第四十三話[誕生日プレゼントって貰って困る物もある]
更新がだいぶ遅れてしまいましたね。どうもすいません。
いきなりですが、新連載決まりました! ・・・詳しくは活動報告で。
では、本編をどうぞ!
~前回のあらすじ~
誕生日プレゼントが少し遅れて送られてきた。箱は全部で三つ。一つは『サクコー』。一つは『アルカンシエル』。一つは『霧』から。
今回は、アルカンシエルからと、霧からのプレゼント。何が入っていることやら・・・・。
~零牙視点~
・・・そろそろ気分も落ち着いたことだし、次の箱に行くか。
「・・・ここは妥当にソラ君達のだよな」
そう思い、俺は二個目の箱を開けた。
「なにが入ってるんだろうなぁ・・・・。ん?」
箱の中に入れた、右手が早速、何かに当たった。俺はそれを掴んで取り出して見る。
「せ・・・洗剤?」
そう洗剤。しかも、最近なにかと話題のやつ。
「まぁ・・・今までではマトモな方だな」
そう思いつつ、俺は次の物を取り出す。
「これは・・・クッキーだな」
見た目からして、相当な腕前の持ち主と思う。・・・・ウミちゃんだな。
クッキーは後で食べるか。さて、次々・・・。
「ブレスレット・・・? この宝石っぽいの、本物じゃないよな・・・?」
しかも、何故か二つ入っている。・・・察しろと?
そして、次を見るんだが、やはり、この時も自分を呪った。まさか・・・いや、言うのは止めておこう。
「何だ? このカップに入った物体Xは?」
とりあえず、放っておく。形状からして、カップケーキではないかと思われる。
「次で最後か・・・・・・。ッ!?」
最後のブツを取り出して、俺は驚いた。それは拳銃だった。カスタムはされていないが、ずっしりとした重量感と、光沢感からして、本物かと思われる。
「デリンジャーと一緒に、試し撃ちだな、こりゃ・・・」
この箱に入っていたのは、これで全部。・・・後は最後の霧の箱だけか・・・デカイのが妙に気になるんだが・・・・。
生ものが入ってたら大変だな・・・。そう自分に納得させ、箱を開ける事にした。
箱を開け、真っ先に目に入ったのは、手紙だった。
とりあえず、読んでみる。
「えっと・・・?」
『やぁ、零牙君。お元気かな? 君が誕生日を迎えたという噂を聞いたのでね。遅ればせながら、プレゼントを送らせていただくよ。それぞれに説明書がついてるから、詳しくはそれを読んでくれ。
君の親愛なる飼い主こと、霧より』
「誰が飼い主だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
まずは突っ込む。霧には聞こえてなくても、突っ込む。
「・・・とにかく、見てみるか」
まずは、下着が三枚。何故か派手な柄の。しかも、ブリーフ。
俺はトランクス派だ!!
そして、紙が付いている。
『まぁ、これは説明する間でもなかろう』
そう思うなら、紙を付けるな。
次に手探りで出てきたのは、エプロンだった。やはり、紙が付いている。
『これは主夫のエプロンだ。主婦ではないぞ? 主夫だ』
「いや、だからなんだってんだよ。つか、主夫って誰のことだ」
そうツッコミながら、次に行こうとする、と、小さな字でまだ何か書かれている。
『主夫とは君のことだよ』
・・・会話を成立させてんじゃねぇ。
『いやぁ、まったくだ』
だから、成立させんな!!
