第二十九話[派遣部の日常編【後編】 突入! 真夜中の中学校!!その3]
今回で『スクール・ラプソディー』とのコラボは終了です。『スクール・ラプソディー』のキャラ達とあまり絡みが少なかったですが、バトルには力を入れましたよ!
それと、初の九千字突破です・・・! かなり疲れました・・・。
では、本編をどうぞ〜。
夜の校舎というのは不気味なものだ。
昼間の休み時間などには廊下を行き交う生徒達で賑わっていたのだろうが、暗くなり、賑わいが消えただけでこうも不気味な場所になる。なんとも学校とは不思議な場所だ。
・・・現在、葉桜第三中学校校舎内を懐中電灯片手に移動中。悪霊などに遭遇した場合を考えて部員含め依頼者達と行動を共にしている。
ちなみに俺達派遣部部員達は戦闘服を着ている。これで外を歩けば目立つこと間違いなしだ。・・・とりあえず、皆の戦闘服の説明をさせてもらおう。
俺と狼牙のはデータベースに書き記されてあるから、そっちを見てくれ。それと詳しい説明はデータベースでするからそれまで待っててくれ。
まず、明の戦闘服は、緑の布地をそのまま利用したローブのような物だ。腰の辺りで青色の帯で締めている。帽子にはアニメや漫画で魔女がかぶるような小さめの帽子(緑)をかぶっている。勿論、先端はクタっと、折れている。見た目はあれだが防御力、動きやすさは抜群で、明にあった設計になっている。【封印書】を右手に抱えている。
続いて炎人は、赤の布地で江戸時代の浪人が着るような服で腰を黒の帯で締めている。下は忍者が履くような、すこし膨らんだ白のものを履いている。頭には鉄製の笠をかぶっている。帯のところに【龍炎刀】を差している。
未来の戦闘服は中世の西洋騎士が身に付けるような軽装の鎧を来ている。無論、鉄製だが、動きやすいように所々布の部分もある。見た目とは裏腹に動きやすいように出来ている。背中は【光竜の矢筒】が付けてあり、腰に括るようにして【光瞬】が取り付けてある。
千と千里はお揃いの物を着ており、迷彩柄の布地で、上と下で別れていない服を着ている。千のものは長袖になっており、腰のホルスターに【双弾の銃】が入れてある。腰の背中側には【連撃弾】が多数用意されている。左目の上には鉄製の眼帯が付けてある。この眼帯は戦闘時、左目に付けるそうだ。その理由は本人曰く「左目の視力は2,0だけど、右は8,0近くあるから、両目より右目だけの方が狙いが付けやすくて、命中率も上がるんだ」だそうだ。
千里のものは肘と膝から先がアーマーで包まれており、【滅撃の大筒】の発射の衝撃に耐えられるようにしてあるようだ。背中には【滅撃の大筒】を背負い、腰には【轟滅弾】が多数用意されている。ちなみに二人の戦闘服は所々にポケットが付いており、機能性もある。
由美の戦闘服は全身、強固な西洋鎧を着ている。兜もかぶっている。防御力もかなりのものながら、軽く、機動性もある。背中には【魔人の斧】を背負っている。兜の中では【力の額当て】を付けている。
ちなみに、戦闘服に現代的なものや西洋のものが混じっているのは、世代世代で戦闘服が変わるからである。ようするに、時代とともに姿も変わるということだ。
流石に依頼主一行はこの姿に驚いていたが、事情を説明するわけにもいかず、気にしないようにと言っておいた。ちなみに派遣部部員は、土足である。失礼極まりないが。
「・・・やっぱり来るんじゃなかった」
