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異世界に行ったら最強になった  作者: 志良内達夫
第七章 SLとアズパイア
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7-11.ワリキュール視察

 ワリキュール王国に戻った雅則はハンスと相談した。

「エランデル国に空港を造る前に、エランデル国の貴族たちにワリキュール王国を見てもらったほうがいいと考えた」

「なるほど。空港やSLを見てもらうわけですね」

「国王への提案と来賓の準備を頼んでいいか?」

「承知しました」


 館に戻った雅則はオウムでダマリンと交信した。

「グランデルがイミナスを出る話は聞いた」

「俺もいきなり言われて驚いた。で、これからどうすればいい?」

「グランデルにはダマリンかボルトンをイミナスの統治者にと言われたが、イミナスをエランデル国の領地にしたが、ダマリンたちに返そうと思う」

「なんだと?」

「シームア領はダマリンが統括している。今後のイミナスに関してはダマリンに頼めるか?」

「イミナスを我々に返すというのか?」

「イミナスをエランデル領にしてダマリンたちに統治させるのも無理がある。それに、あらたにエランデル国から統治者を出すのも無理だろう」

「ハーロックがそう言うなら俺はかまわないが、従属させている人族はどうする。今は俺たちに逆らう人族はいない。人族のエリアもつくった」

「すごいな。俺は人族や魔族など種別を超えて共存するのがいいと思っている。ダマリンはそれを早速実行に移してくれている。感謝する」

「ハーロックに褒められるのは照れ臭い。嬉しいがな。だが、俺はまつりごとや経済は疎いぞ」

「ボルトンに力になってもらえばいい。エルフはダマリンが森から呼んでやったんだろう? 文句はないはずだ」

「わかった。なら従う」

「それと、エランデル国は国王もセバスを頼っているような国だ。エランデルのまつりごとは今後もセバスにがんばってもらう。セバスとリンスの対面も済ませた。事後報告になるが、リンスには俺とセバスの連絡係も務めてもらう」

「・・わかった」


 ダマリンとの交信を終えた雅則は

「セバス一人に任せるのも可哀そうだ。出張ってくるか」

 思い立ったように、またエランデルに飛んだ。

 そして国王のオルコットに謁見した。

「国王、ご無沙汰してます」

「ワリキュールに行っていろんなことをしていると聞く。馬車に代わる素晴らしい乗り物を走らせているとか」

 雅則はSL鉄道のことだと思い

「はい。友人が馬車に代わる大量の人や荷物を一度に、かつ早く運べるものをつくりました」

と話した。

「そして、今度は飛行船でエランデルと行き来したいと・・」

「はい。陸と空とそれぞれ結んで、ワリキュール王国とエランデル国の交流を深めたいと思います」

「飛行船はワリキュールが軍事用に開発したものと聞いている」

「それを人々の交流に使おうと思っています。ワリキュール王国も軍を解体し、二度と戦争を起こすことはありません」

「セバスからもワリキュール王国との交流については聞いている。まだ貴族の中には疑心に思っている者もいるが」

「それで、エランデルから貴族たちにワリキュール視察に来てもらえないかと話を進めています」

「エランデル国はもともとワリキュール王国の王族の親族が切り開いた国。私には異存はないが」

「交流が深まれば、エランデルももっと豊かになっていくはず」

「それは期待していいかも」

「それと・・イミナスのことですが・・シームア領の魔族たちに返します」

「なんと・・」

「エランデル国やイミナス国はシームア領に棲む生き物たちから土地を奪って建国した国。そしてエランデル国はそのイミナス国に侵攻されるところだった。私たちがそれを食い止めなければ、今頃エランデル国はイミナス国に奪われていた」

「それはそうだが・・」

「もし、それが不服でイミナスをエランデルのものにしようとするなら、魔族たちを敵に回すことになります。その時は私もエランデルをイミナス同様・・潰します」

 雅則にそう言われて、オルコックは何も言えなかった。


 ◇


 そして10日後、セバスたちをワリキュール王国に招待することになった。

 リリアは

「どんな服装で行けばいいの? ドレスとかスカートなんて穿いたことないんだから」

と戸惑っていた。

 ナナが

「私よりリリアさんを先に呼ぶなんて・・ずるい」

と不満を表した。

「ごめんね。ナナの分もよ~く見学してくるから」


 貴族たちも何人か招待されることを知ったシャルロットが

「私も行ってはいけないかしら」

とセバスに相談した。

「ハーロック伯爵に、もう一度会ってみたいの」

 シャルロットはイミナス国に行ったとき雅則ハーロックに護衛をしてもらった。そのときのことがいい思い出になって脳裏に焼き付いていた。

 ◇

「ハーロック様、リンスからです」

 リサが雅則に伝えた。

「ハーロック様、エランデルのシャルロットとかいう姫がワリキュールに行きたいらしいとセバスから言われました」

「え?」

「ハーロック様ともう一度会いたいとか・・」

「わかった。いいと伝えて」

 雅則は悠介と美緒にシャルロットもワリキュールに来ることを伝えた。

「雅はお姫様にも手を出していたか」

 悠介に言われてしまった。

「ロリコンじゃないから」


 雅則とリサが飛行船でエランデルに迎えに行くことにした。ボイドたち船員は前回宿泊した飯店に予約をとってもらった。雅則とリサは『ハナ』に予約をとった。

 夕方にエランデル国の宮殿の広場に飛行船で到着すると、セバスやランスロット、リリアたちが迎えてくれた。

「ハーロック様、明日はよろしくお願いします」

 リリアは遠足に行く前のワクワクした顔で言った。

 シャルロットも出迎えてくれた。

「姫。元気だった?」

「はい。明日は私もよろしくお願いします」

「ワリキュール王国では、私は同行しません。リリアも行くので、飛行船やSLなど楽しんできてください」

「一緒に見て回ってくれないんですか?」

「いろいろやることがあるので・・」

 本当は、ないけど。ただ応対するのが面倒なだけだ。


 そして翌朝。

 宮殿の広場にセバス、リリア、シャルロット、それに数人の貴族が集まった。

 そして飛行船に乗り込むと、船内は100席ほどのシートが整然と並んでいた。旅客用に改良した船内だった。旅客飛行機のようにファーストクラスとかのシートはない。

「客室については検討するようだな。また美緒ちゃんの知恵を借りるか」


 飛行船はセバスたちを乗せて上がっていくと、ワリキュールに向けて飛んだ。

 セバスもリリアもシャルロットも、飛行船に乗るのも、空から地上を眺めるのもはじめてだった。

「すごい眺め。これからは空の旅が出来るんですね」

「そのための視察なんだけど」


 夕方。

 ワリキュールに建設中の空港に降り立つ飛行船を、ランケルや、ハンス、ソマルたちが出迎えた。

 そしてその日は、街の大飯店に泊まってもらって、翌日、宮殿で国王のランケルや侯爵のハンスと謁見させた。

 それからソマルが空港やSLの駅を案内し、SLに乗ってもらった。セバスたちは、ただただ驚いていた。

 雅則と悠介は同行せずに館に居た。

「シャルロット姫が来ているのに、行かなくていいのか?」

「ロリコンじゃないと言ったろう?」

 雅則も悠介も仰々しいのは嫌いだった。


 ワリキュール王国とエランデル国は、徐々に文明を開化させていく。



















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