物がある方の場合、「書籍化作業が終わったら自分の読みたい物が更新される」という保証はないわけで。

私の場合は待っても報われなそうだな、と思えて更新追いかけるのをやめますね。


(※3)

 本当に余談ですが、全盛期の赤川次郎について調べると年20冊とか書籍を出していて意味が分かりません。



 以上、つらつらと書きましたが、要は短編ガチャは読んだ際に期待を外されることが多いため嫌われてしまうのだと思います。

以前「連載候補」と書かれた短編で、しっかりと短編としてオチがついて、しかも連載されたら読んでみたいような作品を書かれている方がいらっしゃいました。

こういった作品が増えるのならば、短編好きの私はとても嬉しいのです。

短編だけでも面白く、続きが読めれば幸せ。こんな素晴らしいことはないです。

短編でガチャリたい方は、どうか読者の期待を外すことなくうまいことガチャっていただいて、是非なろうを盛り上げていただければと思います。

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