16-3.解決?
悠介たちがドワーフ国方面に行っている間、雅則たちはマリアント城で過ごしていた。
リサが
「人族ではない気配を感じます」
と雅則に教えた。
「国王に呪詛をかけた者が居るはずだからな。魔族が潜入しているのか」
雅則たちは昼食も城でもてなされた。リサが
「メイドの中に人族じゃないものが・・」
と雅則に教えた。
「人間体に変異しているのか。こっちの世界にもリサたちと同じような魔族が居るということか? つついてみるか」
ナターシャが一人で部屋で休んでいるときだった。
メイドがひとり、部屋に入ってきた。
「お飲み物をお持ちしましょうか」
「いえ。今はけっこうです」
「では私に命をもらえますか?」
そこに
「お前が国王に呪詛をかけたのか。おまえは魔族か」
と雅則が入っていった。
「ナターシャを狙ってやってくると思った」
「私をあぶりだすために?」
「なぜ国王に呪詛をかけた」
「命令に従っただけ」
リサも入って来て女に手を突き出し
「殺しますか?」
と雅則に聞いた。
「殺すな。聞きたいことがある」
雅則がリサを止めると、女は逃げるように姿を消した。
「追尾出来ます」
というリサに
「いや、いい。もう呪詛をかけに来ることもないだろう」
と言ってナターシャに
「怖い思いをさせた。ごめん」
と謝った。
「ハーロックさんが居れば安心ですから」
◇
夕方、悠介たちが城に戻ってきた。ジープには悠介とイビル、それにジル以外に若い女が乗っていた。
「只で帰ってこないと思ったが、やっぱりハントしてきたか」
雅則が言うと悠介が
「そうしたかったが他には女は居なかった。マスカット姫だ」
と雅則に紹介した。
「まさしく悠介が認める美女だ」
マスカットは雅則に不快感を感じたが、ジルから
「彼がハーロックです」
と教えられると、心を落ち着かせた。そしてピオーネとキャンベルに無事に戻ったことを伝えた。
悠介はセビラタウンでのことを雅則たちに話した。
「じゃあ、これで一件落着か?」
「魔族が現れたことが気になる」
悠介に言われて
「国王に呪詛をかけたのも潜入していた魔族だった。でも、こっちの世界のことだろう? あんまり首を突っ込みたくないな」
と雅則は正直に言った。
「雅が首を突っ込むと、あらたな問題が発生するからな」
「それは認める。それにこの世界に長くは居られない」
「で、これからどうする?」
「元の世界というかエランデルに戻るにはまだ日がある。ホーエン村に戻って薬草採りをするか。城とか、こういうところは居心地が悪い」
マスカットがやってきて
「ジルから話を聞きました。ハーロック様は異世界の伯爵とか。そしてナターシャ様は魔術師。父にかかっていた呪詛を解いて頂きありがとうございました」
と雅則とナターシャに礼を言った。
「元の世界に戻られるまで宮殿でおくつろぎください」
「いや、こういうところは性に合わないので、元の世界に戻るまでホーエン村で過ごせればと思っています。もともと薬草を採りに来たので」
と雅則はマスカットに言った。
「近々ロザリオ王子も戻ってくるだろうし、ジルはマスカット姫と居るだろう?」
悠介に言われてジルは
「そうさせてもらう。(マスカット姫とは)また離れ離れになってしまうし」
とこたえた。
「なんかデレデレして見えるんだけど」
と悠介が寄り添うように立っているジルとマスカットを見て羨ましそうに言った。
「ヤキモチか?」
雅則が突っ込んだ。




