第三十四話[派遣部の日常編【後編】 ハッピーバースデー! 零牙の誕生日]
え〜、まずは、大幅に更新が遅れてしまったことをお詫びしたいと思います。どうも、すいませんでした!
どうも、スランプ気味のようで・・・。
あ、それと、今回で第一章が終わり、[派遣部の日常編【後編】]も終わります。
では〜、本編の前に、『派遣部メンバー達の質問コーナー Q&A』ですっ!
え〜、今回の質問は・・・大林&小林先生からで・・・
『Q:悪霊は具体的にいつごろから、いたんですか? あと、悪霊はどこから生まれたんですか?』
だそうです。では明、お願いしま〜す。
明『A:悪霊は、具体的な出現時期は分かりませんが、一番古い文書によれば、縄文時代からだそうです。ですが、一部では、人間が生まれる前から存在するという説もあります。次に悪霊はどこで生まれたのか、ということですが、具体的には分かっていません。実際、最初の出現が確認された時期が世界中で全て重なっているからです』
・・・だそうです。では、本編をどうぞ。
今日は五月最後の日。そう、五月三十一日。
〜零牙家〜
今日は部活休みか・・・。やることも無いし。久しぶりにのんびりできそうだ。・・・まだ7時30分だけど。
ピンポーン
のんびりできると思った傍から来訪者・・・。
ピンポンピンポーン
「はいはい、今出ますよ・・・」
ガチャ・・・
「おはよう」
「おはよう・・・って、明!? 何の用だよ。こんな朝っぱらから」
「ちょっとね。てなわけで、零牙はちょっと出かけておいてくれない? 帰って来るのは5時でいいから」
「おう、わかった・・・って、どういうわけだ!? しかも、ここは俺の家だ!」
「いいから、さっさと家を出る!」
「せめて着替えさせろっ!」
「じゃあ、着替えて来なさいよ」
・・・逆らったら、逆らったで、何か嫌な目に合いそうだな。ここは素直に従った方がいいな。
「・・・了解」
〜霊安町 中央区〜
俺は、家を追い出されるように出され、今、適当にぶらついている。
ちなみに、行くあても無いので、知り合いに連絡してみたんだが、どういうわけか、全員出ない。あの暇そうな昴も。あの昴もだぞ!? 今度、学校で合ったら、ど突いてやる。
一応、必要そうな物は持って来た。財布に携帯。持ってくるのを忘れかけたけど、PPRも、持って来たバッグの中に入れてある。武器や証は転送術と空間術の応用でいつでも出せるし。
っていうか・・・
「マジで暇だ・・・」
ゲーセン行こうにも、この周辺はまだ開いて無いし・・・。ん〜・・・ネットカフェか? 駄目だ。会員登録が面倒臭い。あ・・・今更だけど、自転車乗ってくりゃぁ、よかったな・・・。
「しょうがないな・・・久しぶりに行くか」
俺はあの場所に行くことにした。
〜霊安町 中央区 緑丘公園〜
「・・・久しぶりだな。本当に」
ここは俺の思い出の場所。・・・確か、明と始めてあったのも、明や狼牙、涼兄と一緒に遊んだのも、ここだったな。
ここは緑丘公園。名前の通り、緑が多くて、丘がある公園だ。確か、俺や明の家と、引っ越す前の狼牙の家、涼兄の家の丁度、中央辺りにあるから、よく、友達と遊んだ。
「確か、こっちだよな。丘は・・・」
俺は木が多い方へと向かった。
「ふぅ・・・やっぱり、ここの風は気持ちいいな。・・・結構前の話だけど」
俺は丘の頂上にいる。このてっぺんには、大きな木が一本あるだけ。この木の陰に座って、寝るのが俺のお気に入り。
「嫌な事があった時や、気に入らない事があった時はよく、ここに来たなぁ。・・・学校にいられなくなって、飛び出した時も・・・か」
・・・よくよく考えると、結構来てるんだな。俺って。
ふぁぁぁぁ・・・・・・・。
〜数時間後〜
「んぁ・・・? ふぁぁぁぁぁ・・・寝ちまったのか。時間は・・・まだ十一時三十分前後か」
結構寝たもんだな。・・・昼飯でも食いに行くか。
〜某ファーストフード店〜
とりあえず、ハンバーガーのセットを頼んだ。俺の少ない小遣いでは、ハンバーガーセットで精一杯だ。
ハンバーガーにかぶりつきながら、とある事を考える。・・・家を追い出された事についてだ。
何で追
追い出されたんだ? 俺の家なのに。明に主導権握られてどうするよ、俺・・・。
さて、ハンバーガーも食い終わったことだし、そろそろ行くかぁ。
〜ゲームセンター〜
俺は店を出た後、銀行に寄った。そしたら今月の小遣いが振り込んであった。いつもより多めに。・・・今日、何かの記念日だったか?
