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クラスで転移

本当に見切り発車です。

大きな欠伸をしながらとぼとぼ高校への道を歩く。深夜にゲームをしすぎたためものすごく眠い。

というかあんなに周回したのに、金卵ドロップしないボスってどうよ。軽く100周はしたぞ。


「おう、おはよう!」


成績優秀、スポーツ万能、おまけに女子にも人気が高いクラス委員長の矢倉健志(やぐらけんし)がこれでもかという爽やかイケメンスキルを発動させながら話しかけてくる。


「ああ、おはよう。」


そんな、爽やかイケメン君にいつものスタンスを崩さずに挨拶をする。


いつものスタンス。

それはすべてに関わらないことだ。別にボッチではない。どちらかというと空気である。

そう、事なかれ主義である。面倒なことを絶対に回避する。それが重要なのである。


そんなわけで可もなく不可もなく挨拶を返した俺は、またとぼとぼ学校への道を歩く。


学校へ着いたらまず一番にやることがある。教室にカバンを置いたら、即座に昼寝である。

俺は昼寝するために学校に来てるといっても過言ではない。


といっても完全に寝るわけではなく、常に聞き耳を立てながら授業内容を聞く。クラスに話し合いなんかも聞く。こうすることでクラスでの安定した地位を保つことができる。

ちなみに、この技能を獲得するのに中学1年生を丸々使った。


今後の行動が決まった時には、校門についていた。

玄関を通って靴を履き替え、2年B組の教室へ。


教室についたので自分の席に着き、カバンを机の横の引っかけにかけてそのまま就寝。




皆さん、グッドナイト。




~~~~~~~~~~




教室に鐘の音が鳴り響く。ホームルームの時間である。

もちろん俺は寝ているので、ホームルームとか関係がない。

そのまま寝続ける。

ガラリ、と教室の引き戸が開かれて担任がやってくる。


「え、あれ?」


「え、なにどうゆうこと?」


む、何やら教室中が騒がしい。眠い気持ちを我慢して顔を上げ、教卓の方を見る。


…誰だあれ?


教卓には日本人とは思えないきれいな金色の髪をしたお姉さんが一人。

ちなみにいうとうちのクラスの担任はでっぷりと太り、冬でも額に脂汗を浮かしたキモデブである。


「あいつ何もんだ?」


「おっぱいでけー」


「すごい綺麗~」


とか、クラスの連中がざわめき出した。みんながざわざわしていると、教卓にいる金髪のお姉さんが口を開く。


「静粛に。単刀直入に言います。」


クラスの連中は、静かになってしまう。金髪美女が少し間をあけて言う。


「あなたたち、2年B組には今日から異世界に行ってもらいます。」


驚きの言葉が金髪のお姉さんから発せられる。


「え、どゆこと?」


「何言ってんの?」


「馬鹿なの?」


クラスの連中も再びざわめき出す。


「これは、嘘偽りのない真実です。」


「というか、お前は誰なんだよ?」


クラスの一人が言う。

確かに俺もそれは、気になる。


「私は、名もなき者です。神の使徒としてやってきました。」


お、おう。話がつかめん。


「あなたたちは、これから異世界人が行う勇者召喚に巻き込まれてしまいます。それを通知するために神からの使徒としてこの地に舞い降りました。」


「信じられないというのならば、それでもかまいません。私は仕事を終えました。それではさようなら。」


「お、おい!ちょっと待ってくれ。僕はとりあえず君の話を信じる。それで、地球の神は召喚を止められないのか?」


今度は、クラス委員長の健志が聞く。


「はい、無理です。それですから神様はあなた様方のことを哀れに思い、私という使徒を送り付けました。」


「他に質問はないですか?」


みんな理解が追い付かないようでぼーっとしている。


「ないようですね。それでは、あなた様方に幸福があらん事を。さようなら。」


神の使徒とやらは純白の翼を広げて教室の窓から飛び出していった。

バサバサと翼を動かすことによって大空にはばたき、すぐに見えなくなった。


いつ翼が生えた?

いや、そんなことはいい。

今のを見たせいで、異世界に召喚されるのが嘘だといって笑えなくなってきた。

にしても、クラスでの異世界への転移って王道中の王道だよなぁ。


「とりあえずみんな落ち着いて!」


ざわつく雰囲気の教室を健志が少し大きな声を出して抑える。

それにしてもこういう時にリーダーシップが取れる奴が将来すごいやつになるんだろうな。

俺なんか全然できやしない。


「召喚されるなんてまだわからないんだし、きっと大丈夫だよ!」


はい、でた。希望的観測。こういう勇者サイドの人間はいっつもこうやって1%にかけやがる。

もっと可能性が大きいほうにかけようぜ。


それにお前は見ていなかったのか?あの使徒とやらが飛んでいくところを。

きっと健志の目は節穴だ。


「で、でもあの使徒はなんか飛んでいったよ。」


おどおどした様子で、リーダーである健志に話しかける男子生徒。

良く言った。男子生徒A。僕の気持ちを代弁してくれてありがとう。


「まぁ、大丈夫!それに、どうやって召喚をするのさ?」


「できるわけがないだろう。」


うん。そうだね。もう、それでいいよ。健志君。

ところであの使徒はどうやって飛んだかについて小一時間話し合おうか。


「そうだ!教室から出よう!」


「なんでその案を思いつかなかったんだ!黒田さん引き戸を開けてくれ!」


お、いいこと言った。健志君。たしか、その案が一番いい。


すると、引き戸側の黒田さんが大きな声で健志に伝える。


「健志君、引き戸あかないよ」


なんということでしょう。八方塞がりであります。

つんだつんだ。


こうなったら開き直って寝ることにする。


俺が机に突っ伏して寝ようとした瞬間。

教室の地面に魔法陣が描かれる。

ゲームとかでよく見るあれである。


魔法陣が光り輝きその光が教室中に広がった時



俺たちは全員同時に気を失った。




読んでくださりありがとうございます。林朋昌炎です。

前作の更新も遅いのになんか作りたくなってしまった。

後悔もしていないし反省もしていない。

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