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異世界に行ったら最強になった  作者: 志良内達夫
第一章 まさか異世界に
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1-3.異世界から来た魔術師

 翌月には大学も授業を再開した。

「しかしあれだけ騒ぎがあったのにも関わらず、社会の回復は早い。もっと遊べると思っていたが」

 悠介がつまらなそうに言った。

「現代は社会の変化がすさまじい。電話だって黒電話からはじまって、今はスマートフォンの時代。

電話で何でも出来てしまう」

「確かに。・・で、雅はスマートフォンにどんな機能を持たせている?」

「電話機能」

「・・スマートフォンが携帯電話であることは知っている。が、それにいろいろな機能を付加されて

いるだろう。それを聞いている」

「電話だけでいいだろう」

「メールだって出来るだろう」

「らしいね。でも・・(打ち込むのが)面倒くさいから使わない」

「一番もったいない使い方だろう」

「電話もかけたくない性格だから」

「俺に返事がないと思ったら、メール見てないな」

「送った?」

 雅則はメールを開いて

「来ているな」

「一回も目を通さないのか?」

「うん。・・悪かった」

「いいよ今さら」

  雅則がメールの文字列を読み始めた。

「全然返事くれないけど、会いたいな」

「そんな甘えるようなメールは送ってない。しょっちゅう会っているし」

「悠介に甘えられても困るけど。・・彼女からだ」

「え?・・彼女?・・誰の?」

 悠介は異性となると関心を持つ。

「神崎美緒。幼馴染だ」

「雅の幼馴染か」

「そういえば大学に入ってからエッチしてないな」

「してるのかよ!・・美人か?」

「たぶん」

「代わりに俺が彼女のフレンドになってもいい。・・紹介してくれないか?」

「・・わかった。そのうちにな」

「忘れるなよ」

 地震が起こった。

「南海トラフか?・・違う、怪獣が現れただけだ。・・怪獣?」

 悠介は窓の外を見て唖然とした。

「みたことのない、でっかいやつ。ロボット軍談の次は怪獣かよ。どうなっているんだ」

「聞いてみたら?」

「誰に?!」

 悠介が

「こっちに来るぞ。ここに居たらやばい」

「まだコーヒーが飲み終わっていない」

「のんきに飲んでいる場合じゃない」

「飲み終わるまで時間を止めてくれない?」

「そうか。そういう使い方も出来るな。・・って、落ち着き過ぎだろう・・一応やって

みるか」

 悠介が時間を止めた。

「これで落ち着いてコーヒーが飲める」

「いつまでも止めていられないからな」

 周りに光が現れたと思うと、床にその光が幾何学的に並んだ。

「なんだ?・・これ、どこかで見たことが魔法陣か?って、時間を止めているんだけど」

「魔法陣?」

「RPGのゲームでよく出てくるやつだ」

「ゲームか。最新のゲームは仮想空間の中で動き回れるものもあるそうだが、俺はゲーム

は嫌いだからする気ないけど」

「俺は割と好きだぞ。暇つぶしになるし」

「大学の授業より暇つぶしになるか?」

「ちゃんと講義は受けている」

 女が現れた。

「だれ?」

「時間を止めたのはどっち?」

「え? あんたも能力者か?」

「私は召喚魔術師のルセール」

「え?魔術師?・・てか、どこの人?」

「エランデル国の魔術師」

「エランデル国ってどこだ? ヨーロッパ? それとも東アジア?」

 悠介が雅則に聞いた。

「俺も知らない。地理は苦手だから」

 ルセールが

「異世界の国だ。この世界ではない」

とこたえた。

「そうなんだ。って、何で異世界の魔術師がここに現れたの?!」

「実は私の住んでいるエランデル国に魔獣が現れて、その魔獣をたおしてもらおうと思って

