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戦場に愛された領主の息子  作者: かかと
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ギルドの動き

 バレデスは引き続きミクトラン帝国の王と話していた。もちろん、賠償や取り決めなど決めることは多々あるが、運用してから決める必要もあるだろう。運用後に分かることもあるため、王とはまた話をするのを取り決めた。それよりも聞きたいのはカールとその息子、ヨハンの話である。ギルドを脅した手腕には驚かされるが、ヴァーニルに本拠を置くなど普通では考えられない非常識な考え方をしている。政治的な意味合いも強いが純粋にバレデス自身が知りたいというところもある。

 聞けば聞くほどヨハンを敵に回さないほうが良いと思われた。今までは隠れてやっていたらしいがザラマノス帝国との戦争では大活躍である。4歳にしてこの聡明さであれば大人になった時は大きな飛躍を遂げているに違いない。ミクトラン帝国での出来事はギルドにとって痛手ではあったが、各支部がまだ存在している以上、ここからの巻き返しも図れる。バレデスは王の話に集中した。



 会談後、バレデスはポールソンの容態を見に行った。彼が居なくてはヴァーニルの統治はうまくいかない。ローレンだけでも統治はできるだろうが、3家のうち2家が居なくなってはすべてを掌握していないローレンは雑務に追われて統治もままならないだろう。それに内紛が終わった以上、早く国を正常化し、安定的に稼働することが求められる。ギルドもその中の1つとして考えられているのだ。国防を担うギルドが安定稼働していなければローレンもポールソンも安心して統治ができない。

 ポールソンはまだ起き上がることはできないようだが、顔色は悪くなく話も出来ている。問題はないようだが。医者によると足の状態が良くないため今後のリハビリによって改善するかどうか確認するということだった。少し心配ではある。歩くことは全身を使う運動でもある。人間は体を使用しなければ著しく能力が低下するし、早く死ぬこともある。反対に使わないので長く生きる場合もあるが、それは例外である。

 あの様子ではまだ内政に携わることができないだろう。一旦はローレンがすべての業務を行うことになる。ローレンには信用にたる人物を紹介しておこう。秘書が2人か3人いなくては情報がうまく入ってこないだろう。バレデスはポールソンの病室を後にした。


 ローレンの執務室に入ることにした。先程の話し合いを情報共有する必要がある。ノックしてドアを開けると書類に埋もれるローレンの姿があった。ローレンは書類に目を通して印鑑を押していく。その速さは異常だ。3家の中で最も執務に向いているのはローレンであった。3家の中で唯一、彼一代で築き上げた家であるがローレンの執務能力が抜群に高かったのも大きな理由の1つである。優秀な文官の10人分の仕事をするという噂もあながち嘘ではないだろう。

 バレデスはローレンに話しかけた。多少に顔には傷を負っているが見た目以上に元気そうである。ローレンはバレデスを少し見てため息をついた。気持ちは痛いほど分かるバレデスは話始める。どちらにしても話し合いを設けなくてはいけない議題でもある。ローレンは書類を進めながらもバレデスの話を聞いていた。今後のギルドの方針を伝えたバレデスはローレンの回答を待った。そこでため息をつき、2日後に正式に返答するという。バレデスもこの量の書類の中でも一番に片づけなくてはいけない予算の後に考えるのだろう。

 バレデスはローレンに同情しながらも執務室を後にした。バレデスは簡易的にできているギルド本部へ向かう。側近を集めて会議を行う旨を秘書に伝え、彼は会議室へ向かった。



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