17-9.ハーロックvsハーロック
「ナルティーナよ、無事でよかった」
叔父のルモークが安心したように言った。
「叔父様、心配かけましたが、ハーロックたちが力になってくれました」
「ハーロックってどっちを言っている?」
雅則が空賊のハーロックに聞いた。
「もちろん俺だろう」
雅則は
「なんか、こっちの国の連中は馴染めそうにないな。ワリキュールに帰るか」
と悠介に言った。
「俺もナディに会いたくなった。やっぱりワリキュールが一番だな。で、どうやって帰る?」
「魔光石は手に入れた。ソアラとセーラが一緒に行ってくれればいいんだけど」
ルモークが
「私も手をこまねいていたわけではない。ナルティーナが来たら我が軍の指揮をとってもらおうと思っていた。ラバスナ軍を潰せるだろう」
と抗戦を宣言した。
雅則が
「美緒ちゃんとナルティーナと、どっちのほうが気が強いだろう」
と悠介に聞いた。
「悩むなぁ」
空賊のハーロックが
「伯爵たちも力を貸してくれるのだろう?」
と雅則に言った。
「協力するとは言った。だが具体的方法は言っていない。魔光石を俺が預かるという方法で協力する。魔光石が3つ、シャインドールに渡らなければいいんだろう?」
「伯爵の力があれば大船に乗った気分でラバスナ軍と戦える」
「断る。俺の力は戦争には生かさない」
「では魔光石を返してもらおう」
「それも断る。仲間のところに帰りたいからな」
「腕ずくでも返してもらう」
「やめておけ。俺は容赦はしないぞ」
「俺をただの空賊と思うな。俺も魔法は使える」
「容赦はしないと言ったろう。ここでお前が倒れたら、ナルティーナの力になれなくなるぞ」
「この宮殿の中で極大魔法が使えるのか」
空賊のハーロックは、狭い空間では自分の方が有利と考えていた。
「そういう目算ね。どうなっても後は知らないぞ」
ハーロックは身体の前で電流のような火花を散らせた。そして
「電撃」を雅則に放った。
だが防御魔法が発動され、雅則の周りに結界が張られた。
「レベルは100近いか。魔術師としては力のあるほうだ」
雅則は空賊のハーロックのレベルを、そう評価した。
「攻撃を受け付けない?」
ハーロックは雅則のレベルが高いことを悟った。
「お返しといくか」
雅則もハーロックに電撃を放った。ハーロックは防御出来ずに電撃を浴びて倒れた。
「ハーロック!」
ナルティーナが思わず叫んだ。
「軽めに出したけど、強すぎたかな?」
ハーロックはそのまま気絶した。
雅則はソアラとセーラに
「ワリキュールに戻ろうと思うが、二人はどうする?」
と聞いた。
セーラが
「ハーロック様はナルティーナ様や空賊の力にはならないんですか?」
と確認するように聞いた。
「協力する気はない。こっちの国がどうなろうと助ける気はないから。ナルティーナとハーロックでどうにかするだろう。ただ、ソアラはアリオン神国に戻りたいか?」
雅則が聞くと
「私は・・迷っています」
とソアラは正直に答えた。
「なら相談だが、ワリキュールまで送ってくれないか。そのあとどうするかは2人に任せるから」
ナルティーナが
「2人を戦争に巻き込むつもりはありません。伯爵たちを送ってあげて」
とセーラとソアラに言った。
飛行艇はルモークが出してくれた。魔光石を使ってセーラが飛行艇を動かし、ワリキュールに向けて飛んだ。
「名残惜しいという気持ちはしないんだよな。今回の旅は」
雅則が呟くと
「同感だ」
と悠介も言った。そして
「ナルティーナが可愛げがあったら残ったかも知れないけど」
と付け加えた。




