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はい。第二話投稿。週間はかかさずかかさず♪

……投稿日金曜だけどさ。

土曜は予定あるんで。……予約の投稿はやめといた。気分です。

 「あ~だりぃ…………」


ストレス発散を綺麗に終えた俺は、今自室にいる。


途中のコンビニで買ってきた二リットルのコカコー○をがぶ飲みしながら、

パソコンの電源をつける。


「さて、今日はPCゲームでも進めるか……」


手元に遠隔操作型のキーボードとマウスを用意し、

そしてコンビニ弁当を温め、コーラを置く。


「さて、と……やりますか」


現在時刻は20時15分09秒。

そしてタイムリミットは明日の05時30分00秒。つまり起きる時間。

しめて誤差を無視して、8時間14分ほど。


それを確認したあと、俺はマウスを動かして、

スタート画面にある『はじめからっ』を、クリックした―――――。





「…………終わった…………」


勿論良い意味で、だ。

画面には、主人公である青年が、ベッドに横たわっている視線で、

その視界には何も着ていないヒロイン達五名がこちらに向かって微笑んでいる。


そして一瞬で画面が暗転し、その中に現れる『じ・えんどっ!』の文字。


これで正統派ヒロイングッドエンド。

義姉グッドエンド。

気丈同級生グッドエンド。

幼馴染グッドエンド。

そして、義妹グッドエンド。

更に最後に、隠しルートであるハーレムエンドを終えて、このゲームはクリアとなった……。


「噂によれば、ヒロインは五人と少ない方だが、

まさかの難易度が超が付く程のモノで、

購入者の九割が一瞬でバッドエンドに陥ったとされるアレを、自分ですら信じられないな。

たった八時間で終わらせられるとは!」


今日は気分が良い。

もう最高潮だ。きっと今日・・の学校では良い事あるだろう。


今現在の時刻、05時01分36秒。

よし。寝るか。




俺は目覚ましをセットし、寝た。



「………………」


ああ、またこれか。


「……何で、何でだよッ!!!」


また、自分の腕の中に収まっている少女―――妹に言う。

しかし、妹からはやはり全く返事が来ない。

だって、あの日の繰り返しなのだから。


もしこれが空想、または小説とかだったら、起きてくれるのかもしれない。

でも、コレは、現実。

紛れも無い、事実だった。


しかし俺は、妹に喋りかける事を止められなかった。

そう。あの時もそうだった。


「なあ……起きてくれよ…………。

また皆で、父さんと母さんと俺と一緒に……また旅行に行こうぜ……。

あ、そういえば、お前、もう直ぐ中学だよな……。

俺からも祝ってやるし、早くくればいいのにな……。

なぁ、まだ、まだやること、いっぱいあるだろ?


なぁ、なぁ……!!

返事を、返事をしてくれ……………………



――――――――アキ――――――――



「お……にいちゃ…………ん?」


「あ、アキ……?」


「おにい、ちゃん……なかないで……いいんだよ?」


「あ…………き………………???」


「お、にいちゃん。ぜったいに、ぜったいに、わたしのことは、わすれ、て、いい、よ……」


「な、何言ってんだよ……今、助けてやるからっ! 絶対に!」


「もう、いいや……。おにいちゃん……アキのぶんまで、しあわせ、に、なって…………」


少しだけ開かれていた瞳は、閉じる。

目を見なくとも、そう。


妹の命は、たった今、消えていた……。






「ッ!! はぁッはぁっ……気分わりい…………」


また、昨日と同じようにキッチンへ行き、水を飲んだ。

目がチカチカする。頭が痛い。


しかし、脳裏に焼きついて離れない、妹―――アキの顔。

アキは……昨日の俺を知ったら、なんて言ってくれるんだろうか?