・・・ったく。ようやく次か・・・。
触った間食は何かビニールのようなものだった。取り出してみると、それは・・・・
『お徳用 ちくわ』と書かれた、ちくわが大量に入っている、袋だった。そしてやはり、紙が付いている。
『焼いてもよし。そのままでもよし。好きに食べてくれ』
いやいやいや、魚肉ソーセージじゃあるまいし。
・・・うん、次行こう。
「えっと・・・次は・・・」
重くて、高級そうな木の箱だった。
そして、やはり、紙が付いている。
『これは、数億はする壺だ』
・・・え? 嘘だよな、霧だし。うん、いっそ割っちゃえば・・・・・
『ちなみに、箱の中の壺には何かが封印されている。割ったり、蓋を取ったりしたら、封印が解かれるからな。封印されているのが何かは知らん』
・・・・・。
俺は、無言で木の箱を開け、中を見た。中身は、壺。札が何枚も貼られている。
「地下室に置いとくべきだな・・・これは」
俺はそう決心し、箱に直し、必要以上に触らないことにした。
そして、次。
俺は、それを見た瞬間・・・
「ぶほぉぉぉぉぉぉ!!」
吹いた。
中身は・・・・まぁ、オトナの世界で使う物というかなんと言うか・・・・・・まぁ、R指定が入るような代物だった。どうやら、他のと一まとめになってるらしい。後は、液体が入った瓶と、『零牙の弱み集 A』と書かれたファイルだった。
俺は恐る恐る、紙を見た。
『フフ・・・どうだね? 気に入ってくれたかな? 一つ目は見たとおり。二つ目は【ピー】だ。まぁ、この二つで明と二人っきりの時に楽しむことだ。ついでだが、最後のファイルは、君の弱みが沢山載っている。それは、不要になった・・・というか、全て覚えたからね。君に返す事にしたよ。』
「あんにゃろぉぉぉォオオオオ!!」
俺は顔が熱いのを感じながら、叫んだ。
これから、霧の嫌味を叫んでやろうかと思ったが、近所迷惑になるのでやめる。
ご近所付き合いは大事なのである。
・・・とりあえず、次行こう、次。
「次は・・・本か。なになに? 『素人にも良く分かる医学書』・・・?」
いや、これでどうしろと?
これにも紙が付いている。
『明の料理で面白可笑しい症状が出たときはこれで対処するんだな』
・・・そういうことか。
って、ちょっと待て。危ない危ない・・・もう少しで、スルーするところだった。
何だよ、『面白可笑しい』って!? ・・・ったく。
よく見たら、本には何か瓶のようなものが付いていた。
「えっと・・・『良く効く胃薬』? ・・・また胃薬か」
さてと・・・次は・・・本?
「どれどれ? ・・・『無限武術指南書』!?」
オイオイオイ!! これって、幻の武術指南書じゃないか!? なんでこんなもんが・・・・!
やはり、紙が付いている。
『これは私の知り合いの、とある財閥の図書館から拝借した本だ。これで、体を鍛えたらどうだ? ・・・・・来るべき時の為にな』
・・・何か、やけに最後の言葉(てか文字だな)が重く感じたのは気のせいだろうか。
とりあえず、ありがたく受け取っておくことにしよう。
さて、次だ。
「・・・・これ、ボードゲームか? 見たところ、人生ゲームっぽいけど・・・何か違うな」
あぁ、やっぱり、紙が付いてる・・・。
『これは、リアル人生ゲームというやつでな。このゲームで起こったことは、全て現実になるのだよ。面白いだろう? 是非、派遣部の皆で遊んで欲しい』
「誰がやるかぁぁぁぁあああ!!」
んなもん、誰がやるかっ!! 危ねぇよ、危ねぇよオイ!
・・・結局、マトモなのは入ってなさそうな・・・。いかん、次だ、次。
「これは・・・また、本だな。タイトルは・・・『よく分かる逃走術』?」
いやいやいや、必要だけれども。なんでそんなもんが本に?
・・・気にしちゃ負けだよな。
「次々・・・」
俺が箱に手を入れた瞬間。
ガシャン!!
