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平凡ではない日常。(無期限更新停止)  作者: 月影雅輝
第二章[戦いの序章]
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第三十八話[戦力増強計画編 いきなり? 一人目の仲間発見!?その2]

どうも、ガルーです。

今回は、何回か視点が交互に変わるので読み辛いかもしれません。

では、本編をどうぞ。

さて、俺は今、ここ、「蜃気楼への招待状ミラージュ・インヴィテイション」で働いているわけだが、何故ここで働くことになったか知りたい人もいると思う。てなわけで説明だ。

GW(ゴールデン・ウィーク)の時に明に(七万五千円の)ワンピースを誕生日に買ってやると約束したのを覚えているだろうか? んで、一応、毎月貰える小遣いで買えるんだが、それじゃあ、味気無いからな。七月までバイトして七万五千円稼ごうってわけだ。自分で苦労して買うっつー感覚も体験をするのもいいからな。

んで、檸檬姉さん―――小さい頃からの付き合いだから、こう呼んでいる―――が喫茶店を経営しているのを思い出したから、頼んでみたら快く引き受けてくれたってわけだ。・・・どうせならずっと働いてくれってさっき言われたが。


「零牙! ナポリタンとコーヒーだ! さっさと作れよ!」


説明している内に一斗からオーダーが。毎回、一言多い。


「あぁ、分かってる!」


今日は忙しくなりそうだ・・・。










〜一方、その頃 明視点〜


あー、もうっ! ムカツク! なんで零牙は家にいないのよ!? 一緒に買い物行こうかな〜。なんて考えてたのに!!


「・・・明?」

「えっ? なに?」

「怖い顔してたからさ。・・・また甲斬の冴えない方?」

「冴えない方って・・・零牙よ、零牙」


私は隣にいる友人に笑いながらそう返した。彼女は鈴空殊日(スズクウシュカ)。私と未来が学園に入学した時、一番最初に仲良くなった。・・・何故、仲良くなったかは覚えてないけど。

容姿は細いつり目で目の色は黒。髪型はポニーテールで、茶髪(でも、本人曰く、「焦げ茶」らしい)。身長は160cmぐらいだと聞いている。体型は至って普通。性格はどこか投げやりな気がする。でも、友達は大切にしている・・・かな?

なんだか、最近愚痴が多い。「人生に疲れた・・・」とかよく聞くなぁ。原因は運が悪いかららしい。例えば、誰もこけないようなところでこけたり、教室のドアに足の小指ぶつけたり・・・なんか地味?

零牙のことをいっつも、「甲斬の冴えない方」って呼んでる。別に冴えないわけじゃないんだけどなぁ・・・。


「とにかく、今日はありがとうね。買い物に付き合ってくれて」

「いいよ、丁度暇だったし」


私はチラッと、腕時計を見る。


「そろそろお昼かぁ・・・。ねぇ、どこかで、お昼ご飯食べていく?」

「うん。そうしようか」

「でも、ここら辺、よく知らないし、丁度よく喫茶店とかないかなぁ・・・」


私と殊日は辺りをキョロキョロと見回す。


「あっ、あんなところに喫茶店がある!」


殊日が喫茶店を見つけたみたいだ。

私達はその喫茶店の前まで来て、店名を見た。


「えっと・・・『蜃気楼への招待状』・・・?」


殊日が店名を読み上げた。


「違うわよ、上に振り仮名が書いてある。えっと、『ミラージュ・インヴィテイション』だって」

「ふ〜ん・・・じゃ、入ろうか」


私達は、その喫茶店に入った。


チリンチリ〜ン・・・


ドアを開けた瞬間、鐘の音がなった。


「いらっしゃいませ〜」


そして、店員さんらしい女の人が来た。

私達はそのまま、窓際の席に案内され、座り、注文をした。











〜その頃キッチンでは〜


「零牙、スパゲッティミートソースと、チョコパフェを一つずつ! 後、オレンジジュースを二つ!」

「了解。檸檬姉さん、少し休んだら?」

「あぁ、一段落ついたみたいだから、ジュースを運んだら、一斗と少し休ませてもらうよ。さっきの注文は六番のテーブルだよ」


六番・・・確か端っこの方の窓際だったけな


「分かった」


俺はジュースを冷蔵庫から出し、檸檬姉さんに渡してから料理に取り掛かる。







丁度、同時にスパゲッティとパフェが出来上がったので、テーブルに運ぶ。

最初は頭しか見えてなかったが、顔が見える辺りまで来ると、俺は前につんのめってこけそうになった。料理とかも落としそうになったが、なんとか落とさずに体制を立て直した。

俺が目にしたのは・・・明だった。見間違う筈もない。十数年間一緒に過ごした仲だ。見間違える方がおかしい。

それにしても・・・何で明がここにいるんだ!?

