プロロ〜グ。その4
今回はいつもより話が結構長いと思います。
中々短くまとめられなかったもので・・・・
ん?公園の前に誰かいるな・・・
「よぉ!零牙達も来たのか!」
どうやら炎人達も来てたみたいだ。
「あぁ・・・悪霊の気配を察知してな・・・」
「そうか。それにしても大丈夫か?スッゲー息切れしてっけど。」
「ええ・・・大・・・丈夫・・・」
「・・・少し休んでからの方がいいようだな・・・」
〜数分後〜
「もう、大丈夫だ。」
「そうか。」
「しかし・・・どう言う事だ?昼間だってのに公園に誰もいねぇじゃねーか。」
「俺が来た時には既に誰もいなかったのだが・・・」
一番最初に来たのは狼牙か〜。いつも行動が早いんだよな〜。
・・・って感心してる場合じゃないな。
「原因はどうやらあの二人のようだぜ。」
炎人がそう言って、公園を指差した。
怪しげな男が二人いる。片方は痩せ細っており、もう片方はかなり図体がデカイ。・・・あれ?
「おかしいな・・・俺が察知したのは一人の筈なんだが・・・」
「どうやらあの二人は極めて珍しい波長が同調した悪霊のようね。」
「えぇ!そんなのいるのぉ?」
なるほど・・・明の言ってる事は当たってるようだな・・・
しかし・・・それで驚く未来は、今まで聞いた事が無いみたいだな。見た事無くても、聞いたことぐらいはあると思うんだが・・・
まぁ、今は気にしなくもいいか。
「さて・・・どうするんだ?」
「こうゆうのを考えるのは狼牙の方が得意だと思うぞ。」
「で、どうすんのぉ?狼牙。」
狼牙は少し考えてから、こう言った。
「そうだな、まずは栄光が呪縛術を相手に放ち、明の空間術で一気に戦闘に持ち込む。・・・こんな所でどうだ?」
「よし、それでいこう。頼むぞ、未来、明。」
「わかったぁ♪」
「分かった・・・」
「んじゃ、カウント頼むぞ、零牙。」
「りょ〜かい。」
俺達は公園の入り口に立った。
「いくぞ・・・3、2、1、GO!」
俺がそう叫ぶと明と未来を先頭に俺達は悪霊に近づいた。
「いっくよぉ♪呪縛術発動!」
男達の足元に魔法陣が現れ、男達の動きを封じた。
「くっ、くそ!何だ!体が動かんぞ!」
「使い手にもう気付かれたか!」
「へへっ!その通りだぜ。お二人さん!」
「うし!頼むぜ、明!」
「分かってる!空間術発動!」
足元に魔法陣が現れ、俺達を包みこんでいく。
〜戦闘空間内〜
「そろそろ呪縛が解けそう・・・早いとこ準備して!」
未来のそう言ったと同時に皆が戦闘準備を始める。
「ヨッシャ!来い、【龍炎刀】!」
炎人が叫ぶと、炎人の手に日本刀のような形をした光が現れ、数秒後には刀になっていた。
「来て!【光瞬】!」
未来の手には弓が現れ、未来は数十本の矢を背負っていた。
「我が封じられし力よ・・・今、開放する!はぁぁぁぁぁ!!」
狼牙はそう叫ぶと、狼牙の髪の色が眩い金色に染まっていく・・・
「【金の手甲】・・・発動!」
狼牙の手にはめられていた、【金の手甲】が黄金の稲妻を放つ。その稲妻を狼牙が纏う。
「よし、俺も・・・頼む、明。」
明は頷くと俺の背中に右手を着け、俺の力を解放する・・・
「開放!」
明がそう言うと、俺の背中に刻まれし魔法陣が光る・・・そして俺の髪は銀色に染まる。
「【銀の手甲】、発動!」
そう叫ぶと銀色の稲妻が、俺を纏う。
それと同時に呪縛術が解ける。
「がぁぁぁ!使い手がぁぁぁ!調子に乗ってんじゃねーぞ!」
「はぁぁぁ!我らの力を見せてやるぅぅぅ!」
男達は、そう叫ぶと本来の姿をみせる。
痩せ細った方はコウモリのような姿になり、デカイ方は牛のような姿になる。
「中位が二匹・・・こりゃきついな・・・だが、」
「だが、俺達なら大丈夫・・・だろ?零牙。」
「分かってんじゃね〜か!炎人!」
「なにゴチャゴチャ喋ってんだぁぁぁぁ!」
牛の方が突進してきた。
「皆、散れぇぇぇぇ!」
炎人が叫び皆は突進を避ける。
「どうする!?零牙!」
「炎人と未来はコウモリの方を頼む!俺と明と狼牙は牛の方を相手する!」
「分かった!」
「行くぞ!狼牙、明!」
〜炎人&未来(炎人視点)〜
「うぉっ!あぶねっ!」
「ふはははは!我に当てる事もできない愚かな使い手どもめ!」
「炎人ぉ〜、当たらないよぉ〜!」
「未来!無理に胴体を狙うな!翼を狙え!」
くっそー!あいつ、飛びまくりやがって!引きずり落としてぶった切ってやる!
