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異世界に行ったら最強になった  作者: 志良内達夫
第三章 ワリキュール王国編
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< 幕間 イビル >

 シームア領は緑豊かな土地で、いろんな生き物が生息していた。

 だが人族がシームア領に入って来て土地を奪い、イミナス国とエランデル国を

つくった。

 魔族・オラン族のダマリンが人族から他の魔族や生き物を守っていた。

 ダマリンは配下に中から人間体に変異出来る魔族、ミーア族から数人をイミナ

ス国やエランデル国に潜入させて、人族を監視させて、その情報を得ていた。そ

うすることで、シームア領に住む魔族や他の生き物に危害を加えられないように

気配りをしていた。

 イビルもミーア族の一人(?)だ。ダマリンから声がかからないので、イビル

のほうからダマリンを訪ねた。

「ダマリン様」

「イビルか、どうした」

「リサやリンスには仕事を与えているみたいだけど、私にはまだ声がかからない

んだけどぉ」

「今のところは足りているからな」

 イビルにはそう言ったが、正直ダマリンは、イビルは扱い難い性格だと思って

いる。シームア領の中でリサと同じ時期に生まれ、リサの幼馴染のような関係

でもある。

 だがイビルから

「私を扱い難く思っているんでしょう?」

と見抜かれた。

「イビルはリサやリンスと違って性格が元気すぎる。人族ともめ事を起こされる

と困るからな」

「二人は大人しすぎない? 監視はしているようだけど、もっと人族に溶け込ん

でもいいんじゃないの?」

「下手に接触を試みて魔族であることがばれたらまずい」

「ばれないようにするからさ。私にも仕事させてよ」

 そうせがまれてダマリンは懸念に思っていた国を監視させることにした。

「リンスにはイミナス国の、リサにはエランデル国の人族の監視をさせている。

に津はもっと気になる国がある。ワリキュール王国。イミナス国やエランデル国

を築いた人族が出てきた国だ。シームア領の圏外だから気には留めていなかった

が、そっちのほうに親しくしていた竜魔族がいる。人族が新天地を求めてやって

きたとき、俺たちはシームア領に竜魔族はゴラン谷に縄張りを持った。仕事をし

てくれるなら、ワリキュール王国を調べてきてくれるか? ただし、無理はする

なよ」

「わかった。任せて」

 ◇

 イビルは鳥獣テルザに乗ってワリキュール王国方面に向かった。眼下を見ると

「荒涼とした大地ね。シームア領とは比べ物にならないわ」

と思った。

 シームア領は、一方を山に囲まれていて、緑の木々や水にも恵まれた棲みごこ

ちいい土地だ。魔族の他にもエルフやいろんな生き物が棲んでいる。

 飛んでいくと大きな街が見えてきた。

「イミナス国の街並みは見ているけおd、ワリキュールはもっと大きいわ」

 街にはあまり近づかず、テルザを戻すと街まで歩くことにした。

「何か居る」

 魔物がところどころに居るのがわかった。

「可愛げのない魔物だわ」

 イビルは襲って来ないものは気にせずにワリキュールの街に近づいていった。

街に近づくと、魔物たちは現れなかった。

「人族を恐れているわけじゃないわよね」

 日が落ちると、大きな楯もには暗くそびえ立ち、街路には油を灯した

明かりを放つ街路灯があった。この風景もイミナス国で見ている。

 遠くには宮殿のようなものが見えるが、やはり明かりも無く暗い。

「まだ(人族を)捕食するほど体力は減ってないけど、調査は明日からはじめ

ようっと」

 ◇

 陽が昇り、朝を迎えると、人族の行動が開始される。

「街は大きいけど、のどかな雰囲気だわ」

 街外れの建物に近づくと

「見かけない顔だけど、君も冒険者?」

と人族の男に声をかけられた。

「冒険者?」

 イビルはまだ冒険者を知らなかった。

「え? 違うの?」

「私はワリキュールに来たばかりだから」

「そうなんだ。おれはスレーン。冒険者をやっている。仕事を探しにきた

