1-4 月歌、3歳になりました!
ご報告、一条月歌、3歳になりました!
やっと歩けるようになったんだよ!やったね!
「お嬢様、おはようございます、まあ、起きていらしたのですね。」
「ばあや!当たり前でしょ!今日はわたしの3歳のお誕生日だもん!」
わたしの言う、ばあやとはお世話係の吉川さんのことである。いつも優しくて、わたしのことを本当に大事に思っているのが伝わってくるばあやがわたしは大好きだ。
「ふふ、そうでしたね、お誕生日おめでとうございます」
「ありがとう!ばあや大好き!」
「まあ、それは嬉しいです、私もお嬢様が大好きですよ。それと、わたしではなくわたくしです。言葉遣いに気をつけましょう。」
「はい!ごめんなさい。」
わたし、いや、ううん、いえ、わたくしの家は上流階級の中でも更に格上の家なので、言葉遣いや所作に気をつけなければならないそう。
あ、慣れるように心のなかでもなるべくお嬢様言葉で話してます。
「昨日の夜、奥様がイギリスから帰ってきましたよ。
でも、暁之坊ちゃまはミリタリースクールから許可が降りず、今年もバースデーパーティーの参加はできないそうです。」
「そうなの、それはしょうがないわね。」
今年も会えないらしいです。暁之お兄様とはビデオ通話をしてお話ししています!でも、お兄様が通うミリタリースクールはすごく規則が厳しい学校なので、中学を卒業するまで長期休暇がないそうです。あ、今お兄様は13歳です。なので会えるまであと1年ほどですね!
⚠お兄様が留学している北アメリカでは13〜14歳が日本の中学3年生です。
ばあやに、身支度をしてもらう。
「今日はこのドレスですね?」
「うん、いえ、ええ、ママがデザインしてくれたの!」
わたくしが今日着るドレスはママが手ずからデザインしてくれたのよ!首元からウエストまでは絹製の明るいブルーのサテンでできており、腰にはウエストからたくさんのタックを作って寄せた生地で小さなリボンがある。そして、スカートはホワイトの光沢ある糸で作られた細やかなレースを重ねてふわっとしたプリンセスライン。胸元にももちろんレースの飾り。
靴はレースと同じ色の蝶々の飾りが付いた低いヒール。
本当によく似合っていた。自分でもそう思えるほどに。まあ、元が美幼女だから当たり前よね!
あ、わたくし、美幼女なんです!さすが、悪役令嬢。
ママ譲りの艶々の真っ直ぐな黒髪、これまたママ譲りの少し垂れた綺麗なブルーの瞳、小ぶりながら鼻筋の通った鼻、ピンク色の形の良い唇。そして、完璧な配置のパーツ。
でも、全体的におっとりした優しげな印象で悪役令嬢らしくないのよね。悪役ならば、もっとつり上がった目の強そうな顔であるべきじゃない?
「お嬢様、出来ましたよ。」
「ありがとう!ばあや!」
「どういたしまして、パーティー、楽しんでらしてくださいね。」
「ええ、もちろん!」
今年の誕生日は3歳になって少ししっかりしたということで様々な企業を招いて大規模なパーティーになるらしい。実際、バースデーパーティーという名の社交パーティーね。わたくしのような小さい子供もたくさん来るようなのでお友達を作りたいですわ!
パーティーが、昼からなのは普通はパーティーは夕方から夜にかけてのほうが多いけど、子供も参加するからだそうです。
コホンッお嬢様言葉は慣れてないからなかなか疲れますわね。では行ってきます!