とりあえず、俺は覚悟を決めて、明が座っているテーブル向かった。





〜明視点〜


殊日とオレンジジュースを飲みながら、話をしていると、誰かがやって来た気配がした。


「お、お待たせいたしました。ミートソース・スパゲッティとチョコレートパフェです」


アレ? どこかで聞いたような声・・・。

私はそう思って、料理を持って来た、ウエイターの顔を見た。


「零牙っ!?」

「よ、よぉ・・・」


零牙はどこかばつの悪そうな顔をして、返事をした。


「それじゃ、ミートソース・スパゲッティとチョコレートパフェです。ごゆっくり・・・」

「ちょっと、零牙・・・!」


私が問いただす前に、零牙は足早にその場を去っていった。


「ねぇ、あれって、甲斬の冴えない方だよな・・・?」

「だから、零牙だってば・・・こんなところでなにやってんだろ・・・」


後でちゃんと聞かないと。それにしても・・・。


「似合ってたなぁ・・・」

「? どした? 明」

「い、いやっ、何でもないっ!!」

「???」


殊日はわけがわからないといった顔をしたけど、すぐに笑顔になり、


「さ、食べよ!」


と言った。


「それにしても・・・殊日ってホント、甘い物が好きよねぇ」

「ん〜? だって美味いじゃん」

「あんまり食べ過ぎたら駄目だと思うんだけど・・・」


私は苦笑いしながら、パフェを食べる殊日を数秒ほど見たあと、スパゲッティを食べることにした。









〜零牙視点 キッチン〜


料理を運んだ後、姉さんが「コーヒー入れといたよ」なんて言って、コーヒーを渡してくれた。ついでに一斗もいた。


「ふう・・・これで一段落ついたみたいだし、しばらく休めるねぇ」

「そっすねぇ・・・」


二人はすっかり休憩モード。何事も無けりゃいいんだが・・・。


カランカラ〜ン


って客か・・・。


「ん、私が行くよ」


檸檬姉さんがそう言った瞬間。


「オラァ! 全員手ぇ上げろぉ!」


言った傍からこれか・・・。


「檸檬さん、これって・・・」

「あぁ、強盗だろうねぃ」


その言葉を聞いて、俺はボソッと誰にも聞こえないぐらい、小さな声で、


「ったく、こんな時に・・・」


と呟いた。


「とりあえず、状況を見てた方がいいでしょ」


俺はそう言い、キッチンから外の状況を見た。

・・・リーダーらしき人物が一人。子分らしき人物が両脇に二名。なんとかなりそうだな。


「結構すくないっすね」

「あぁ、だけど、拳銃持ってるよ。油断は出来ないね」


いつの間にか、俺の上に一斗。更にその上に檸檬姉さんの頭があった。


「店員出てこぉい! 金出せやオラァ!」


リーダーらしき人物の腕にはお客の女性。頭に拳銃を突きつけられている。


「・・・とりあえず、俺が行きます」

「ケッ、お前になんか任せられるかよ。ここは俺が行って、パパッと片付けてやる」

「まぁ、待ちな、一斗。ここは零牙に任せておこう」

「で、でも・・・」

「いいから。零牙、任せたよ」

「はい・・・」


俺は準備を整えると、檸檬姉さんと一斗に奥の方にいるように言うと、ドアを開け、両手を上げてキッチンを出た。


「やっと出てきたか! さっさと金入れろや!」

「・・・はい」


俺は従う振りをして、バッグを取りに行くと思わせるため、強盗に近づいた。


「さっさと取れ!」


俺は強盗の目前まで迫った。


「・・・・・明ッ!」


俺は叫んだのと同時に、ハイキックで拳銃を蹴り上げるのと同時に人質を強盗から引き剥がし、それを右に押しやる。それをいつの間にか、傍まで来ていた明が受け止める。


「てめぇ・・・!」


リーダーらしき人物はそのまま殴りかかろうとしたが、無駄だ。格闘戦で俺に敵うはずが無い。

俺は上げたままの足を一気に降ろし、目の前の男の頭に当てた。(かかと)落しってやつだ。


「うぐっ!」


そんな声を上げたかと思うと、一気に男は崩れ落ちた。


