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1話

 暑い夏。夏休み。なんていい響き。


 蝉の大合唱も、夏の音の一部としてなくてはならないもの。ずっと聞いていられる。


 夏といえば虫とり。休みの日でも私は、4時には起きて仕度を始める。仕度って言っても、顔を洗って着替えて、日焼け止めを塗って道具を持つくらいだけど。


「今日はこれにしよ」


 シンプルな黄色いワンピースを着て完了。無難なものを選ぶことで、ファッションセンスはそこそこに見えると思う。一応、気にしてないわけじゃないのよね。洗えば良いわけで、この後汚れることなんて気にしていない。


 30分ほどで準備が出来ると、お気に入りの麦わら帽子を被って真っ暗な部屋をあとにする。今日も夜明け前の薄暗い中を歩いて、まずはニアマートへ。迷わず梅おにぎりを二つと500mlの麦茶を手に取りレジに向かう。特にこだわりがあるわけじゃないけど、なんとなく今日は梅の気分。


 コンビニ袋を提げて外へ出る。少しずつ空が明るくなっていて、それでもまだ風があって涼しい。一時間くらい遊んだら帰ろう。今年の夏は7時台でももう暑くて嫌になる。外が好きとはいえこの暑さにはとてもじゃないけど勝てない。

来月になったら家に帰ってママたちと山や海に遊びにいけるし、早く涼しいところに行きたい。


 この夏休みの予定を頭に浮かべてワクワクしていると、公園に着く。さほど大きな公園でも無いけど、虫なんていくらでもいるし。


 手始めに素手でバッタを捕まえる。

 ゆっくり虫かごに入れて、観察する。

 じー………………はっ。


「時間」


 暑くなる前に帰りたいから、この子はあとでじっくり観察しよう。

 次は。木の上。なんかいる。

 網、届くかな。

 植え込みの、ほんの少し段差になったところを利用して背伸びする。


「んー……も、すこし…………あっ」


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