昨日、ストレス発散を、暴漢から女子を助けるという大義名分で行った。

その時のモブは、顔面強打に内臓破裂。全身の粉砕骨折で、今の科学力でさえ全治二年らしい。

つーか全治するのかが問題だが……まあどうでも良い。


俺が、怠惰な生活を送るために必要なことを、知らせてしまった。

そう。『異能力』だ。

ずっと平穏に暮らしたかったから、俺は異能力を隠してきた。

だが、それも終わりだろう。なぜって? あの時の女子だよ。


多分、アイツが誰かにあの事を話して、

それがそのうち教師陣にも伝わって、めでたく俺は正規兵入りって分けだ。



そうだ。異能力についてと、シフト、そして今の時代の惨状でも説明しよう。


まずは、現在。

現在、2013年。俺がまだ小学生だったころ、2008年の大晦日。

ソレは起こった。


始まりは、ロシア。

ロシア上空に、未確認飛行物体が飛来した。

何処の国とも分からぬソレは、ロシア上空を徘徊していた。ずっとだ。

その頃のロシアはピリピリしていて、警告も無しにその飛行物体にミサイルを撃ったらしい。


だが、何時間経っても、その反応は消える事は無かった。

だけど、ミサイルの反応はとっくに消えてる。


そしてミサイル直撃と思われた日からきっかり一週間経った時! 

……信じられないだろうが、アイツらが現れた。


見た目は人だけど、皮膚は頑丈で、身体能力も人間の数倍をいく化け物。

その、見た目だけ人のソレ達は、ロシアのど真ん中にとどまった。

しかし、それから世界は、変わった。


ソイツ等が出す放射能に似た何かは、ロシアや、果ては日本の北の方。

つまりは北海道まで侵食して、止まった。

世界中の北方を汚染したのだ。


だが、それからが地獄の始まりだった。


その放射能に汚染された人間は、変化を始めた。

それも、とびっきりの、人間としてではなく、奴らと同じ、『化け物』として。

まずは理性が無くなり、そこらの獣と同等の精神になる。

その元・人間は、襲来してきたやつらと同じように進化・変化し、

最後には人間すら襲い始めた。


それはもう、まだ小学生の頃見たニュースに一瞬映った惨劇は、今でも脳裏に焼きつく程凄まじいものだった。

そして、平和の国『日本』も、他の国と変わらず、軍事国家となった。


これが、俺が、いや、俺たちがこの軍事校に入っている理由。

今やもう、中学になってから軍事校に入るのは日常的なのだ。いや、義務と言った方が良いかもしれない。


そして、次に説明する、『異能力』。



俺たちの、いわゆる襲撃世代から、妙な能力を持った子供ができるようになった。

それは、その時生きていた俺たちも過言ではなかった。


その、妙な力を持つ可能性は、統計上100%。

皆が皆、なぜか持ったのだ。

体力の無い子供でも。

もう老いて力のでない老人でも。

両手足を失った青年でも。

皆が皆、何かの『異能力』に恵まれた。世界中、だ。


こんなところで、人間の求める『平等』とやらが発揮されたわけだ。

そして、誰もが予想する通り、その『異能力』は軍に利用される事となった。

勿論、先ほど言った用な一部を除く者だが、それが軍に入り、奴らとの戦いに投入されていった。


発火能力者なら、敵を一瞬でウェルダンにし、

電気操作能力者なら、一瞬で敵の脳神経を焦がし、

念動力者なら、物体を操り敵を潰せる。


他にも、

透視能力者なら、敵の弱点を見抜いたり、場所を特定する。

珍しいが、予知能力者なら、敵の襲撃日まで予測できる。


と、言った感じで、軍部は異能力者であふれかえった。

とは言っても、全員が少なからず異能力者になったので変わりもないが。


軍部は、飛びぬけて使える異能力者達を集め、軍部を二割した。

一つは、『訓練兵』。その名の通り、まだ異能力の使い方、威力が未熟で、戦場に出ることはない。

二つは、『正規兵』。これもまた、その名の通りだ。もう戦場に出ても差し支えない異能力を持つ兵士。


この二つを判断するために新たに設けられたのが、『シフト』なのだが。



次は、『シフト』について。


シフトは、言わば『異能力』のレベルだ。

様々な条件をクリアして、やっと上げられるレベル。

そしてこのシフトによって、訓練兵と正規兵の区別がなされる。


シフトは全部で7、設定されてある。

訓練兵が、シフト1~3まで。

あのモブは、訓練兵の中では確かに天才だったのだ。……訓練兵の中では。

そして正規兵が、シフト4~6。つまりは本当のマジもんの天才達だ。

その数は訓練兵の約三分の一と言われているが、詳細は分からない。


ん? シフト7はどうしたって?