「よ、よくもっ!!」


右側にいた男がそう言うと、俺に銃を向けた。が、俺はそいつに一気に駆け寄り、腹に一発、殴ってやった。

どうやら、気絶したようで、そのままずり落ちる。


「こ、このぉ!」


最後の男も俺に拳銃を向けるが、俺は横っ飛びに飛びながら、拳銃を手刀で落し、最後の男の後ろに回り、首元にもう一発、手刀を入れる。勿論、気絶するように。

男は糸が切れた操り人形のように倒れた。












〜数十分後〜


俺は、強盗達を気絶させたあと、何故置いてあったのかは知らないが、檸檬姉さんがロープを持ってきて、強盗達を縛った。

しばらくして、警察も来て、事情聴取を受けた。その後、警察は強盗達を連れて、帰って行った。


「あんな事があった後だから、今日は店を閉めるよ。また明日来ておくれ」


檸檬姉さんにそう言われ、俺は帰る事にした。・・・んだが。


「なんで、俺がお前の買い物に付き合わなきゃあならんのだっ!!」

「家にいなかった罰よ。さ〜、次行くわよ!」

「おぉ〜!」

「・・・だが、そろそろ七時だぞ? 俺は家に帰って晩飯の支度(したく)したいんだが?

「それもそうね・・・」


一応、説得に成功したみたいで、家に帰ることにした。







〜零牙宅〜


俺達が家に付いてすぐ、明の携帯に一本の電話が入った。


「あっ、殊日からだ」


俺はこの時、気にも止めてなかったが、すぐに事態は急変した。


「もしもし?」

『明っ! 助けて! 変な奴に追われて・・・! ゴトッ、プツッ・・・ツーツーツーツー』


俺はたまたま明の近くにいたので話している内容が聞こえた。そしてその直後。


―――放せ! やめろっ!


何者かに捕まった鈴空のイメージが一瞬見えては、消えた。


「零牙・・・」

「・・・お前も見えたのか?」

「うん・・・」


あれは・・・幻覚とか妄想とかそんなんじゃない。誰かがイメージを送ってきた(・・・・・)という感じだ。

俺は背筋がゾクッとなるのを感じた。これは、小さい頃から何か、嫌なことが起きる前に起きる現象。使い手だからか、黒狼(コクロウ)の力を持っているからかは知らないが、絶対に嫌な・・・大変な事が起きる。


「零牙、どうしよう・・・」

「待て・・・」


俺は泣きそうな明の顔を見て、悪霊(ナイトメア)を捜索する為、咄嗟に集中した。

意識は俺の体から離れ、霊安町上空に飛ぶ。

・・・・悪霊(ナイトメア)の気配・・・。何処だ? 違う・・・ここじゃない。

俺の意識は一つの場所へ少しずつ、降りて行く。

ここは・・・マンション? 確か、この前建設中止になったはずの・・・。

ここで俺の意識は自分の体へと戻される。


「くっ・・・」


これ、長引くと結構辛いんだよな・・・。脳にも負担かけるみたいだし。


「場所、分かった?」

「あぁ・・・。この前、建設中止になったマンションだ」

「確か、集円学園の近くだったわよね?」

「あぁ。とりあえず炎人達にも連絡しておこう」


戦闘にあまり一般人は巻き添えにしたくなかったんだが・・・。さて、どうなることやら・・・。














その3に続く。

はい、後書きにも失礼します、ガルーです。

今回はお知らせが二つ。

まず、コラボ情報。航平先生の『カタクロフト』という作品を皆様は知っていますでしょうか? 今回、『平凡ではない日常。』こと『ない日』が『カタクロフト』に出演、コラボいたしました。ちなみにコラボは五話ごとに行われるそうです。『カタクロフトは水曜更新!』らしいですので次は五週間後ですね。

さて、次のお知らせ。実は・・・この『ない日』、連載を始めてから丁度、半年が経ちました! そして、全体でキリよく50部! 近々、半周年記念企画でもやろうかと思います。

では、また次回〜。

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