表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

月を見上げて

作者: 月波 さくら

※この小説には同性愛表現が多数あるため、苦手な方はご遠慮下さい。

はじめまして、月です。

初の小説投稿のテーマが、同性愛って……


すいません。

気が向いたら読んで頂けたら幸いです。

ちなみに、ピクシブにも、同じのあげてます。

叶わない恋

当然といえば当然だった。

君はオトコ、僕もオトコ。

世間から見れば異端だと言うことなど無論分かってはいた。だからといって気持ちが変わることは無かったが。




君に彼女が出来たと言う友達のメールを見たとき、不思議と涙は出なかった。

何故だろう。

君のことが大好きだったのに。


きっと、心の何処かでわかっていたのだろう。いつかこういう日が来ることを。

僕を骨抜きにした君を他の女の子達が放っておくわけないもんね。


だけど、やっぱり未だ君が好きなんだ。


初詣でも、いつまでも君の隣でなんてこっそり祈ってたんだよ?

流れ星見たときも。

何かあるといつもの君を思い出してた。


いつも君の幸せを祈ってきたはずだった。


だけど、

メールで“おめでとう”なんておどけて言ってみる。


本音は、君をそんな奴に渡したくない。

僕と一緒にいてよ。


友達でもなんでもいいからいつも、いつまでも僕の隣にいてよ。


だけど、そんなこと考えるだけ、期待するだけ、無駄なのも虚しくなるのも分かってる。

だから、


考えて考えて考えて

考えて考えて考えた。そして、決めた。

最初で最後、自分の気持ちに嘘をつこうって。

この気持ちは、墓場まで持っていこうって。

それから、教えてくれた友達に適当な返事を返す。

出来るだけ自然に、何気無いように。


すると、その友達から、君の初彼女を祝って明日、祝勝会をすると、返事が来た。

君たちカップルが来ることも書いてた。


カップル……かぁ。


改めて、声に出すと

声が震える。

心が揺れそうになって考えるのを止めた。


心は…………揺れなかった。


そう、大丈夫。


もち、参加


とメールを返す。


急に虚しさに襲われる。


こういうのを、酔いたい気分と言うのだろうか。


父が最近ハマっている赤ワインをグラスに注ぐ。


口に含む。


ほんのり苦い。


失恋の味、なんて自分で言ってみて笑えてきた。


グラスの中身を一気に飲み干す。






それからベッドに入った。

目を瞑ると、思い出すのは、君との思い出ばっかり。

別の事を考えようとしても、全部君が出てくる。



そうだ、目を瞑らなければいいんだ。


瞼を開いて暗い部屋を見渡す。





暫くして、外が白んできた。


眼鏡が無いので時計は見えないが、恐らく今は5時位くらいだろうか。


中学生のときは、この位の時間に起きて走ってたな。


懐かしい。


そんなことを考えて、寝る前に煽ったワインのせいか、俺はいつの間にか眠りに落ちていた。

その晩、僕は眠れなかった。


久しぶりに、遅く起きた。


君との約束まであと2時間。


少し焦って準備をする。



これから、君の祝勝会に行く。

机の上の君とのツーショットを見て、

君の屈託のない笑顔を見てられなくて倒した。

この際、と保存していた君とのプリクラやメールも消そうと、買ったばかりのスマホをタッチする。



本当に削除しますか?

と言う機械の冷たい問いに少しだけ戸惑う。


だけど、直ぐに迷いを打ち消し、Yes を押す。




全件削除しました。


表示されたメッセージを見て、何かが崩れた気がした。


だけど、そんなことは気づかなかった。この間買ったばかりのお気に入りのコートに携帯を滑り込ませる。




ちゃんと笑えてるかな?


鏡をみる。

鏡の中の僕は…………


泣いていた。


どうしていまになって。

やだなぁ、割りきったはずだったのに。

涙が止まらないや。

こんな顔じゃ、君を祝えないよ。

欠席すると君にメールすると、

そっかぁ、残念

お前居ないとつまんないじゃん

なんて、帰ってくる。

もう、止めてくれよ。

折角、割りきったのに。

もう君を好きにならないって決めたのに。

これ以上俺を惚れさせないでくれよ。


結局、君の所には行けなかった。


君への想いも断ち切れなかった。

弱いなぁ、おれ。


きっともう恋なんかしない。

って、決めてるこの決意もいつかは崩れるのかな。

その日まで、君には……いや、


何でもない。


早くそんな日が来ればいいな。


そんな事を思いながら、僕は窓を明け、真ん丸の月を仰いだ。





お疲れ様でした!


こんな駄文を読んでいただき、感謝感激雨、霰です。



感想や批評等よかったらお聞かせ願いたいです。


本当にありがとうございました!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ほろ苦く切なく、そんな感情が適切に表現されていて、きゅんとする短編でした。短すぎず長すぎず、飽きる事なくさらっと読めました! [一言] 実は大分前に読ませて頂いていたのですが、どういう言葉…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