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平凡ではない日常。(無期限更新停止)  作者: 月影雅輝
第二章[戦いの序章]
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第六十話[猫鍋捜索網!! その2/風と影 プロローグ]

どうも、お久しぶりでございます。ガルです。

夏休みだってのに全然更新できませんでした……べっ、別にネトゲにハマってたとかそんなんじゃぁ……(ゴニョゴニョ


とっ、とりあえず、本編をどうぞ!

いつもながら、立派なものだと俺は桜ヶ丘高校の校舎を見ながら思った。

いや、我が集円学園の校舎も結構立派な方だが、それとは違う雰囲気を持っている。

今回の依頼は依頼主の自宅で行うものだが、俺達は家の場所を知らないので一旦桜ヶ丘高校にて集合しようという運びになった。とりあえず、このまま生徒会室へと向かう。

さて、派遣部の皆はというと………

まず明は不機嫌ムード。まぁ、さっきのことがあるからな……。そして殊日も同じく不機嫌ムード。つか、怒ってる、絶対。あんなことしちまったからなぁ……不慮の事故とはいえ。未来と零は相変わらず明、そして怒っている殊日の機嫌を直そうと奮闘中だ。早く機嫌を直して下さい。息が詰まりそうです。

初めて桜ヶ丘高校に来た、昴と真一は(よくよく考えたら殊日と零もだな)辺りをキョロキョロと見回している。ここら辺には来た事が無いのだろう。まぁ、それは俺達も同じようなものだ。ここ周辺のことは何も知らない。

炎人は炎人で桜ヶ丘高校の校舎を見上げながら笑みを零している。多分、以前ここの会長さんと戦った時のことを思い出しているのだろう。狼牙と由美は何かを話している。離れているので何を話しているまでかは聞こえないが。さて、次に生徒会三人組は………っと、あれ?


「おい、凛水達はどーした?」

「僕達ならここですよ。部長さん」


いつの間にやら校門まで歩いていた。行動早いなオイ……。って、そいや木戸先生とバスは?


「あぁ、先生なら校内の駐車場に行きましたよ。バスを停めたら合流すると言ってました」

「そうか、分かった……って、心の内を読むな! 読心術使うなッ!」

「別にいいじゃないですか、減るものでもないですし」

「そういう問題じゃない!」


そんなやり取りをしながら、俺達は桜ヶ丘高校の生徒会室へと向った。













――コンコン


リズム良く、ドアをノックする音が響く。俺がノックした訳じゃない。目の前の木戸先生だ。生徒会室へと移動してる途中で合流し、ここまで一緒に来た。一応、派遣部の顧問なので代表して挨拶をするらしい。……いつもならバスの中で寝てる筈なんだが。


「失礼する」


っと、いつの間にか木戸先生がドア開け、部屋の中へと入っていっていた。慌ててそれに続くように俺も入室する。そして更に続いて、派遣部の面々がぞろぞろと生徒会室へと入っていく。

室内にはいつものサクコー生徒会の面子が揃っていた。ふと横を見るといつの間にやら木戸先生が俺の隣に並んでいた。そして俺にチラリと視線を向ける。……あぁ、挨拶ね。もう何度か来てるからしなくていいと思うんだが。


「集円学園派遣部、部長の零牙です」


手短にそれだけを言い、口を閉じる。挨拶の言葉なんぞ慣れてる訳が無いもんだから、続ける言葉に困っただけというのもあるが。


「どうもわざわざご苦労様です、派遣部の皆さん」


言葉を返してくれたのは依頼主である柊さん。

この人、感じは普通のお姉さんってな風なんだが、実際何考えてるか分からなさそうだな……雰囲気でなんとなく読み取れる。


「こんかいの依頼は猫の捜索……でしたよね?」

「えぇ、私の家に迷い込んでるらしくて。いろいろと危ないから早く見つけ出してほしいの」


左手を右肘に当て、右手は右頬に当てていかにも困っているようなポーズを取る。

隣で萩さんがコクコクと頷く。依頼で捜索してほしい猫とは萩さんが飼っている猫のことなのだ。どうやら以前遊びに行った際にその猫が迷ってしまったらしい。……家の中で迷うのもどうかと思うが。


「それじゃあ、行きましょうか」

「あ、はい」


ん? 普通に返事しちまったが、どこで猫を探すかとか聞いてないぞ……?


