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異世界に行ったら最強になった  作者: 志良内達夫
第十五章 マリアント国と温泉の危機
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15-6.転移

 エランデルから戻った悠介は

「ルセールが薬草に詳しいことを聞いたので会ってきたが、ポーションをつくるための薬草がジルの世界のマリアント国にあるらしい」

と雅則と美緒に言った。

「え? どういうこと? ジルはゲームの世界から召喚されたと言ってなかった?」

 美緒が悠介に聞いた。

「そうなんだ。しかしルセールも以前に、そのマリアント国に転移してきたことがあるらしい」

「ゲームの世界が実在するということ?」

「俺も理解出来ないけど。・・それでそこに転移出来るらしい」

「ほんとうに、その世界があって、薬草を取ってくればポーションが作れるということか」

「仮にあったとして、勝手に取って来ていいの?」

 美緒の質問に

「どうかな。ルセールはその薬草から作ったポーションの話を聞いただけのようだから」

と悠介がこたえると、ジルが

「山に自生しているもので、別に問題ないと思う」

と言った。

「じゃあ、ジルを元の世界に戻して薬草をもらってくるか」

 雅則が笑顔で言うと

「そう上手くはいかないらしい。簡易転移魔法で行ってくるようだから、効力が切れると元の世界にもどってきてしまうらしい」

と悠介が言った。

「じゃあジルは、それでは戻れないのか」

「それでも戻ってみたい。実は気がかりなことがあって・・」

「それはもしかしてマスカット姫のことか?」

「え?」

「ジルは好きなんだろう? 出会いは確か、彼女を姫とは知らずに助けたことがきっかけだった」

「どうして知っているんですか?」

「結構クリアしたからな、あのゲームは面白かった」

「悠介はジルをゲームの世界のキャラだと言っていたな」

「ああ、ファイナルワールドⅧのヒーローだ。だがジルはマスカット姫に思いを告白出来ないで、俺はイライラしていたんだ。プロポーズしたのか?」

「してないです。簡単に出来ないでしょう。彼女はマリアント国の王女なんです」

「俺が選ぶゲームの中の美人ランキングベスト3の一人だからなぁ」

「ジル、もたもたしているとマスカット姫を悠介に取られてしまうぞ」

「誰がマスカット姫をもらってくるか、もとい、薬草を取りに行ってくるか」

「マリアント国にはマスカット姫以外にも美人が揃っていたな。俺もゲームは懐かしい。参加させてくれ」

「悠介さんが行ったら薬草なんか持って帰らないんじゃない?」

「言えてる」

「ちゃんと仕事はこなしてくるよ」

「雅則くんも危ないから、リサとイビルも行ってきたら?」

「ワリキュールだけじゃ飽きるからいいわよ」

 イビルは躊躇なく話に乗った。

「ポーションをつくれるのは今にところナターシャしか知らない。ポーションをつくれる薬草かナターシャも連れていくか」

「遠くの山に出かけるようなものじゃない。異世界に行くんだぞ。ついてくるかな? それにナターシャが居ないと街に結界が張れない」

 悠介も不安な気持ちと疑問を抱いた。

「5日くらいで戻ってくるんでしょう? その間、何かあったら私が何とかするわよ。しばらくゴジラも召喚していないし」

 美緒が言うと

「ゴジラでワリキュールの街を破壊するようなことは控えてくれよ。少なくても館は残しておいてくれ」

「冗談で済んでくれることを祈りながら行ってくるか」

「こういうときだ。魔族にも力になってもらおうか。イーナ、ババロンに魔獣たちが街に近づかないように頼んでもらえないか」

 雅則がイーナに頼んだ。

「わかりました。伝えておきます」


 ◇


 雅則は教会のナターシャを訪ねた。そして薬草の話をすると

「私も連れて行ってもらえるんですか?」

とナターシャは喜んでいた。

「異世界に行ってくるんだけど」

「ハーロックさんたちと一緒ですよね。不安はありません」

「そう・・その間は教会はお休みかな? ルナが代わりを務められれば・・」

 すると

「無理です。ナターシャさんが戻ってくるまで、館のお風呂に入りに行っていいですか?」

とルナに言われた。

「いいよ。戻るまで館で過ごしてもらってもいいし」

「はい」


 ◇


 雅則と悠介、リサにイビル、それにナターシャとジルの6人でマリアント国に薬草を取りに行くことになった。

 エランデルには飛行船で行くことにした。夕方、エランデル空港に着く予定で、その日は飯店『ハナ』に泊り、翌日、ルセールに家に行く。リンスとナルーシャにそのことを伝え、ルセールに家で待っていてくれるように伝言を頼んだ。

「そんなわけで、今回はナルーシャには会わないで異世界に行ってくるから」

 飛行船でエランデル国に行く前に、雅則はナルーシャとオウムを介して話した。

「わかりました。でも・・また凄いことしますね」

「転移してきて、また別の世界に転移するとは思っていなかったけどね」


 エランデルに行った翌日、ルセールの家に行った。

「私も若ければ一緒に行きたい気持ちにもなったろうが、最近は億劫になってきて・・」

「何十歳若ければ行く気だ?」

 悠介に言われて

「そんなに年取っていないから」

とルセールは言い返していた。

 ルセールは呪文を唱えはじめ、魔法陣が現れはじめた。

「さあ、異世界を楽しんでこい」

 魔法陣から白い光が舞い上がると、周りが何も見えなくなった。そして・・。















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