これってさ、なんの冗談?ドッキリ?
初投稿です。下手な文でもご容赦ください。
あの日も、いつもと変わらない普通の日だった。
小鳥遊紬にとって、ごく普通の、いつもと変わらない帰り道だった。
「ねぇ、聞いてる?明日の数学のテストマジでやばいんだけど」
親友の緑川琴音がげんなりとした顔で隣を歩く私に話しかけてくる。
「うん、私も全然自信ない…」
「どうする?このあと勉強するとか?」
「え、やだ。」
他愛もない会話をしながら、街路樹の隙間から見える夕暮れの空を見上げた。
オレンジ色から藍色へと移り変わる綺麗なグラデーションを見て、小鳥遊紬は「なんかいいな」とぼんやり呟く。
西の空はまだ燃えるような緋色をしていたが、頭上から東にかけては、すでに深い藍色が夜の帳を下ろし始めていた。やはり、日入りが早い。もう冬が近いのかと思わずにはいられなかった。そんな季節を感じさせる光景を見ていると、ふと、視界の端で何かがちらついた。飛行機雲か、あるいは流れ星の残像だろうか。
「ねぇ、紬あれ何?流れ星かな?」
「ん?どれどれ?」
流れ星?それなら願い事をしなくては。そんなことを思ったのも束の間。信じられない光景が目の前に広がっていた。
世界から音が消えたように感じた。
空が、割れた。
それは物理的な音を伴わなかったがゆえに、余計に恐ろしかった。まるで巨大なガラス板にヒビが入るように、音もなく、大空に一本の明確な「線」が引かれたのだ。その線は、左右へと広がり、夕暮れのグラデーションの一部が飲み込まれる。裂け目の向こう側は、この世の光を一切反射しない、深淵なる闇のように見えた。楕円形に広がって裂けて出来た向こう側には、「闇」としか言えない空間が広がっていた。まるで、太陽など無いかのように、そこは光を一切反射していなかった。
「ねえ…あれ…なに?」
琴音の声が震えていた。街ゆく人全員が足を止め空を見あげている。誰もが困惑し、しかしすぐにそれがただの大規模なショーでないことを悟った。
亀裂から直線状の何かが飛び出した。塔だった。それらはあっという間に各地に刺さり、その周辺の地面を黒く変色させていく。私たちが立っている場所の色が黒くなった。茫然としている間にその黒による侵食は止まった。塔の入り口から、到底中に収まるはずのない量の何か、後にヴォイドと言われる存在が溢れ出した。
「ねぇ、琴音。これドッキリだよね?」
「そう…だよ。そうに…決まって…る」
平和な日常は今、崩壊した。
最初に悲鳴が上がった。人々は我先にと逃げ惑い、クラクションの音が鳴り響く。叫び声が瞬く間に一面に広がり、街に恐怖と混乱が波のように押し寄せた。
誰もがただ生き延びることだけを考え、周囲を顧みることなく、互いを押し退け、転んだ人を踏み越えていく。塔から出てきた異形の怪物たちが、鋭い牙と爪を剥き出しにし、逃げ遅れた人々や、無力な車へと襲いかかろうとしていた。
アレは関わってはいけない。私はそう直感し琴音に声を掛け、走り始める
「琴音! 早く!」
紬は、混乱に足がすくみそうになる琴音の手を強く掴み、人波を縫うようにして走り出した。目指すは、この街で一番身近な避難所である自分たちの学校だ。そこなら、人も多いだろう。
「紬!あっちに何かが!」
琴音が引きつった顔で指を指した目の前には、すでに奴らが着地し、無差別に破壊活動を始めていた。
「大丈夫、こっちからなら行ける!」
半ばパニック状態で、二人は裏門へと続く細い道へと駆け込んだ。なんとか校門に辿り着いた時、すでに校舎の中は人で溢れかえっていた。体育館、昇降口、教室。どこもかしこも、恐怖に駆られた近隣住民や生徒たちで埋め尽くされている。校内は、外の喧騒とはまた違う、張り詰めた異様な空気に満ちていた。一部の生徒や教師たちが避難民の誘導を行なっている。どうやら、体育館に人が集められているようだ。
「私たちも手伝いに行こう!」
体育館へ向かおうとした時、校長先生がメガホンを持っていた。
「皆さん、聞いてください。今学校の外にいるアレには近づかないでください。奴らは突如立った塔を中心に直径1kmの範囲から出ていません。ひとまずここは安全です。」
確かにさっきまでいた地面は黒色だったが、ここは色が変わっていない。ここが、安全なことが分かり、張り詰めていた空気が少し和らいだ。
改めて体育館に向かった。荷物を置いて周りを見渡すと、皆が静かにステージを見つめていた。
「皆さん、この学校の生徒会長である一条蓮です。こんな状況です。協力し合って行きましょう。まず、私から一点共有すべきことがあります。それは、私たちにステータスというものが生まれたということです。ステータスオープンと言ってみてください。」
紬「そんなゲームみたいな?」
琴音「やってみよう!」
紬&琴音「ステータスオープン」
目の前に青いスクリーンが表示される。そこにはMP(マナポイント?)、スキル系統とスキルが表示されていた。体育館内に驚きが広がる 。他の人のスクリーンは見えないらしい、私視点だとみんな下を向いているだけだ。
その時、誰かが言った。
「おい!政府が会見を開いているぞ!」
全員自分のスマホに集中した。
「今現在蔓延っている生物はヴォイドという未知の生物です。奴らは人知を超える破壊力を持ちます。出会ったらすぐ逃げてください。そしてヴォイドは塔の周り一kmの地面が黒く変色しているところから出られないと分かりました。しかしその前に、事態の沈静化が必要です。現在、どの塔の入り口からもヴォイドは増えていません。なので、塔周辺にいるヴォイドを倒せば、事態は収まるはずです。一部の人達はスキルと呼ばれるものを得ています。それを用いて対抗できるでしょう。現在の時刻をもって各都道府県の役所を<特異能力者管理局>とします。明日の6時よりスキルの集計を行い…」ブチッ
「あっ」
切れてしまった。どうやら、スキルを集計するらしい。えっと、私のスキルは…
MP55
スキル系統:水魔法
スキル:ウォーターボール(消費MP5)
「琴音、ちょっと水道行こう」
せっかくなのでスキルを使ってみたい。同じ考えの人は多かったようで、たくさんの人が実際に試していた。壁を走っていたり、火を出していたり、多種多様だ。
「私は系統が水で、ウォーターボールって書いてあったけど、琴音は?」
「ウィンドカッターって書いてあるよ。系統は風だった。」
試してみると、野球ボールくらいの水の玉が出た。飲料水としても使用できそうだ。
琴音のウィンドカッターは壁に傷が入っていた。風すごい。これ当たったら痛そう。
試し終わったところで、後ろから私と名前が呼ばれた。両親だった。
「お父さん!お母さん!無事でよかった!」しばらく抱き合っていると、琴音の親もやってきて、再会を喜ぶことができた。
しばらくして、私たちは一緒に体育館に戻った。明日は役所でスキルの集計があるために、早めに休みたかったのだ。配布されたマットを敷いて寝転ぶと、すぐに睡魔に襲われ、私の意識は深い眠りの中へと沈んでいった。
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