まぁ、とりあえず、だ。俺はゲーセンで遊ぶことにした。と言っても、最近はゲーセンなんて忙しくて行ってないからなぁ。どうゆうのがあるか分かんねぇ。
「・・・ん。アレやってみるかな」
俺の目にとまったのは、クレーンゲーム。まぁ、これぐらいなら、てか、これは出来るな、うん。
俺は早速百円玉を入れ、始める。ちなみに、取れる景品はぬいぐるみだ。
〜数時間後〜
「・・・結構使ったな」
俺はあれから十回、クレーンゲームをして、十個ぬいぐるみを取った。途中、小銭が切れ、両替をしに行ったが。
「クレーンゲームだけで、千円も使っちまったよ・・・」
まぁ、まだ余裕があるからいいんだが。しっかし、こんなにいらねぇなぁ。二、三個ぐらい、明にやるか。
俺はふと、携帯を開き、ディスプレイを見る。
「まだ一時ちょっとか・・・。まだまだ時間はあるな」
俺は次にどのゲームをしようかと、ゲーセンの中を歩き回った。
〜またまた数時間後〜
俺はあれから、シューティングゲームやレースゲーム、音ゲーなどたっぷりとやった。
「結構、遊んだなぁ〜・・・」
俺は、左手に紙袋を(中身は勿論、ぬいぐるみ)下げて、歩いていた。
そろそろ時間なので、家に帰るところだ。その時、
トーン・・・
・・・そんな音がした。
「ん? 何だ?」
音がした方を向くと、そこは・・・なんと言ったらいいか分からないが、まぁ、スポーツをするところだった。
ここはあらゆる球技が出来る施設で、入場は無料。有料でボールを貸し出している。ようするにボールは自分で持ってこいということだろう。昔、ここでも明達と遊んだことがある。
トーン・・・
また音か・・・。ここの閉館は五時。そろそろ閉館のはずだから、誰もいないはずなんだが・・・。
トーン・・・
「まさかとは思うが、悪霊か?」
の割には気配は無い。霊気を消しているのかもしれん。
「とりあえず・・・行くか」
でも、閉館まぎわに入ると、入り口にいるおっちゃんがうるさいしなぁ・・・。寝てたらいいんだが。
「グー・・・」
ビンゴ。寝てらぁ。
〜施設内〜
トーン・・・
俺は音を頼りにここまで来た。
「確かここら辺は、バスケットコートがある場所だったな」
トーン・・・
音が近づいている・・・・。ここかっ!
俺は一つの扉の前で立ち止まった。
「一気に行くか・・・」
俺は扉を一気に開けた。
そこにいたのは、一人の男だった。髪は黒で、先の方がクルッと跳ねている。身長は俺と同じぐらい。目は茶色だ。
ソイツがバスケットボールをゴールに向かってシュートしていた。
「ん・・・? 誰だい?」
なんだ・・・人か。まぁ、それはそれで良かったんだが。
「いや、ただの悪霊・・・もとい、人違いだ。それにしても、なんでこんな時間にいるんだ? そろそろ閉館だぜ?」
「それはこっちの台詞だよ。君は何でこんなところまで来たんだい? ・・・・派遣部部長、甲斬零牙君?」
「!? 何で俺の名前を知っている!?」
「まぁまぁ、そんなに驚く事じゃぁないよ。学園では有名だからね」
「学園・・・? お前も集円学園の生徒か」
「まぁね。ちなみに僕は高等部一年五組だよ」
五組・・・!? ってことは・・・!
「五組ってことは、特待生か?」
「まぁね。初頭部の頃から通ってるもんだから」
「そうか・・・んじゃ、早く出るんだぞ?」
そう言って、俺は帰ろうとする。
「まぁ待ってくれよ。まだ、質問の答えを聞いてない」
「質問? あぁ・・・何でこんなところに来たのかって? えっと、それはだなぁ・・・」
俺は頭をフル回転させて上手い言い訳を考える。
「・・・僕の事を悪霊だと思って、ここまで来た・・・ってとこかな? 違うかい?」
「んなっ!?」
悪霊の事を知ってる・・・?
「お前、何者だ?」
「フフッ・・・まだ正体を教えるわけにはいかないな。まぁ、名前ぐらいは教えてあげよう。僕の名は、一条凛水」
「ん? 一条? どっかで聞いたことが・・・」
一条凛水? 一条・・・一条・・・。あっ! まさか!