そう、明が呟いた。やっぱり暗いところ苦手・・・か。来るんじゃなかったって言ってももう遅いし。
「・・・もしかして、怖いんか? 幽霊とか」
「そ、そそ、そんなことないわよ!」
おーい、声と手と足が震えてるぞ〜。
自分より年下(といっても一つだけなのだが)に指摘されたのが悔しいのか? 顔がなんかこう、怖いことになってるぞ。
「・・・あの、明さんは大丈夫・・・」
心配そうに・・・えと、名前、名前・・・あ、そうそう孝介君が聞く。
「大丈夫だよ。アイツ、幽霊とか苦手だけど、やるときはやるから」
「・・・・?」
やっぱり、頭にクエスチョンマークが浮かぶよな。この回答は。
「で、その物音がしたのって、どの辺りなんだ?」
炎人は依頼主こと井戸端会議・・・失礼、井戸端海梨さんに物音のした場所を聞き出している。
「えっと、この先にある階段を上ってから、左側の奥にある部屋からです」
「分かった。零牙、聞こえたか?」
「聞こえてたよ。この先にある階段を上がるんだろ?」
「そうだ」
場所はわかった・・・か。
「それにしても先生も無茶なことを言うよね」
「そうね。確かな証拠も無いのに調査に向かえって・・・」
「だよねぇ。それに夜に依頼実行ってねぇ」
「あぁ、まったくだよ。眠いし、明は怯えてるし」
「うるさいわよ零牙! 怯えてなんかない!」
「ともかく、実行しない限りは終わらないこった」
「しかし、あの木戸先生が思えないな。なにか理由があって、俺達を向かわせたとしか・・・」
「・・・もしくはなんらかの情報を持った者から情報を得て向かわせた可能性も高い」
「あの、何の話・・・?」
「私にはさっぱりや」
「聞いてただけで頭が痛くなってきた・・・」
「とにかく、急ごうよ」
一応説明しとくとだな、上から千、千里、未来、俺、明、炎人、狼牙、由美、孝介君、ひのでさん、琢人君、海梨さん、だ。
そんな話をしている内に、目的の部屋へと辿り付いた。
「ここか?」
「はい、一応」
・・・何教室なんだ? 教室の名前が書いてある、プレートらしき物も無いし・・・
「ここって・・・」
「倉庫・・・のような場所らしい。話だといろんな物が入れてあるとか」
俺の疑問に琢人君が答える。
「倉庫・・・ってことは勿論、鍵は閉まってるな」
俺は扉を開こうとしたが、やっぱり鍵が閉まっている。
「どうしよう・・・」
海梨さんが困ったように呟く。他のみんなも困った表情をしている。明と狼牙を除いて・・・だが。
「大丈夫、俺にはコレがある」
俺がそう言って、ズボンのポケットから取り出したのは一本の針金。
「針金って・・・それでどうする・・・」
孝介君が言う。
「まぁ、見てなさいって」
俺は針金を扉の鍵穴に入れ、カチャカチャしていた。しばらくすると鍵があいたような音がした。
「えっ!? 開いた?」
未来が驚いたように声を上げる。明と狼牙を除いたみんなは驚いたような顔をしていた。
「へへ・・・自分でいうのもなんだけど、俺、これでもピッキングの達人でさ。ある程度の鍵くらいならこれ一本であけられるぜ?」
ピッキングって何?って思った読者様はウィキぺ○ィアで調べてくれ。
このピッキングを教えてもらったのは、まだ俺が五歳ぐらいの時かな? 涼兄に教えてもらったんだ。おかげで地下に眠ってた金庫とかの鍵が開けれたんだが、この話はまたいつかの機会に。まぁ、俺がピッキングの達人ってのは幼馴染みの明と狼牙は知ってたも同然ってわけだ。中学辺りはあんまし使う機会がなかったからなぁ。炎人達は知らなかったってこと。