ところだけど」

 これがスレーンとの出会いだった。

「へえ、イミナス国から来たんだ」

 イビルはイミナス国からきた人族ということにした。

「仕事を探すなら、手っ取り早いのは冒険者かな。魔物を退治すれば冒険者

協会から報奨金がもらえる。でも・・魔物相手じゃ・・」

「倒せばいいんでしょう? 私も魔法は使えるから」

「そうなんだ。じゃあ冒険者になって一緒に魔物退治をする?」

 イビルはスレーンの世話になることにした。

「ここが冒険者協会だ。報奨金をもらうには冒険者登録をしないと。俺が面倒

みてやるよ」

「じゃあ、お願い」

 そして協会で冒険者登録をしてくれたのがソリアだった。

「イミナス国から来たんですか。何処に住むんですか?」

「ああ、住所は俺と一緒にしておいて」

 スレーンが気遣ってくれた。

「わかりました」

 冒険者登録は簡単だった。

「住所が一緒って・・」

「どこでもいいんだよ。形式だけだから」

「ふうん」


 イビルはスレーンと郊外に出て魔物を退治して冒険者協会に退治した魔物の

一部を持っていった。そして報酬を受け取った。

「イビルって強いんだね。魔物にも平気だし」

「どうってことないわよ」

 イビルはワリキュールに来て、その周辺に現れる魔物たちの強さは大した

ことがないと思った。イミナスのほうが、もっと凶暴な魔物が居る。

 スレーンが

「以前は魔物が街の中まで侵入してきたらしいが、今は街の中には入ってこない」

と教えてくれた。

「どうして?」

「国王がスラーレン法国から妃を迎えてかららしいけど。俺もワリキュールに

来て古くはないから詳しいことはわからないけど」

「ふうん」

「イビルはお酒は飲める?」

「お酒って?」

 イビルはスレーンにスナックに誘われた。そして生まれてはじめてお酒を口に

した。

「美味しい。人族はこんな美味しい飲み物も飲んでいるんだ」

「え?」

「何でもない」


 イビルがワリキュールに来て人族の動向を調査していると

「兵軍が出て行く」

とスレーンに言われた。

 宮殿から大勢の兵軍が出てくると郊外に出ていった。空には浮かぶものが。

「あれは?」

「飛行船だ。ワリキュール軍のものだよ。方向からすると飛行船も兵軍もイミ

ナス国方面に向かっている。ああ、軍隊は主に貴族たちで構成されているから、

街の者は蚊帳の外なんだ」

 イビルは鳥獣オウムでダマリンに知らせた。

「ワリキュール国から兵軍がイミナスに向かっていったわ。数はおよそ1万。

それと飛行船も」

「わかった。イビルにワリキュールに行ってもらってよかった」

 その後、飛行船も兵軍もワリキュールに戻ってくることはなかった。

 それが雅則の極大魔法『流星雨』と、美緒の召喚した『ゴジラ』や『モスラ』

によるものだということをイビルは知らなかった。

 そしてイミナスに戻ると、イミナス国はエランデル国の領地に変わっていて

ダマリンが統治者になっていた。

 イビルはこれまでのことをダマリンから聞いた。

「ふうん。ハーロックって、そんなに強いんだ」

「俺も適わない」

「ダマリン様より強い人族?」

 イビルは信じられなかった。


 その後、ハーロック(雅則)とリサがエランデルからやってきた。

 そして雅則から

「火星魔法を使うんか。俺を燃やしてみろ」

と言われた。

「灰になっても知らないわよ。ファイヤーバースト」

 イビルは火炎魔法を放った。しかし雅則を燃やすことは出来なかった。

「イビルの攻撃で耐火魔法を会得した」

「異世界の人族って何者?」

「ダマリン。ワリキュール王国にも興味が湧いてきた。リサも一緒に連れて

いっていいか?」

 雅則とリサがワリキュール王国に行こうとしたので

「私も一緒にワリキュールに連れて行って。ワリキュールには既に潜入経験

があるから」

とイビルも同行することにした。

 そしてイビルはリサと雅則とワリキュール王国に向かった。














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