六落
短く濃くしようとした結果、中途半端な感じになりました
とある秋の日の夕暮れ、自分は半ドンで帰り家で撮りためていた深夜番組をもの寂しげに見た後ぼーとしながら靴を履き何と無く公園を散歩し始めた
半ドンの理由は社長が嫌に景気良くて他の人も煽てて半ドンをもぎ取ったわけだが給料が減るわけだから迷惑極まりない
半ドンの理由は思い出せるのに散歩の理由が思い出せないぼーとしすぎて脳みそを過去に置いてきたような気分だ
そもそもなぜこんなにぼーとしてるのだろうか不思議だ不思議な気分
ベンチに座ってカイロを振りながら紅葉拾いをしてる親子を恨めしそうに見つめるも子供には笑われ母親の方はテンプレートな対応で実に味がない
少し場所を移動したくなった
動きながら他にも銀杏拾いをする御老体、ペアルックのマフラーのカップル、道の落ち葉を片付ける学生と心落ち着く気分でしか気づかない、電車の中からは当然見えないが電車の景色の角を曲がり歩けば見えるような世間的な街並みに近所に越して来て漸く気づいた
このまま、カイロが切れるまで噴水の前で座り人でも観察するか
どんどん暗くなるがまだカイロは切れない暖かい
すごい良い香りがするな芋かな何かわからないが冷たい風も柔軟材の匂いのように感じる
噴水の音が聞こえないな寒くなって凍ったのか
口の中が芋の味がするさっきや来てたから誰か食べさせてくれたのか
暗いのに何十人の人がいるように見える
モヤモヤの中にクリスマスツリーが雪だるまが秋なのに幻覚かな
あれカイロが冷たいなさてソロソロ帰るか明日も仕事がなくなるとは限らないしな
体が重い今日はここで寝て朝シャワーでも浴びて出社するか
ああなんで散歩しに来たんだっけクビになったんだけ
だったらずっとこのままでもいいか