三話【いざ街へ】
今回は主に説明回、主にというかもう超説明回!
この世界での魔法や魔物、冒険者についてウィリルたち3人が説明してくれる回です。
ちなみに、基本的に街に向かう道中で白がウィリルたち3人に話を聞くって流れなので、説明回なんかつまんねーし興味ねーよ!って方は飛ばしても特に問題はないです。
基本的に会話文ばっかで戦闘とかは特になくほぼ全編説明でお送りします。
さあみんなも白くんと一緒に学ぼう!←
ウィリルたちがやって来たというトータスの街へはそれなりの距離があり、自然と移動時間は白からウィリルたちへの質問タイムとなっていた。
特に白が気になったのは自分が全く知らない魔法、魔物、冒険者の三つだった。
白の世界にはそれらの存在が実在しなかったのでそもそも知っているわけはない。
ないのだが、ウィリルたちは当然として白も記憶喪失で忘れたと思っているので、とても自然にウィリルたちから聞いていた。
まず白が最初に聞いたのは魔法についてだ。
「魔法っていうのはね、詠唱魔法と刻印魔法と記述魔法の三種類があるんだけど、最も一般的な詠唱魔法に限って説明すると、体内にある魔力を呪文によって引き出して、なんらかの現象として引き起こす事のことを言うんだよ、例えばこんな風にね」
そう言うとウィリルは歩きながら右手を誰もいない平原へと向ける。
「我が身に眠る魔力よ、火球となりて敵を撃ち抜け《ファイアーボール》」
ウィリルがそう唱えた直後、ウィリルの手から火の玉が飛び出し、しばらく空中を進んで霧散した。
「わっ!すごい、火の玉がでた!」
「これが火属性の初級魔法の一つ、ファイアーボールね」
ウィリルは、ファイアーボールの魔法を見て興奮している白を見て微笑むと、頭を優しく撫でる。
「僕も練習すればウィリルさんみたいに魔法が使えるのかな!?」
「んー、魔法適性、まあ体内魔力量のことだけど、それが一定以上あれば得意属性の魔法は練習すれば使えるようになると思うよ」
「得意属性?」
また増えた聞きなれぬ単語に白は首をかしげる。
白の小柄な身長と女の子のような顔つきがあいまってその仕草は小動物のような可愛らしさがあり、そういうのも女の子に間違われる要因ではないかと思うのだが、白はそのことを全く自覚していない。
「そ、人間...に限らず生き物には大抵得意な属性と苦手な属性があって、魔法とかは得意な属性だと発動しやすいんだけど苦手な属性は全く発動できなかったりするのよ」
「なるほど...でも、その得意属性とかって簡単に調べられるんですか?」
「ええ、まあ私たちがどこでも簡単に調べられるようなものではないけど、目的地の一つである冒険者ギルドとかは属性相性を診断する魔道具があって、それで調べられるはずよ」
「じゃあギルドにいけば僕も自分の属性が分かるんだ!楽しみだな~」
まるで本当に初めて魔法の存在を知ったかのようにはしゃぐ白を(実際に初めて知ったわけだが)ウィリルたち三人は微笑ましいものを見るかのような顔で見ている。
だが、幸いにも?白はそのことに気づくことはなく、しばらく自分の属性相性に思いを馳せていた。
それからしばらくして、気が落ち着いた白が続いて聞いたのは魔物についてだ。
「魔物って実際普通の動物とかと何が違うの?」
「そうだな...凄いザックリと説明すると、魔物と普通の動物の違いは魔力の有無だ」
「魔力の有無?」
「ああ、普通の動物は自分の体内に魔力を保有することが出来ない。だが、魔物はその量の多い少ないはあれど、全て体内に魔力を保有している、それが魔物と普通の動物の基本的な区別だな」
「じゃあ別に人間に害があるかどうかとかじゃないんだね」
「ああ、まあ普通の動物の中にも人間に害を与えるのもいるし、逆に魔物の中でも人間に友好的なのもいるしな」
それからしばらくガンツと白は今までガンツたちが戦った色々な魔物についての話をしていた。
そして、もうだいぶ街が近くなってきたという頃、白は冒険者についてを聞いていた。
「冒険者っていうのは、各地の街にある冒険者ギルドに登録して、冒険者として認められた人のことを言う。基本的にどこか1箇所で登録したらどこに行っても冒険者として証明できる」
「なるほどね、じゃあ、冒険者になるとどんな利点があるの?」
「一番大きな利点は身分証明、基本的に街に入る時は自分の身分を証明できるものか、保証金が必要になる。でも冒険者なら冒険者ギルドから発行される冒険者カードがあれば、それでどこでも身分を証明することが出来る。それから、冒険者ギルドで依頼を受けることができるようになる」
「依頼?...って、なに?」
「依頼というのは、国や街、村、それから個人などから依頼された仕事のこと。受けたい依頼の依頼書をもって受付で受注登録をして、その仕事を達成すると報酬としてお金とかが貰える」
「その依頼って、冒険者なら誰でも好きな依頼を受けられるの?」
「ううん、冒険者と依頼にはそれぞれS~Fまでのランクがあって、冒険者ランクと仕事のランクの差が、上には一つ、下は二つまでのものしか受注することはできない。ちなみにこの冒険者ランクは依頼を数多く達成していくと上げることができる。けど、仕事の失敗が続いたりすると冒険者ランクを降格されることがある」
それから、ルテラはこれまで受けた依頼の中で特徴的だったものや、依頼を受ける上での注意するべきことを教えてくれた。
そして、そんなこんなで話をしているうちに、四人はトータスの街へと到着した。
いかがだったでしょうか、ガッチガチの説明回でしたね。
ちなみに白君、なんか性格コロコロ変わってね?って思う人がいるかもしれませんが、記憶喪失の影響で性格が不安定になっているのです(という設定で著者の力不足を誤魔化してます)、なので性格が変わってても問題ないのです!ないのです!(強引)