「……大丈夫だ。今回は向こうが迎えを用意してくれたらしい」


ボソリと木戸先生が呟く。それなら一安心だが……


「あ、勿論会長達も来ますよね?」


ドアに向かいかけた柊さんが振り返ってそう言う。目線の先には夏樹会長達ら。皆目線を逸らし、滝のような汗を流している。


「来ますよね?」

『……はい』


二度目でようやくの返事。何かしら落ち込んでるような雰囲気だが……気のせいだろうか。












さて、そんなこんなで桜ヶ丘高校校門前まで戻ってきたわけですが。

迎えらしきものは辺りに見当たらない。唯一見当たるものと言えば、さっきまでは無かったリアカーとそのリアカーの上にあるダンボールハウス。そしてそこに住んでると思われる、凛々(ムサシのような)しい(顔つきの)男性が一人ぐらいだ。


「で、迎えとやらは……?」

「こちらで御座います」

「のぅわっ!?」


急に声がした。そりゃ驚く。気配すら感じなかったってどういうことだよ。

声がした方を向いてみると、メイドの姿の女性が一人。まぁ、何とも魅力的だなぁ、と


――ゴッ!


ッテェ……何故か後ろから蹴りが飛んできた。……明よ、何が気に食わない。何か気に食わないところがあったら直すから殺気を俺に向けて飛ばすのは止めてくれ。いや、止めて下さい。


「お迎えに上がりました。それでは、こちらにお乗り下さい」


どうやら、このメイドさんが迎えらしい。そのメイドさんい指された先を見てみると……先程のリアカー。

………えぇぇぇぇぇぇぇぇえええぇえぇえぇえええええぇぇぇぇぇぇええ!?


「え、このリアカーに乗るんですか!?」

「はい」


思わず大声で聞いてしまう。メイドさんの方は至って冷静だ。

って、待て。この人数だと流石に乗れないんじゃないか?


「大丈夫です」


メイドさんの声が聞こえたかと思うと………


――ガシャーン! ガコ、ガシャ、ガコーン!


そんな効果音と共にリアカーが変形を始め、大人数が乗っても大丈夫なぐらい大きくなった。

え、嘘!? どういうテクノロジー!?

よく見ると、リアカーのダンボールハウスに住んでるらしき人がコチラに向かって片目を瞑り、親指をグッと立ててコチラを見ていた。

いやいやいや! グッ、じゃねぇよ!!








とりあえず、流されるままに乗り込んだ俺達。ダンボールハウスには触れないようにと何故か注意を受けたので、大人しく座っている。


「それでは田中さん、よろしくお願いします」

「了解じゃ! 出発進行!!」


何故か外に出ているこのダンボールハウスに住んでるらしき人が叫ぶと、ダンボールハウスの中から航空機などについているようなジェットエンジンがせり出してきた。……え?


――シュゴオォォォオオォォオォォォオォオオオ!!


エンジン音が辺りに響く……っつか、大丈夫なのか? 大丈夫なのかこれぇ!?

流石に使い手といえどもこのスピードは体感したことが余りない。俺の耳に入るのは皆の絶叫……。

そういや……木戸先生いねぇ!?


「何処行ったぁぁぁぁぁぁあぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!!」












~一方、桜ヶ丘高校生徒会室~


一人の男が壁に背を預け、腕を組んでいる。肩辺りまで伸びた黒髪に鋭い目、黒いスーツに白のYシャツ、赤のネクタイ。それを全てだらしなく着こなしている男の名は木戸朝義。集円学園一年三組の担任であり、派遣部の顧問。そして使い手の一人である。

何故この男がここに残っているのかというと、今回受けたもう一つの依頼を片付ける為である。


――ガチャ


ドアが開き、誰かが入ってくる。黒髪に短めのポニーテールといった髪型をした女性だ。彼女は桜ヶ丘高校生徒会教諭の伊賀甲賀である。

木戸はそちらに目線を向けると、壁に預けていた背を離し、伊賀の前に立つ。


「初めまして……でもないですね。集円学園派遣部顧問、木戸朝義です」

「どうも、伊賀甲賀だ」


互いに握手をし、言葉を交わす。


「今回、貴女から受けた依頼……いや。挑戦状と言った方が正しいか」


握手の後、木戸はスーツの内ポケットから折りたたまれた一枚の紙を取り出す。

そう、出発前に木戸が眺めていた伊賀から木戸に向けての依頼(挑戦状)である。


「この依頼(挑戦状)、受けさせてもらう」

「……まさか、受けてくれるとは思わなかったよ。さぁ、早速始めようじゃないか」

「いや、ココだと戦いの場にしては些か狭すぎる」


早速、戦いへと移ろうとする伊賀を止め、懐へと手を伸ばす木戸。


「俺が……決闘の場に相応しい場所を用意しよう」














その3/その1に続く

さて、もうお気づきでしょうが、今回はタイトルが二つとなってたりします。

「猫鍋捜索網!!」が前回の続きであり、零牙がリアカーで叫んでいるところまでです。

「風と影」は木戸先生と伊賀甲賀先生が二人で話しているシーンからとなっております。

今回コラボ回なんすが、サクコーのキャラが伊賀先生以外あんまり喋ってませんでしたね……多分、次回からはバンバン喋ると思います。はい。

サクコーもとうとう最終章に入ったようで……サクコーが終わる前にこのコラボ回終わらせないとぉぉぉぉ!!

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