「さ、鍵も開いたことだし、先に進みましょうか」
俺は扉を開いた。その瞬間、強い霊気を感じ取った。
「・・・! この感じ・・・上位・・・!」
「海梨さん達、気をつけて! 私達からなるべく離れないで!」
「わ・・・わかった」
どうやら敵は一匹・・・か。こういう時は狼牙が作戦を考えるんだが・・・。
「狼牙、なにか作戦は?」
「今、考えた。これから全員に通達する。よく聞いておけ。勿論、依頼主の君達もだ」
「・・・で、作戦は?」
「俺と零牙、炎人、未来で前衛を担当、突入する。後の四人は依頼主達を護衛。依頼主達は護衛の四人から離れないように。後はそれぞれの判断に任せる。ただし護衛の四人、依頼主達の四人はあまり離れずに行動しろ。・・・作戦開始時刻はこれから約十五秒後。カウントは零牙。いいな?」
「はいはい・・・いつもの仕事ね。・・・1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15・・・突入!」
俺達はどっかの陸戦部隊よろしく、異色な団体が一つの部屋に突入した。
「!」
が、標的は俺達に気付き、窓を破って逃げていった。
「ちっ・・・逃げたか」
「追うぞ!」
「フフ・・・まぁ、そう急ぐな」
また唐突に現れる男が一人・・・ってこたぁ・・・。
「霧・・・か」
「そういうことだ。奴がいる場所にいくならば、私の力を使ってもらおうかね」
「何言って・・・って、アレ!?」
俺達はいつの間にかグラウンドにいた。
「さて、後は君たちに任せるよ。敵も目の前にいることだしね」
「はい・・・?」
「クソッ、もう来やがったのか!」
目の前にいるのは鱗は緑腹部は黄色、爪がかなり鋭い竜の姿をした、上位の悪霊だった。
「よし、さっきの作戦の通りでいくぞ・・・!」
「おぉ!」
「チッ・・・野郎共! 出て来い!」
太った竜の悪霊が叫ぶと、いたる所から、太った竜の一回り小さい奴が数匹、それより更に小さい奴が数十匹、更に小さい――だが、一番小さい奴でも俺達と同じぐらい――竜が数十・・・いや、ざっと百匹が出てきた。
「・・・あの作戦、これじゃ、無理だな・・・」
「少なくとも、依頼主達をかばいながら、は無理だ」
『何コレ!? 何コレぇ!?』
依頼主達はあまりの出来事にハモりながら、パニックになっている。
「ならば、その役目・・・」
「俺達に任せろ」
その声の主は、霧と・・・先生!? しかも手には槍らしき物を持っている。
「え? 先生!? なんで!?」
「・・・話は後、結界の中に依頼主達を入れておく、お前らは戦いに専念しろ」
「了解!」
先生達が海梨さん達を結界に入れたのを見届ける――未だにパニくってるが――と、俺達は目の前の敵をみた。
「上位に中位、下位・・・後、あまり感じ慣れない霊気が多数・・・か」
「あいつらは、最下位。悪霊達によって量産された、戦闘員ってやつだ」
俺の質問に霧が答えた。コイツって、何者なんだ? 本当に。
「そういや、なんで敵さんは俺達を攻撃しないんだろうなぁ」
と、炎人が呟く・・・そういや、そうだな。
「私が動きを止めているのさ。ちなみに、声も出せないようにしてる。さ、早いところ、準備を済ませるんだ」
「すまんな」
んじゃぁ、開放と行きましょうか・・・!
