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コミュ障ちゃんとワイルド王子

初めて書きました!

変な文章だと思いますが、読んで頂けると嬉しいです!


【 ただのクラスメイト 】が、ある日急に【 気になる人 】になることって、きっと誰にでもあると思う。


そのきっかけって、普通の人なら“ 話していて楽しかった ”とか、“ あの時助けてくれたから ”とか、そんな事なんだろう。


でも、私のような【 コミュ障 】と呼ばれる人間にとって、きっかけなんて目が合うだけで充分なんだ。


1話 君と目が合ったから


高校1年生の6月って、少し中だるみしてくる時期だと思う。

4月は緊張で毎日授業を一言一句逃さずに聞いていて、5月は新しく出来た友達との関係を維持するのに必死になっている。

そう考えると、ある程度安定してきた6月は、やっぱり中だるみしてくる時期なんだろう。


6月14日の3時間、私 - 佐倉 瞳 - は、呪文のような古典の授業を聞き流して、そんなことを考えていた。


自分で言うのも何だが、私はいたって真面目な生徒で、授業だっていつもきちんと聞いているつもりだ。


でも、古典の授業だけは例外だ。真面目に聞こうとしても、どうしても眠気に負けてしまう。眠ってしまうくらいなら、何か考え事でもして起きている方が良いだろうと思って、私はこんなどうでも良い事を考えているのだ。


「えー、ここは四段活用のラ行なのでラ行四段活用で...」

私は黒板を見るふりをして、少し教室の中を見渡してみる。1番後ろの席は、教室の様子を伺うには絶好の場所だ。


斜め前の席では、この2ヶ月間で唯一仲良くなれた

白石 梓が豪快に寝ている。

というか、梓に限らず、クラスの大半が机に突っ伏すという豪快なスタイルで眠っている。

( こんなんで大丈夫なのか...?先生も、少しくらい注意すればいいのに...)

そう思いながら、廊下側の席に視線を移した時、ばっちりと目が合ってしまったのだ。クラスのワイルド王子様、城崎君と。


ワイルド王子様というのは、私が勝手につけたあだ名だか、城崎君にはピッタリのあだ名だと思う。

本物の王子様のような容姿とスタイル。そして、女の子の扱いに慣れているのがはたから見ても分かるくらいのコミュニケーション能力。年上の超美人な彼女がいるという噂もあり、女の子を弄んでいそうな雰囲気が漂ってくる。だから、ワイルド王子様なのだ。


そのワイルド王子様が、私の方をじっと見つめている。というより、私の目をじっと見つめている。

(え、え、これはどういうこと...!?)


驚くのも当然だ。だって私は、城崎君と会話すらしたことがないのだ。私は所謂【 コミュ障 】と呼ばれる人間で、今までの人生、男の人とまともに話した事がほとんどない。もちろん、男の人からじっと見つめられたことも。


そんなこと考えている間も、城崎君はじっと私を見つめている。あまりの動揺に開いていた古典の教科書を落としてしまったとき、


城崎君は、ふっと笑って、私から視線を外した。


その瞬間、頭が沸騰するくらいの強い衝撃に襲われた。

この感覚を私は知っていたし、その名前だって私は知っている。でも、まさかこんな事で、こんなタイミングで訪れるはずがない。

私はもう1度、さっきの城崎君を思い浮かべる。あの笑顔を思い浮かべる。すると、さっきと同じように、また頭が沸騰する。

ああ、もう間違いない。私はノートの端っこに小さく【 恋 】と書いて、慌てて消した。

そして、廊下側の城崎君の席を、もう1度盗み見た。

読んで頂き、本当にありがとうございました!

感想、指摘等お待ちしています。

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