第一話 黒髪の男
見切り発車っ
俺は暗闇の中で目がさめる。意識はあるのだがそこが何処なのか分からない。一筋の光が目の前に浮かび上がり女性が現れた。
「こんにちわ、転生者さん。貴方は久木龍弥さんでよろしかったでしょうか?」
「…えっと、そうですが…。貴女は?」
「私は女神イリス。イシュタールという世界で女神をさせていただいてる者です。」
突然出てきた女神イリスに驚き、呆然としている俺に彼女は言う。
「貴方はイシュタールに今から転生してもらいます。貴方にとっては異世界になるので最初は大変と思いますが、頑張って下さいね。」
「いや、あの…僕は元の世界、日本には戻れないの?」
「はい、龍弥さんは大地震により死亡が確認されております。」
衝撃の事実をサラッと言う女神。
「そうですか…。」
「異世界では色々な困難があると思いますので、龍弥さんには天啓を一つ授けましょう。」
天啓。って何?
「天啓とは生まれた時に一握りの者しか持っていない才能のようなものです。腕力が極端に強かったり、遠方まで見える視力だったり、様々な特徴があります。龍弥さんには風の加護を授けます。」
「風の加護とは?どういったもの?」
「風の加護は全ての早さ、移動だったり戦闘でのスピードをあげてくれる加護です。」
ほうほう、なかなか良さげな天啓だな。
「それと零式と呼ばれる刀を与えます。向こうに着いたら身を守る為にお使い下さい。」
女神の目の前に淡い光が浮かび上がり一対の刀が現れる。彼女はそれを僕に渡し微笑んでからこう言った。
「では、いってらっしゃいませ。良き異世界ライフを」
俺の意識は飛んだ。
後で色々修正します。