「のわぁ!?」
何かが閉じる音がした。音からして、金属と金属がぶつかった音。
俺は恐る恐る箱の中に手を入れ、さっきの音の元を取り出してみた。
「これ・・・トラバサミ・・・」
(トラバサミがなにか分からないという方は、検索して調べてください。作者はちゃんと伝えれる自身がありませんので。byガルー)
・・・今、変な声が聞こえた気がするのは多分、疲労による、幻聴だと思う。そう思いたい。
これって確か、法律で狩猟には使えなくなったって、話だが・・・。
やっぱり、紙が付いている。
『これは、見ての通り、トラバサミだ。実は改良が施してあってな。悪霊を捕まえることが可能だ。まぁ、有効に使ってくれ』
・・・どこに、こんなものに捕まる悪霊がいるんだよ。
「気にしたら負けなんだよな・・・・っと、これは・・・フライパン?」
やはり紙が付いている。
『これは、『料理が問答無用で少しだけ上手くなるフライパン』といってな。どんなに料理が下手でこれを使えば、問答無用で少しだけ、上手くなるそうだ。まぁ、明にでも与えるんだな』
「どんなフライパンだ」
ぼそっと呟く。・・・・まぁ、試すだけ試してみるか。
さて、次だ。
「これって、鉄製の箱? ・・・・蓋が無いな」
入っていたのは、手のひらに乗るくらいの大きさの鉄製の箱。開けるようなところは見当たらない。
そして、紙が付いている。
『注意:これは庭で開けること。間違っても室内で開けるな』
え? これだけ?
とりあえず、保留にしておく。
霧からのプレゼント、どんだけ入ってんだよ・・・。まだ入ってるみたいだし。
とりあえず、残りをまとめて出してみた。残りは、高級そうな下剤と、サ○ンパス、タルタルとウスターのソースセット(霧に言わせれば、『毒キノコにかけても普通に美味しくなるソース』だそうだ)。最後にかき氷機だった。
「結構、入ってたな・・・」
ピンポーン
そう呟くと同時に、呼び鈴が鳴る。
「はいはい・・・」
俺は玄関に向かい、ドアを開ける。
「・・・明か」
「何よ、その反応」
「別に。・・・晩飯だったな。上がってくれ」
「ええ・・・」
明が家に上がり、リビングに入ったのを見届けた後、俺はハッとした。
先ほど開けた箱の中身が出しっぱなしだったのだ。
・・・・ヤバイ。そりゃあ、もういろんな意味で。
俺は急いで、リビングに戻る。
「・・・やっぱりな」
そう呟いた後、小さな溜め息を吐いた。
リビングでは、あの、『大人のオモチャ』を見て固まっている明がいた。
「なっ、なっ、なっ・・・何これ・・・」
「んまぁ、見た通り・・・」
「そ、それで、これでどうするの・・・?」
よく見たら明は顔真っ赤にしていた。
・・・恥ずかしくて顔赤くしてんのか、怒って顔赤くしてんのか分かんねぇが。
考えてたら、俺の顔が熱い事に気が付いた。・・・俺も顔真っ赤にしてんだろうなぁ。
「どうするも何も・・・。霧からの贈り物だからな。地下室にでも置いとくよ」
「・・・そう」
・・・? なんだか、がっくりしたように聞こえたんだが。
「まぁ、そこら辺に散乱してんの片付けるから手伝ってくれよ。晩飯はそれからだ」
「え・・・。私、体力ないから、遠慮を・・・」
「・・・今日はハンバーグかな」
「手伝うわよ!!」
・・・扱い易いと言うか、分かり易いと言うか。
~三十分後~
とりあえず、ある程度は片付いた。壺とか、使わないような物やヤバそうな物は地下室に。・・・まぁ、デリンジャーとか拳銃は後で試し撃ちするから、一応、俺の部屋だが。そういや、霧から、何故か銃弾が数百ダース、地下室に置いてあった。・・・手際がいいと言えばいいのだろうが・・・。
途中、明が騒いだんだよなぁ。あのセーターで。説明して、落ち着かせたんだが。・・・なんで騒いだんだろうな。
「んじゃぁ、晩飯にすっかぁ。ちょっと待ってろよ」
そう言って、俺はキッチンに向かう。返事が無いのはいつもの事だ。
次回、[新たな仲間 使い手としての契約]に続く。
まずは、プレゼントを下さった皆さんにお礼をば。
読者のリュウさん、『サクコー』の水月先生、『アルカンシエル』の黒犬先生、他の皆さんも有難う御座いました。・・・ちなみに、まだ出ていない誕生日プレゼントはいずれ出ます。
それと、貰った誕生日プレゼントは本編で使われるかも・・・?(銃とか、罠とか・・・)
では、また次回。
PS:今回、零牙が貰ったプレゼントは全部読者様からのものです。有難う御座いました!