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白の化身の異世界譚─人の道と神の道─  作者: 狐子
第二章【到着、五大国クリネイト】
13/19

一話【初めての一人旅、森を越えて荒野を越えて】

いたら嬉しい読者の方、大変申し訳ない!

思いのほか二章一話の執筆に難航しておりました。


やはり学校が始まると前みたいに時間が取りにくくなるのが難点ですね。


まあそれはさておき、今回から二章に突入です!

それでは、白の次なる冒険をお楽しみあれ!

「ん...にゅ...ふぁ...あああぁ...」

とある森の中の少し開けた場所、そこに張られたテントの中で白は目を覚ます。

白はテントから出てくると、大きく伸びをした。

「さて、今日のうちにこの森を抜けて出来ればオーガのいる荒野も抜けられるといいかな」

白はそう呟くとテントを片付けて移動の準備を始める。

そう、ここはかつて白たちがボロボロのオーガと戦った森、しかもちょうど戦闘があった地点。

白のテントから少し視点を横に向ければそこにはあのオーガへのトドメで出来た小さなクレーターが見える。

当然、この森には弱いとはいえ魔物がそれなりの数生息しており、見張りもなにもなしで野宿する場所としてはあまり適しているとはいえない。

だが、白がこの森で平然と野宿をしてぐっすり眠っていたのは白が余程の自信家なわけでも、常識知らずの阿呆なわけでもない(常識知らずなのは否定出来ないが)。

実は、白が今いる場所には白の魔法による魔物避けの結界が張られており、それゆえに白はこの場で周りを気にせず安全な野宿を出来たのだ。

ちなみに、今は白がトータスの街を出た日の翌朝であり、街を出てからこの森の方へと移動した白はこの森で一夜を明かしていた。

「よし、これでOKかな」

そう白が呟いた時、そこには既に先ほどまでのテントは跡形もなくなっている。

テントの中を片付け、そのままテントは《アイテムボックス》に収納したのだ。

移動の準備を整えた白はその場を後にし、オーガのいる荒野、そしてその先にある(と聞いた)街を目指して移動を始めた。


「おー、ほんとにあちこちにオーガが居るんだ」

移動を始めてからしばらくして、森を抜けた白はオーガの荒野に来ていた。

白が言っているようにこの荒野にはオーガが多数生息している。

それゆえにこの荒野はオーガの荒野と呼ばれており、数多の冒険者を死に追いやった危険な場所でもある。

オーガはかなり好戦的な魔物であり、駆け出し冒険者は言うまでもなく、熟練の冒険者とて時には尽きることなく襲いかかってくるオーガたちに命を落とすこともあるのだ。

ちなみに、この荒野を突っ切っていくルートが距離的には最も近道であり、それゆえに白はこの荒野を抜けるルートを通っている。

しかし、この荒野では休憩をすることすら難しく、最悪の場合は荒野を抜けるまでの間休憩なしで警戒しながら移動をし続けなければならない。

それなりの熟練者のパーティなら交代で休憩を取るという手段もあるが、白は現在一人でありその手は使えない。

また、白が森で使っていた魔物避けの魔法もオーガクラスの魔物にはほとんど効果がなく、白はこの荒野を抜けるまでろくに休めない可能性もある。

そんな白は、

「《白狐化》」

突然その場で《白狐化》を発動する。

そして、《白狐化》により高められた身体能力を全力で使って駆け出す。

そう、白は《白狐化》で身体能力を高めて一気にこの荒野を駆け抜けてしまおうと考えたのだ。

《白狐化》中の白の速度は馬にも匹敵し、とてもではないがオーガが追いつけるような速度ではない。

しかも、体力もそうそう切れることはなく、速度を維持したままかなりの時間走り続けることが出来る。

一日にそう何度も使えない《白狐化》を使うのは少々あれな気もするが、オーガクラスなら《白狐化》を使うまでもなく葬ることが出来るため、ある意味では最善の方法と言えるかもしれない。

《白狐化》を使った白は一気に荒野を駆け抜けていった。


《白狐化》を使って走る白は、荒野を抜けて平原へと来ていた。

「えーっと、荒野を一直線に抜けてきたから多分今いる場所がここで、あそこに見えるのが多分・・・」

白は事前にウィリルたちにもらった簡易的な地図を見て、目的とする街はどっちの方向かを確かめている。

まだ《白狐化》の効果時間は残っているし、今のうちに距離を稼いだ方が楽だろう。

おおまかに自分の位置と進むべき方向を確認した白は、再び全力疾走を始める。

そして、白が平原を走り始めてしばらくした頃、どこからか悲鳴のような声が聞こえてきた。

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