第二十四話[GW編 記憶喪失!?始まりは暗黒物質から?その1]
はい、今回でGW編は終了・・・といきたいところですが、一話に収まりきりませんでした!!というわけで、その一をどうぞ。
「なぁ・・・たまにはお前が飯を作ったらどうだ?」
俺はソファでくつろいでいる―――俺の家なのに―――明に言った。
「何よ、急に」
「いやなぁ・・・いつも俺が飯を作ってるから、感謝の気持ちを込めて、俺の為に飯を作れって言ってんだよ」
「何、その上から目線」
「明は誰のおかげで飯を食えてるんだろうなぁ・・・?」
「うっ・・・」
俺は『誰のおかげで』の部分を強調して言った。
どうやら痛い所を突いたようだ。
「なぁ?明?」
「わ、分かったわよ!!」
明は顔を真っ赤にしながらキッチンに向かって行った。
「ねぇ!零牙!!」
「何だ〜?」
「冷蔵庫の中にある物を勝手に使っていいのよね?」
「いいけどな、冷凍食品や作り置きしたやつは使うなよ?」
「使わないわよ!!」
さて・・・どんな料理ができるのやら・・・
〜数十分後〜
「できたわよ〜」
ん?もう出来たのか?
「はい、どうぞ」
そういって明が皿に入れて持って来たのは・・・真っ黒の物体だった。
「なぁ・・・この物体X・・・いや、暗黒物質は何だ?」
「何よ、失礼ね。ハンバーグに決まってるでしょ」
「は、ハンバーグねぇ・・・」
自分が好きな物作って持ってきたんだろうが・・・絶対に作り方、知らなかったんだな。
「ねぇ、早く食べてよ」
「食べるのか?」
「勿論!」
そんな自信満々の顔で言われたら断りきれねぇ!!どうする!?俺!!
出ろ!選択肢!!
1:勇気を振り絞って食う!!
2:ゴメン、ヤッパ無理
3:まずは明に食わせてみる
4:小宇宙を燃やせ!!
え?出た!?ちなみに4番は速攻でカタカナに変換されました。
って!4番は何か場違いじゃね!?
・・・まぁ、ここは・・・
「どうしたの?ボーっとして」
「あ、いや、何でも無い。それじゃ・・・頂きます・・・」
「ど〜ぞ」
食う気にもならんのだが・・・
俺は、ハンバーグという名の暗黒物質―――またの名を物体X―――を箸で一口サイズに分け、口に運んだ。
パクッ・・・
「うぐ・・・これは・・・」
「どう?美味しい?」
「く、口の中が・・・ブラックホールや〜・・・(意味不明」
「え・・・?」
暗黒物質だけに・・・。あ・・・やべ・・・意識が・・・
俺は、朦朧とした意識の中、床に倒れていくのが見えた。
〜明視点〜
バタッ!!
急に零牙が倒れた。
「え・・・?零牙!?」
零牙は返事をしてくれない。
「零牙!零牙!!」
私は零牙の方を掴んでガクガクと揺さぶる。
それでも零牙は目を覚まさない。
「どうしよう・・・とりあえずソファに・・・」
私は零牙を引っ張って、ソファに寝せた。
・・・・何で倒れたんだろう・・・。まさかとは思うけど、私の料理のせいかな?
「ん・・・・・ここは・・・」
零牙が目を覚ました。
良かった・・・
「零牙、大丈夫!?」
「あ・・・?あんた、誰?」
はは〜ん、私をからかってるのね。その手には乗らないわよ。
「ふざけるのもいい加減にしなさいよ。ほら、早くお昼ご飯作ってよ」
「何言ってんだ?つか、ここはどこだよ。・・・てか、俺は誰?」
「はぁ・・・あんたねぇ・・・」
私は馬鹿馬鹿しいと思いながら、【読心術】――魔術による力――を使って、零牙の頭の【記憶】を見た。
「え・・・!?」
零牙の言っていた事は正しかった。零牙は本当に記憶を失っているのだった。
「そんな・・・どうしよう」
私は軽く、パニック状態になった。
「なぁ・・・あんた、俺の事、知ってんの?」
零牙に声をかけられ、我に返った。
「えぇ・・・知ってるわよ。あなたの名前は零牙。甲斬零牙」
「甲斬・・・・零牙?」
「そう。で、ここはあなたの家」
「俺の・・・家?」
私は頷く。本当に記憶喪失なんだわ・・・
「で・・・あんたは?」
「私?私は奏咲明。あなたの幼馴染みよ」
「俺の幼馴染みねぇ・・・」
・・・とりあえず、みんなを呼んだ方がいいわよね。
〜数十分後〜
「・・・本当に記憶喪失なんだな?」
「えぇ・・・【読心術】でちゃんと調べたわ」
「それは困った事になったな」
みんなを呼んで、一応零牙の家のリビングにいる。
「えっと・・・あんた達は?」
「とりあえず、名乗っとくか。俺は竜崎炎人。お前の親友ってとこかな?」
「・・・俺は甲斬狼牙。お前の従兄弟だ」
「私は栄光未来。炎人の彼女でぇ、明の親友だよぉ」
「僕は銃雷千。えと・・・同じ部活仲間ってとこかなぁ?」
「私は銃雷千里。そこにいる、千の双子の姉です」
「私は采蘭由美。千里の親友・・・同じ部活仲間の関係・・・」
「えと、一応覚えた・・・と思う」
零牙は困ったような顔をして、一人一人の顔を見ている。多分、顔と名前を一致させているんだと思う。
そんな時。
ビー!ビー!ビー!ビー!
という、機械音が響いた。
「う、うわっ!な、何だ!?」
「悪霊出現!悪霊出現!各位、中位!!」
「・・・行くぞ!」
もう!タイミング悪い!零牙がこんな時だってのに!!
「どうする?零牙一応、連れて行く?」
「そうした方がいい!戦ってるのを見れば、何か思い出すかもしれん!!」
「そうね」
私達は急いで零牙の家を出た。鍵は零牙が締め方が分からなかったみたいだから、私が締めておいた。
零牙の記憶が戻るといいんだけど・・・
その2に続く。
はい、今回は初の明視点でしたね〜。どうでしたか?
その2では、あの、謎だらけの(読者側からはそこまで謎じゃない)あの男が再び登場!?
こんな場所で次回予告してる俺って一体・・・
ではでは、次回もお楽しみに〜