うぉ!また空から襲い掛かって来やがった!
「うわっ!」
「よ〜し・・・」
ズシャ!
「やったぁ!当たったぁ〜!
「よくやった!未来!あとは任せろ!」
「ふん!私が空中戦だけだと思うなよ!」
なんだ!?アイツの爪、伸びやがった!
ガキィン!ガキィン!
「はぁっ!はぁっ!」
「くっ!」
威力もそこそこあるな・・・まさか押されてるとはな・・・一気に蹴りをつける!
ガキィン!
「くっ!弾かれただと!」
俺は攻撃を弾き、後ろに下がる。
「行くぞ!奥義、【炎龍激烈斬】!」
【龍炎刀】は炎を纏い、俺はその炎を敵に放つ。
「ぬぉぉぉぉ!」
コウモリは爪で炎を受け止めるが・・・
バキッ!
「何!我の爪が割れ・・・ぐぁっ!」
爪が折れ、コウモリの体を切り裂く。
「ぬぁぁぁぁぁ!」
コウモリの体は光となって消え、魂が残る。
俺は魂を掴み、零牙達の方向を見る。
「どうやらあっちも終わったみたいだな・・・」
〜時間は戻り、戦闘開始時:零牙&明&狼牙(零牙視点)〜
「ぶるぁぁぁ!ちょこまかしてんじゃねぇよ!」
ズドドドドド!
うぉ!また突進してきやがった!
「うわっ!」
「・・・くっ!」
「きゃっ!」
遠くまで行っちまった・・・
「おい・・・零牙、避けてばかりじゃ切りが無いぞ・・・」
「分かってらぁ。明、次にアイツが突進してきたら何か魔術をぶつけて、失速させてくれ。」
「分かったわ・・・それでどうすんの?」
「俺と狼牙でアイツを止める。狼牙、いいな?」
「・・・了解した。」
アイツがまた突進してきやがった!
「いくぞ!狼牙、明!」
「ええ!」
「了解・・・」
「封じられし悪霊よ、我が声に応えよ!・・・波動弾!」
明は【封印書】を開き、魔術を使った。
「こんな物で俺様を止められるとでも思ってんのかぁ!」
「いや!お前を止めるのは俺達だ!」
俺と狼牙は牛野郎を止めようとする・・・
だが徐々に押されている!
ズズズズ・・・・・
「くそ!俺達二人でも押されてるってのか!!」
「コイツが俺達より力があるのは事実だ・・・」
コイツ!力と書いてパワーと読んだよ!なんなの!?コイツ!
っとそんな事をシャウトしてる場合じゃなかったな・・・・・・
ズズズズ・・・・・
「ふはははは!そろそろ限界かぁ!?」
「くそ!明!何か無いのか!?」
「今、探してるわよ!・・・あった!悪霊よ!我が仲間に力を与えよ!」
おっしゃぁ!力がみなぎってくる!
「よし!これならいけるぞ!」
「ぐぉ!?なんだコイツ等!急に力が上がった!?」
「狼牙!コイツをぶっ飛ばしてくれ!あとは俺に任せろ!」
「御意!はぁぁぁぁ!」
狼牙がアッパーを喰らわすと、牛野郎は宙に舞った。
この距離ならいける!
俺は牛野郎と同じ高さまで飛び、蹴りの構えをした。
「これで、終わりだぁ!【稲妻流星落し】!」
俺はそう叫ぶと牛野郎を思いっきり蹴飛ばし、地面に叩きつけた。
ズドォォォン!
煙が上がり敵の姿が見えない・・・
「やったのか・・・?」
「いや・・・分からないわ・・・」
煙が散り散りになりはじめた・・・魂だけが残っている・・・
「どうやら勝ったみたいだな・・・よくやった、零牙。」
「はは・・・どうって事ないさ。」
「調子に乗るな!」
ゲシ!
明に腹を蹴られた・・・イテェ・・・
「お〜い!終わったか〜!?」
どうやらあっちも終わったみたいだな・・・
「あぁ!」
「そうか、じゃ早いとこ封印してくれ。」
「あぁ。明。」
「分かってる。」
〜数分後〜
俺達は封印を済ませ、元の世界に戻ってきた。
数分後って言っても戦闘空間内での時間だがな。
もちろん俺と狼牙は元の姿に戻り炎人と未来は武器をしまっている。
「んじゃ、これで解散だな。」
「・・・そうするか。まだやる事が残っているのでな。これで帰らせてもらう。」
「ああ、じゃあな。」
狼牙は一足先に帰り、俺達は公園の出入り口に立っている。
「じゃ、また明日合おうぜ。」
「ああ、炎人。じゃあな。」
俺達もそれぞれの帰路に付いた。
「ふぅ・・・これからどうすんだ?」
「友達と約束があるから出かける・・・」
「そうか。晩飯も家で食うんだろ?」
「ええ・・・」
俺達は家の前で別れ、俺は家で進めかけのゲームをすることにした。
その5に続く。
次回からはいつも通りの長さになると思います。多分・・・
次回でプロローグが終わります。