「明!」
「分かったわ!」
明はいつものように、俺の背中に右手を置き、魔力を流し込む。
「うぉぉぉぉ・・・! 【開放】っ!」
そう叫んだ瞬間、俺の体は魔術力に満ち、髪と目は銀色に染まる。
「【銀の手甲】、発動!」
そして、【銀の手甲】から銀の雷が出、俺はその雷を纏う。
「ふぅ・・・」
「俺も開放といきますかね・・・。【開放】!」
炎人も珍しく【開放】した。髪と目は燃え盛る炎のような赤に染まる。
「【龍炎刀】、発動!」
そして、【龍炎刀】から炎が吹き出て、炎人はその炎を纏う。
「・・・【開放】!」
続いて狼牙も【開放】をする。髪と目は金色に染まる。
「【金の手甲】、発動!」
【金の手甲】から金の雷が出、それを狼牙は纏う。
「【開放】♪」
未来も【開放】を行う。
「【光瞬】、発動♪」
そう言った途端、一瞬だけ未来が光った。そう、これだけである。
「「【開放】!」」
千と千里は同時に【開放】をした。二人とも髪と目は緑に染まる。
「【双弾の銃】、開放!」
「【滅撃の大筒】、開放!」
すると、どこからともなく、数枚の木の葉が二人の周りを舞う。
「【開放】・・・!」
最後に由美が【開放】をする。髪と目は青に染まる。
「【魔人の斧】、発動」
すると、由美は冷気を纏う。
「これで、全員の開放は終わりか・・・」
「そろそろ、呪縛が解ける。・・・覚悟をしておけ」
「んなもん、とっくに出来てらぁ!」
俺と狼牙は腰から剣を抜き、俺は右手に持ち、狼牙は左手にもつ。炎人は腰から刀を抜く。明は【封印書】を開き、未来は弓を左手に持ち、右手には矢を持つ。千は銃を両手に持ち、眼帯を下ろす。千里は右肩に大筒を構える。由美は両手で斧を構え、霧はレイピアを抜き、木戸先生は槍を構える。
「効力が切れる・・・」
「ぐぉぉぉぉ! よくも、よくもやってくれたなぁぁぁ! 行けぇ、野郎共!」
『おぉぉぉぉぉ!』
悪霊達全員が襲い掛かってくる。俺達は敵に向かい、走っていく。
「でやぁぁぁぁぁ!」
俺は目の前にいる敵を横に切り払った。敵が悲鳴を上げる。
次々と襲い掛かってくる敵を次々に切り払う。が、背中を敵に取られた。
「っ!」
ドォン!
そこに明が放った波動弾が飛んできた。
「危ないわね!」
「すまねぇ!」
ダンダンダン!
近くで銃声が聞こえる。
「零牙、大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ、千」
俺は明と千と共に動いている。
「しっかし、この数はちとキツイな・・・」
俺はそう言いつつも、目の前の敵を切るが、避けられたので、一発の蹴りを喰らわせる。
「なんでこんなにいるのよ」
明は、敵の多くを焼き払う魔術を使い、敵に攻撃している。
「それだけ、あのデブドラゴンが強いってことじゃない?」
千は敵に次々と弾を打ち込んでいく。
「とにかく、今は目の前の時に集中しようぜ」
「そうね」
「まったく、弾丸を作るこっちの身にもなってよ・・・・」
〜炎人&未来 炎人視点〜
「はぁぁぁっ!」
俺はニ、三匹を同時に突きで、一気に倒す。
「なんだよ、味気ないな」
後ろでは未来が敵に矢を当てている。
「そんな事言わないの。中には中位とかも混じってるんだから、気が抜けないよぉ?」
「そうは言うけどな・・・」
こうもキリが無いと・・・疲れる。
「そうだ、【光の千本矢】で一掃する?」
未来は敵を矢で倒しながら、そう聞く。
「止めとけ、零牙達にも被害が出ると思うからな」
「えぇー! でもぉ!」
「はぁ・・・とにかくとにかく片付けるぞ」
「はぁーい・・・」
〜狼牙&由美&千里 狼牙視点〜
「はっ!」
俺は敵に蹴りを入れる。
ドガッ!
隣では由美が斧を振り回している。
「・・・千里、次の弾頭は?」
「もうちょっと待ってください・・・・・できました!」
よし・・・。
「由美! 下がれっ!」
「・・・了解」
「千里、準備完了だ!」
「分かりました! いきますよぉ〜!」
ドォォォォン!
