第四十六話[いや、なんでオオカミなんだよ?]
今回もギリギリの更新・・・。
最近、ネタが尽きてきました。とりあえず、一年は続くように頑張ります。
では、本編をどうぞ。
「う・・・・」
ここは・・・。
俺は目を開ける。すると、雲一つ無い空が見える。
・・・本当にどこなんだ? ここは。
あぁ、そうか。俺達は確か悪霊の気配を感じて屋上まで来たんだっけ。それで、罠にかかったんだよな。・・・何があったんだ? 怪我をしてる訳でもないみたいだし・・・。
とりあえず、俺は自分の手を見る。すると、黒い毛並みの腕と鋭い爪、それと肉球が見えた。・・・肉球? それに黒い毛並みの腕と鋭い爪だって!?
俺は咄嗟に起き上がった。・・・なんで、犬でいう、おすわりの状態なんだ?
・・・ともかく、俺の予想では、俺は狼になっている・・・!?
それに黒い毛並みだって!? 黒狼になってるのか!? ・・・の割には俺の意識がはっきりしてる。体も俺の思い通りに動かせる。
とりあえず、周りを見てみる。そこには・・・金の毛並みの狼と、栗色の毛並みと、灰色の毛並み、茶色の毛並みを持った猫がそれぞれ一匹ずつ。黒い毛に赤混じりの毛並みの犬が一匹、白い毛並みの犬が二匹。後は、種類がよくわからない鳥が一羽。全員気絶中。
・・・これ、どういう状況? とりあえず起こすか・・・。
さて、全員起こしたんだが、そろって、起きた瞬間に驚いていた。・・・やっぱりな。
「なんで俺達、動物なんだ?」
そう呟くのは炎人。・・・いや、何で俺は狼なんだよ? ・・・まぁ、みんなも同じようなことを考えてると思う。
・・・とりあえず、誰がどの動物になっているか説明しなきゃな。
金色の毛並みは分かると思うが、狼牙だ。栗色の毛並みの猫は明。茶色の毛並みの猫は未来。灰色の毛並みの猫は由美だ。次に、黒い毛に赤混じりの毛並みの犬が炎人。白い毛並みの犬がそれぞれ千と千里。そして、鳥が珠日。
「多分、アイツ・・・俺達を罠にかけたアイツだと思う」
「・・・私の予想じゃ、動物になったのは呪い系統の魔術だと思うわ」
それを聞いたみんなはホッとしたよう感じになった。・・・一人を除いて。
「あのさ・・・、一応、この魔術を調べたんだけどさ。・・・これ、徐々に動物になってく魔術らしいんだよね・・・」
殊日が言い難そうに言った。
だが、言葉の意味が分からないみんなは頭にハテナマークを浮かべた。勿論、俺も。
「どういうことだ?」
「ようするに・・・考えることがそれぞれの本能に近くなるんだ」
「えと・・・それは、その動物になっちまうってことか!?」
炎人が驚いた声を上げる。
「まぁ、そういうこと・・・」
「・・・それってヤバイよな? 特に零牙と狼牙は」
「あぁ、そうだな。日本では狼はすでに絶滅している。狼が日本に・・・しかも学園内の敷地にいたとなったら大騒ぎだ」
・・・とにかくヤバイみたいだ。
そう考えた瞬間、屋上の出入り口が騒がしくなっていた。
「・・・誰か来たみたいだな。とにかく逃げるぞ!」
狼牙がそう言った途端、俺は明を咥え、背中に乗せた。狼牙は由美を背中に乗せ、炎人は未来を背中に乗せた。
そして、俺達は屋上のフェンスを飛び越え、壁を蹴りながら下に降りた(殊日は飛んでいたが)。
「・・・本能って凄いもんだな」
下に降りた後、俺達は学園の裏の方にある山まで来た。木がおおい茂っているので、中々見つかることは無いだろう。
「それよりも、これからどうするか・・・だ」
狼牙がそう呟く。・・・狼になっても冷静さは失わないな、コイツは。
「まぁ、俺はしばらくおとなしくしといた方がいいと思う。人に見つかりそうになったら移動すればいいし」
「・・・うん。それじゃあ、隠れる場所を探さないといけないわね」
俺の提案に明が賛同する。みんなは頷いて賛同してくれた。
さて、次は隠れる場所だが・・・・・。
「そういや、ここら辺に洞窟があったなぁ」
炎人が思い出したように呟く。
「マジか?」
「あぁ。確か、すっからかんの洞窟だったぜ。動物の巣でも無さそうだったし」
「んじゃぁ、とりあえずそこで休もう。炎人、案内してくれ」
「分かった」
炎人は俺達の先頭になるように立ち、歩き始める。
「んじゃぁ、付いて来てくれ」
俺達は炎人の案内通りに付いていった。
次回、[事実は小説より奇なりって言葉があるけど結構当たってる]に続く。