シフト7は、特別すぎる・・・・・んだ。


珍しかったり、極端に持ち主がいなかったり、強すぎたりする異能力者を、総称してシフト7と言う。

普通、16歳以上でシフト7の持ち主は、確実に軍幹部クラスになる。

それほどなのだ。

因みに俺は16歳だ。いわゆる前の高校1年。



これぐらいで……良いか?

俺個人の、しかも訓練兵レベルで知ってる事なんざ、これぐらいだ。



「さて、行きますか」


既に時刻は07時00分00秒。

説明しながらちゃんと朝食は取ったし、準備もしたので自室を出た。


そして学校。

歩いている間なんて何も無いから省いた。


教室に入る。

今日もまた怠惰な学校生活の始まり……とは、ならなかった。


「せええええええつッ!!!!」


「おっと」


昨日、ほっといた腹いせか?

教室に入った瞬間に、赤髪は跳び蹴りを入れてきた。

が、ソレをかわし、頭に俺からの|プレゼント(かかと落とし)を食らわせた。


「何の用だ赤髪」


「だから海賊みたいに呼ばないでッ! ってかアレなんだアレ!」


いつもより格段に早い回復をした赤髪「もうそれいい!」は、

俺の机を指す。

何だ? いつも話しかけもしないクラス連中が俺の机の周りに集まっている。


「はいはい。どいてどいてー!」


その野次馬?達をどかせていった場所に見えたのは……


机の上に置かれた、プリント。

たった一枚の、真っ白な紙。

勿論、文字は書いてある。


「なになに? ……『鳳訓練兵。コレを見たら今すぐ正規兵シフト6・7幹部合同駐留場に来られたし』

…………んじゃこりゃ?」


周りからは、「やばいぜ……」「あのシフト6・7からの呼び出し!?」

などなど、似通った内容の、俺に同情する意見が飛び交う。


やはり昨日のアレはまずかったようだ。

さすがに人前でアノ能力を使ったのがまずかった。これで、主人公くおりていである怠惰な学校生活も、終わり……。



「せつ…………」


そんな中、赤髪は真剣な表情で俺を見る。

……そんな表情で俺を見てくれたヤツって、何年ぶりだろうか。


「何、気にすんな赤髪。これは俺の問題だ。

もしかしたらもう此処では会えないかもしれないが、きっと正規兵に来たらな……」


「どういうことだよ……」


「別に、なんでもない。それより、お前、シフト3だし、もうすぐ4に行きそうなんだろ?

頑張っとけ。それと、お前イケメンなんだからさっさと青春してやがれ。

……じゃあ、な。 ……今まで楽しかったよ」


俺は、最後の言葉を言うつもりもなかったのだが……。

今まで、疎ましく思ってきたが、今思い返せば、俺は知らず知らすのうちに、コイツを友達として見てたのか?

まあ、戯言だな。


「…………おう!! 絶対また会おうぜ! 我が親友ッ!」


「……うぜえよ。…………じゃな」


その時の俺は、今まで言っていた『うぜえ』ではなかった。




「あ~……柄にも無く感動シーン構築しちまったよ。……めんどくせえ……」


俺はさっさと、プリントを持って、正規兵の敷地に向かった。

とは言っても、中々近い場所なのだが。

いつかでるよね赤髪君。

そして普通と違い、感傷に浸った主人公。

良い話だ……『おい。どこがだ? テメエ録音してんなや!!』


げファッ!??


『次回は『start//3』だと思うから』


……思うからって……

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