派手な発射音が聞こえたかと思うと、目の前が爆発した。すると由美が吹き飛ばされそうになる。
・・・かなりの威力だな。
俺は剣を持っていな方の右腕で、由美を受け止めた。
「大丈夫か?」
「は、はい・・・」
ん? 顔が赤いようだが・・・。それにしても、軽いな。こんな体であの斧を振り回していたのか。
爆発が収まってきた。ここまで爆発は長くなるのか?
俺は由美を受け止めていた腕を放した。
「何で、ここまで爆発が長いんだ?」
「かなりの火薬を込めましたから、多分、そのせいですね」
「・・・まぁ、そのおかげでだいぶ片付いたからいいんだが」
「でも、まだ敵はいる・・・」
「そうだな・・・。早く片付けるか。行くぞ、由美!」
「了解・・・!」
「千里は装弾を!」
「はいっ!」
〜霧&木戸&孝介君&海梨さん&琢人君&ひのでさん 視点霧〜
フム・・・ある程度は零牙達がせき止めているようだが、少々こちらにも来ているようだな。
目の前の敵を私は切りつけた。
「霧・・・何故、出てきた?」
「ふっ・・・木戸、お前だけでは『ゲスト』を守りきることが出来んだろうと思ってな」
木戸は敵を突きながら、言った。
「ふんっ! それなら、お前だけで片付ければ良かったんじゃないか?」
「そういう訳にもいかんよ・・・。奴に私の存在を勘付かれるわけにはいかんしな」
「忘れたか・・・? 奴を封印したのは、お前の先代だろうが・・・!」
「それもそうだが、零牙達にも成長してもらわんと困るのでな!」
「ふん、お前の一族はこの世界を作ったも同然だ。運命ぐらいはお前で決められるだろう!」
「ふっ・・・私ができるのは、記憶の改変や物の時を戻すことや、敵を洗脳するぐらいだ。零牙達の運命は最初から決まっているのだよ。私が生まれるずっと前から・・・な」
「ふん・・・まだ隠している力があるのだろう?」
「私も買いかぶられたものだな。私ができるのはこれから起こるであろう、出来事に備え、零牙達を成長させるぐらいだ。零牙達の中から誰と誰がくっつこうが、私は知らんよ!」
言い合いをしている私達を見て、『ゲスト』達はポカンとしている。
「何の話なんだろ・・・」
「とにかく、これが終わったら、派遣部の人達に話しを聞こうぜ」
「そうや、これがなんなのか、ちゃんと聞かな!」
「でも、私の依頼でこんな事になるなんて・・・」
まぁ、仕方無いだろう・・・。そろそろ、片付くか・・・。
〜視点零牙〜
これでほとんど片付いた・・・。残りはあの上位のみ!!
「うぐぅ・・・この俺の手下をすべて倒すとは・・・。ならば、来い! 俺が相手だぁ!」
俺達は言われた通りに全員で突っ込んで行った。・・・が、
「んだよ、コレ! 攻撃が全部跳ね返される!?」
あの肥満ボディに全ての攻撃が跳ね返されるのだ。俺達は一旦、距離を取った。
・・・どうする!?