「なぁ、お前・・・一条って、あの一条財閥の一条か?」
一条財閥・・・。世界トップクラスの会社で、西総グループ、山上財閥に並ぶ、大企業だ。噂では、一条財閥、山上財閥、西総グループは裏で協力しあっており、倒産することが無いと。しかも、不況に一度も陥ったことが無いときた。まさかとは思うが・・・。
「ご名答。その通りだよ。僕は現社長の息子にして次期社長さ・・・」
「へぇ・・・そうか・・・ってそうじゃねぇ! なんで悪霊の事を知っている!?」
「まだ教えることは出来ないといっただろ? ・・・それじゃぁ、僕は帰るとするよ」
アイツ・・・凛水は、扉の方に向かって歩いて行く。
「あっ、ちょっと待てよ!」
俺は慌てて追いかける。凛水は扉を開けて出て行った。
俺も急いで、扉を開けて通路を見る。
「・・・いない?」
通路には誰もいなかった。
〜第三者視点〜
「ここまでは、予定通り・・・か」
夜道を歩く、一人の男子がいた。
「彼にはこの姿でも接触をしておくべきだったからね・・・。この、もう一つの姿で」
その男子・・・一条凛水は、誰に話すわけでも無しに呟いている。
「また、近い内に会えるだろうね・・・。銀の雷君♪」
凛水はそう言うと、闇に姿を消した。
〜零牙視点〜
・・・何者だったんだ、アイツ。悪霊の事も知ってたみたいだし・・・。ヤッパ、明に話した方が・・・って信じるわけないよな、一条財閥の次期社長と会って、ソイツが悪霊のこと知ってたって言っても。・・・何か、自分で言ってて、変な状況だと思える。
「・・・そいや、あの施設って一条財閥の傘下だったな、確か」
入り口んとこに『一条財閥』って書いてあったし・・・。
あ・・・ボールそのままだったよな・・・。まぁ、いいか、おっちゃんが片付けてくれるだろうし。
そろそろ家だな。
ガチャガチャ・・・
俺は今、玄関の前に立って、鍵を開けているところだ。
「何で鍵かかってんだよ。明がいるはずなんだが・・・」
ガチャッ
「んだよ、電気ついてねぇじゃねぇか」
家に入ったら、真っ暗だった、廊下から見える、キッチン兼リビングに繋がる、くもりガラスのドアからも光は漏れていない。
「変だな・・・」
俺はそう言いつつ、家に上がり、リビングのドアを開ける。
「んっと・・・確か、入ってすぐんとこにスイッチが・・・」
俺が電気をつけると・・・
パァーン、パパパァーン
何かが鳴った。
「おわぁ!?」
「お帰り、零牙!」
俺を出迎えたのは明。その後ろには、炎人や未来に狼牙、由美に千と千里といった感じに派遣部メンバーが勢ぞろいだった。他にも昴やえっと・・・そうそう、入江真一に三枝君、そして涼兄がいた。
「なにやってんだ!? 俺の家で!」
「零牙、今日、何の日か分かってる?」
「ん? 今日? 確か、今日は五月三十一日だよな・・・。あっ!」
「・・・どうやら、思い出したようだな」
「俺の誕生日か!」
「そうだよぉ♪」
ってことは、さっきのはクラッカー・・・。
「だから、明は俺を家から追い出したわけか」
「そういう事」
「んで、知り合いに電話しても誰一人出なかったのは・・・」
「準備してたってわけさ」
「んなろぉ・・・嬉しい事してくれやがって!!」
「んじゃ、早速、プレゼントだ。俺のはこれな」
炎人から渡されたのは、長い、箱。もちろんラッピングはしてある。皆が持ってる箱もそうだ。
「私のはこれだよぉ」
未来から渡されたのは少し薄い、長方形の箱。
「・・・俺のはこれだ」
狼牙からは筒状のもの。
「私はこれ・・・」
由美からはかなり分厚い、長方形の箱。
「僕からはこれ〜」
千からは普通の長方形の箱。
「私からはこれです」
千里からは正方形の箱。
「んじゃ、俺のはこれだ」
涼兄からは少し薄い、小さな長方形の箱。
「俺はこれだ。・・・忘れんなよ」
昴からは、涼兄と同じような箱。
真一からは・・・
「俺はただ、昴に呼ばれてきただけだ。なにも用意していない」
何も無かった。
「ほら、明、早く」
「う、うん・・・」
未来にせかされながら、明が俺の前に来た。
「これ・・・私からの誕生日プレゼント」
明は顔を真っ赤にしながら、俺に箱を渡した。
「・・・ありがとな」
とりあえず、プレゼントを受け取った後は、みんなで楽しんだ。
ケーキ食ったり、ゲームで楽しんだり。
ちなみにみんなから貰ったプレゼントは、
炎人が日本刀。高かったんじゃ・・・。
未来からは、何故かタキシード。
狼牙は爺ちゃんの家から見つかったという、訓練メニュー。俺が持っている方がいいんだそうだ。
由美からは、参考書。・・・勉強しろと?
千からは、エアガン。千らしいっちゃらしいな。
千里からは、ティーカップのセット。今度使ってみるか・・・。
涼兄は試作品のゲームソフト。・・・普段と変わらねぇ。
昴からは、最近発売された、ゲームソフト。そいや、学校で欲しいとか呟いてたっけな。聞いてたのか?
真一は・・・なんも無かったな。
明からは、服。なんでも、俺に似合うような服を選んできたそうだ。今度出かけるときに着てみるか。
よくよく考えれば、これが平凡だった日常の最後かもしれない。
なにもかもが楽しかった時。それが・・・・。
これから俺達の戦いは始まった――――――――――――――――――――――――
次回、第二章[戦いの序章] 第三十五話[悪霊の襲撃]
まず、最初に・・・正体不明先生、すいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
勝手にちろっとだけ、山上財閥の名前を出してしまいましたっ! ほんっっっとうにごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!
はぁはぁ・・・・で、では、次回から第二章です・・・。
お知らせ:データベースに【竜崎 炎人】の項目を追加いたしました。