異世界から力にあるものを召喚しようとしたのだが出来なかったので、魔獣を転移魔法で

この世界に送ったんだけど、自分も転移しちゃった」

「そうなんだ。・・って、迷惑なんだけど」

 雅則が

「質問。・・あなたがこの世界に来た理由は今聞いたけど、あの魔獣は何?」

とルセールに聞いた。

私たちの世界にいる魔獣。エランデルの街に近づいてきたから転移したの。他に何か?」

「特に無し・・って迷惑ばかりだろう!・・怒ってばかりだな」

 悠介は自分を省みた。

「一人だけうるさい」

 雅則もそう思った。

「まだ落ち着いているのか?」

「うん。俺には関係ないから」

「関係ないって、現に魔獣が現れたろう」

「まだ現れただけだろう? 被害は出ていないようだし」

 ルセールが

「あの魔獣を倒してほしい」

と雅則たちに言った。

「倒すって、どうやって」

「それはあなた方に任せます」

「勝手に任せるな!」

「仕事を丸投げって、政治家の素質はあるかも」

 雅則がルセールを、そう評価した。

「確かに・・褒めてどうする。・・で、どうして俺たちが居る場所に?」

「タイムサスペンドの力に導かれてここに来た。あなたたちは特別な力を持った者

なのだろう?」

「それは認める。・・タイムサスペンドって何?」

「時間を停止する魔法。上位魔術師でもめったに使える者がいない上位魔法だ」

「時間を停止って、俺の使った能力は上位魔法?・・その時間を止める能力は小学生

の頃から使っていたけど」

「小学生の頃からスカート捲りをしていたんだ」

「するだろう普通」

「俺は捲らなくても透視出来るから」

「そうだった。雅も小学生の頃から女子の裸を見て楽しんでいたんだ」

「俺は。その頃はませていなかった」

 雅則と悠介が話していると

「お話し中、悪いけど、あいつを倒してくれる?」

 ルセールが割って入ってきた。

「俺は断るよ。面倒くさいの嫌いだし」

 雅則は無視した。

「じゃあ、どうするんだ。もうすぐ時間は動きはじめる」

 タイムサスペンド(時間停止)の効力が消えて魔獣が動き始めた。

「こんどこそビルが破壊されるな」

「また自衛隊の出番だな」

 ルセールが

「ねえ、倒してよ」

と言った。

「だから無理だって」

「対抗する召喚獣を出すとか」

「そんな魔法は持っていない」

「ええ? 召喚出来ないの? じゃあ、あの魔獣はここに置いていくしかないわ。・・あ、

私もエランデルに帰れなくなった」

「え?」

「帰り方がわからない」

「は?・・」

「魔獣が現れて城に向かってきたから久々に転移魔法を使ったんだけど、戻り方を忘れた」

「それって・・もしかしてバカ?」

「異世界でバカ扱いされるとは思っていなかったわ」

「バカというよりおかしくないか?・・自衛隊が早速出張ってきた」

「街中で本当に大砲ぶっ放すのか?」

 自衛隊の戦車が魔獣に発砲しはじめた。

「昔の映画で、なんという怪獣だったかな? 都心で怪獣に向かって自衛隊の戦車隊が発砲

する作品があったな。アーカイブで見られる。街はまた大混乱。ビルも壊されはじめた」

「実写版は迫力あるな」

「映画じゃないから」

「コーヒー、もう一杯貰おうかな」

「店員も逃げた」

「飲み放題だな」

「美味しいのそれ」

 ルセールが雅則に聞いた。

「コーヒオーにも種類があるけど、俺はこの味が好きだな、ブレンドだけど」

「インスタントで満足しているんだろう」

「うん」

 ルセールもコーヒーを飲んで

「美味しい。こんな飲み物、飲んだことことないわ」

と嬉しそうだった。

「エランデルにはコーヒーないの?」

「ないと思う」

「みんなでコーヒータイム。コーヒーが飲める飲めないじゃないだろう」

「ブレンドは美味しい」

「飲んでる場合か?・・ここも危なくなってきたぞ」






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