「・・・奥義を全部、一気にぶつけてみるか?」
炎人が一言そう言う。ようするに強力な技を一気にぶつけてしまおう。って事。
「いちかばちかの賭け・・・ってわけですか?」
「そういう事・・・あんまし喋ってらんないな・・・」
よく見ると敵がこっちに迫ってきている。
「んじゃ、行きますか・・・。未来!」
「分かった! 【瞬速の矢】!」
未来は光の矢を右手に作り、弓を引き、撃った。
「うがぁ!」
見事に敵の腹に当たり、動きを止めた。
「次は俺達だ! 狼牙、『アレ』行くぞ!」
「『アレ』・・・か。分かった」
俺達は敵に向かって、同時に走り出した。俺は左側、狼牙は右側を走っている。
「でやぁ!」
「おぉっ!」
俺は右腕で、狼牙は左腕で敵の腹に一発の殴りを入れた。
「ぐぉっ!」
「はぁっ!」
狼牙は続けて、アッパーを喰らわせて、空中に上げた。
「はぁぁぁぁぁぁ!」
俺はその敵をジグザグに上がりながら、膝蹴りを数発、連続で入れた。
「行くぞっ!」
すると、狼牙が俺の隣まで、飛んできた。
「「砕けろ! 【稲妻流星落し〔双牙〕】ッ!」」
同時に叫び、俺は右回し蹴り、狼牙は左回し蹴りを敵に当てた。
「まだ・・・終わっちゃねぇぞ・・・」
落下地点には炎人が待ち構えていた。
炎人は鞘に収めてた状態の【龍炎刀】に右手を添えている。
炎人は普通の人には見えない程のスピードで敵を切りつけた。
「散れ・・・儚く・・・そして、鮮やかに・・・!」
炎人が刀を鞘に収めると、傷口から桜の花びらが吹きだした。
「これぞ、【春風・桜】・・・!」
「次・・・行きますよ・・・!」
続けて由美が敵に迫っていく。
「【氷帝・破斬】・・・!」
すると【魔人の斧】の刃が氷の刃を纏った。
「はぁぁ!」
由美は下段切り上げで敵を空中に上げた。
「まだまだ、次は僕だ!」
千は銃を横にし、上の部分をくっつけた。
「【チャージ・バースト】!!」
そして、図太いビームのようなものを今だ、空中に上がる敵に発射した。それで更に上へと上がっていく。
「滅せよ・・・【爆破滅撃】!!」
そこに明の魔術が当てられ、爆発する。
「これで・・・最後です! 【轟滅砲弾丸】!!」
そして千里の大筒から発射された、弾頭が敵に当たり、光る。
俺達は眩しさのあまり、咄嗟に目を庇う。
光が収まった頃には敵の姿は消えていて、魂が残っているだけだった。
「見事に成功したなぁ」
「だけど、これはこれでシュールな光景だな・・・」
そう、この場所には、数々の魂が落ちていのだ。
「これを封印しなきゃなんないと思うと、疲れるわ・・・」
明がげっそりとした様子で言う。
「まぁ、頑張れよ。封印できんのは、お前だけなんだから」
「人事だと思って・・・」
「とりあえず、依頼主達にちゃんと事情を説明しないとな・・・」
疲れるだろうなぁ。絶対に。
〜ライトバス内 移動中〜
俺達は明が魂を封印している間、霧、木戸先生と共に事情を説明し、なんとか切り抜けた。
はぁ・・・。疲れたな・・・早く家に帰って寝よう・・・。携帯を見ると、涼兄からメールが届いていた。
送信者:涼兄
件名:新しい試作ゲーム
今度新しいゲームを作ることになった。試運転を頼む。
ちなみに格ゲーだ。
・・・なんか、余計に疲れそうだな。
〜日本国某所〜
ここは日本のどこかにある洋風の城。玉座に座った、何者かが、部下からの報告を聞いている。
「・・・なに? 幹部の奴が倒された?」
「はっ! 左様で御座います」
「誰に倒された?」
「白牙の孫であり、蒼牙の息子である、零牙率いる、使い手の集団と、霧の二代目、そして木戸です」
「奴の息子、霧の二代目・・・そしてあの木戸・・・。しばらく様子を見よ。隙を見て、奴らの身近な者を捕まえ、人質に・・・それで奴らは言う事を聞かざるえんだろう。それまでは様子見だ」
「分かりました・・・デモン・グレイズ様」
「もう少しだ! 零牙達を倒せば、この地球を我等悪霊の物になる!! フハハハハハハ!!」
その笑い声はその城中に響き渡った・・・。
次回、[派遣部の日常編【後編】 会長捕獲計画]
次回はついにあの『サクコー』こと、『桜ヶ丘高校生徒会役員』とのコラボです! 内容は・・・サブタイの示すとおりです。では、次回をお楽しみに〜。
・・・最近、コラボ多いなぁ。