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異世界に行ったら最強になった  作者: 志良内達夫
第八章 魔族三人娘とワイン
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8-7.娘たちの魔力検査

 夜は夕食のあと、いつも会議(雑談)が行われる。

「定盤石や水晶の設置は無事終わった?」

 悠介に聞かれ

「はい。ナルーシャに扱い方も教わったし」

 ソリアは嬉しそうにこたえた。

 ソリアとナルーシャは、前回ナルーシャがワリキュールに来た時、親交を深めて今では呼び捨てで呼び合う仲になっていた。

「で、試しにナルーシャの測定をしたら2でした」

「レベルは上がってないわけだ」

「ラッセルさんにも協力してもらって測定したんですけど、彼は1でした」

「え?」

「力もありそうだけど、あくまで魔力測定だから体力とレベルは違うみたい」

 ナルーシャが説明した。

「ラッセルさんはショックのようでした」

「大抵そうだろうな。魔法色素は?」

「ラッセルさんも無色でした」

「ほんとうに魔法は使えないんだ。度胸はあるけどな。冒険者としては心配だ。運送会社兼鉄道会社の社長になったからいいか」

「私も扱い方を教わるのにナルーシャに測定してもらったけど、レベルは1で、魔法色素は無色でした」

 ソリアが自分の値を言った。

「測定の仕方は教えたから、次の飛行船が飛ぶまでは冒険者協会のお手伝いをします」

 ナルーシャが言うと

「そうだ、リンスとイビルも測定してもらえ。せっかく測定出来るようになったんだから」

 雅則が提案した。

「私も、もう一度測定してもらっていいですか?」

 リサも言った。

「いいよ。どうかなソリア」

「わかりました。じゃあ明日」

「どんな値が出ても驚かないでね」

 ナルーシャがソリアに注意するように言った。

 リンスがナルーシャに

「私はナルーシャに魔力検査をしてもらっています」

と言った。すると

「ソリアの練習になるから、してなかったことにしておいて」

とナルーシャに言われた。


 ◇


 翌日。

 リサとイビル、リンスの火力検査をソリアが行うことになった。

 悠介は設計図作成に時間を費やし、雅則が3人の娘を連れて冒険者協会に行った。

「誰からにする? イビルからしてみるか?」

「いいけど」

 いつもより不安そうなイビル。

「じゃあ、定盤石の上に手をかざしてください」

 ソリアが測定を担当し、ナルーシャが指導した。

 イビルが定盤石に手をかざすと火花が定盤石の上で広がった。

「レベル60でいいかしら」

 ソリアはナルーシャに確認した。

「そうね。それでいいと思う」

「ということは、やはりリサと同レベルということだ」

 雅則もイビルのレベルを認識した。

「じゃあ次に魔法色素をみます。水晶に同じように手をかざしてください」

 イビルが水晶にてをかざすと

「この色は?・・」

 ソリアにはまだ判別がつかなかった。

「火星ね。炎を使う魔法に特化していることを表しているわ」

「じゃあ、次は・・」

「リンス、測定してみて」

「はい」

 リンスが定盤石に手をかざすと

「同じ60だと思います」

「3人は同じレベルか」

「今度は水晶に手をかざして」

 リンスが従うと

「この色は水星」

とナルーシャはソリアに教えて

「リンスは水星魔法が使えます」

と雅則たちに言った。

「リンスは水星か。水を扱えるということだ。よし、リサも測定してみるか」

「はい」

 リサは2度目になる。定盤石に手をかざすと、ソリアは

「レベル60・・より高いですね。70くらい」

と判断した。

「レベルが上がったということか。いろいろ経験してきたからな」

 雅則はリサのレベルが上がったことを嬉しく思った。

「私よりレベルアップしたということ? くやしい」

 ライバル心の消えないイビルは不満だった。

「酒ばかり飲んでいるから上がらないんだろう?」

「二日酔いにはならなくなってきた」

「そっちのレベルを上げてどうする」

 そして

「コーネリアは測定出来ないか?」

と雅則はソリアとナルーシャに聞いた。

「セキュバスは測定したことがないので・・してみます?」

 ナルーシャが言ってくれた。


 コーネリアを冒険者協会に連れてくると

「怖くないから」

と雅則が言った。

「はい」

 コーネリアが定盤石に手をかざすとリサたちより小さな火花が発生した。

「レベル10ですね」

とソリアが言った。

「意外とあるな。生活魔法とか、いろいろ使えるからか?」

 雅則も驚いた。

 しかしレベルは高くても戦闘能力があるわけではない。攻撃魔法は使えなくても防御魔法や精神魔法、生活魔法が使える。

 コーネリアが水晶に手をかざすと

「火星でもない、水星でもない、金星でもない・・見たことのない色素です」

 ナルーシャも判断しかねた。セキュバスは特別なのか。


 魔力検査を終えた後、雅則はイビルから

「リンスにワリキュールの夜の街も案内したいんだけど、スナックに連れていってもいいでしょう?」

と聞かれた。

「え? イビルが酒を飲みたいだけだろう?」

「それが一番だけどさ。人族以外にも仲間を増やしたいじゃない」

「まあ、俺が止めるのもおかしいから、イビルたちが何をしようと自由だけど。二日酔いにならないように、ほどほどにしとけよ」

「注意する」


 イビルはスレーンも誘った。

「え? イビルたちとスナックに?」

「いや?」

「いやじゃないけど、魔族たちと飲むのは・・イビルが魔族と知らないで飲んだことがあったな」

「美女3人よ。うれしいでしょう?」

「・・はい」

 イビルに言われてスレーンはびびった。


 ◇


 美緒と雅則がリサの馬車でナルーシャとリンスを牧場に連れていった。

 ナルーシャは前回ワリキュールに来た時、一度牧場に行っているが、リンスは初めてだ。

 リンスは牧場なるものを初めて見て歓喜した。

 エランデルには牧場はない。街は山々に近いこともあって、ワリキュールより周りに魔物が居る。動物が襲われる危険性が高いことも牧場をつくれない理由でもあった。

 リンスは搾りたての牛乳や、美緒たちが作っているチーズを食したり、チーズやバターの工場を見学した。

「どうだチーズの味は?」

「はい・・」

「やっぱりリンスも人族以外は味がわからないか」

 リンスもリサやイビルと同じミーア族という魔族で、一番の好物は人族だった。


 牧場から戻った美緒は悠介に

「自動車をつくって」

と言った。

「え?」

「毎回、リサたちに馬車を出してもらうのも悪いし、自動車があればいつでも自由に出かけられるでしょう?」

「簡単に言ってくれる。まさかSLみたいにタービンで動くやつでいいから、なんて言わないだろうな」

「いちいち石炭をくべながら走っていられないわよ」



















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