4話
最後になんとか滑り込みで更新!
今年もお世話になりました。
来年も星花女子プロジェクト作品中心に執筆頑張りますのでよろしくお願いします!
良いお年を!
「ちょおおおおっとまったーーー!!」
勢いよく開いたドアに、はじめはギョっとしてる。
「いつから聞いてたの?」
私よりも少し背が低い彼女に、声を落として聞く。どうせ盗み聞きでしょう。
「この子の自己紹介あたり」
「……盗み聞きやめた方がいいわ」
藤田由菜。私のルームメイト。
「人聞き悪いわね! そんなんじゃないわよ! あたしの部屋でもあるし、はじめちゃんを守るために言ったの!」
ギャンギャン吠える彼女に、のんびり過ごす時間がまた減ったことにげんなりする。いつもつっかかってくるわけではないけど、いちいち声が大きいしよく勘違いするし。
「わ、わたし?」
素早く由菜が背中にはじめを庇ってドアに促す。まあ、こっちとしてはもうお話は終わったわけで。特に止める理由もないけど。
「そう! あなた早く逃げて! 1度たべられたら二度と戻れないわよ! あの虫を逃がさないとだっけ? ほら、あたしがやっとくから大丈夫よ。あんたもまぁた女の子連れ込んで何してんの! それに一緒に寝ようだなんて! こんな純粋そうな子に何言ってんだか!」
部屋の窓を開け、彼女の手によって可愛いバッタは逃げてしまった。……何してくれんの。
たべられるなんて、なんのことよ。
「お昼寝にさそっただけじゃない」
「あんたの場合寝るだけじゃ済まないでしょ」
「望まれてもないのに襲ったりしない」
「嘘つかないでよこの女たらし!!」
「えっと、こちらの方は…」
「私の幼馴染」「あたしの腐れ縁よ!」
もっとヒートアップしていく事を分かっていても、相手が幼馴染だと強く言い返してしまう。
「あたしだっているのに隣で歩美とイチャイチャされてたまったもんじゃなかったわ! 振られてやっと落ち着いたと思ったら涙目の舞子にすれ違うわ下級生をたべようとしてるわ! ちょっとは大人しくしろっての!」
「だから、由菜のこともちゃんと誘ったじゃない。3人でしようって。あの子の相手は面倒なの」
ルームメイトというのもあるけど、2人共幼馴染なのだから別におかしなことではないと思う。
「有り得ないから!! はじめちゃん、本当に気をつけて。こんなやつと寝ちゃったら他の人と上手くやれなくなるのよ!」
「あの、さっきからなんの話……」
ほら。急に話を振るからはじめはついていけないじゃない。
「セックス」「夜の運動よ!」
「全くあんたは恥じらいってもんがないわけ? それにねぇ、あたしはあんたのせいで何人と別れることになったと思ってるのよ!」
由菜は大人しくしてれば可愛いんだから。恋人はすぐ出来るんだけど、あまり長続きしないらしい。
「数なんて知らない」
「聞いてよはじめちゃん、あたし菜々花じゃないとイけない体にされちゃって大変なの!」
そんなの私のせいじゃないわ。
「相手が下手なのよ」
「あんたが異常なの! まあ、体の相性だけの問題ではないんだけど……はぁ」
「落ち着いた? もう。はじめ置いてけぼりじゃない。その話は2人になってからでもいいでしょ」
「う……そうね。ごめんねはじめちゃん」
あれ?
「はじめ?」
「…………」
メモ:はじめは随分初心なのね