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異世界に行ったら最強になった  作者: 志良内達夫
第十四章 スラーレン御三家の陰謀
179/215

14-12.反旗

 雅則と悠介はイビルから話を聞いた。

「私を襲ったのはナユナというスラーレンから来た魔術師マジシャン。スラーレンの令嬢がワリキュールを乗っ取りに来る計画があると言っていたわ。そのためにワリキュールの情報を集めているらしいの」

「スラーレンの令嬢というのは、マーラのことか?」

 悠介の疑問に

「そうだろうな。大使館の設置を申し出たのも彼女らしいから。ハユナにマユナか・・二人ともマーラが仕向けた魔術師マジシャンだろう。かつてのシルビアと同じ考えを持ったのかも知れない。国王に取り入って妃になるつもりだ。そしてゆくゆくは女王か」

と雅則は推理した。

「阻止するか?」

「別に国王が誰をめとるかまで関知するつもりはないけど。この先のワリキュールの将来をどうこうするつもりもないし」

「じゃあ、放っておく?」

「スラーレンの魔術師マジシャンは潰しておくか。今までもろくなことしていないからな」


*****


 マーラはスラーレンを出てワリキュールの大使館に着いた。既に陽は落ちていた。

 同行してきたソドルが、ハユナとエランデルから戻ってきたマユナから今までに得た情報を聞いた。

「なに、ワリキュールを監視する者がいる?」

 ソドルはマーラに

「こっちに潜入させていた者の情報があります」

と言うと

「今日は長旅で疲れたわ。話は明日聞くことにする」

とマーラはこたえた。


 そしてマーラは翌朝、怒りをぶちまけた。

「何をしてくれて居るのよ!」

 ハユナからワリキュールを監視する者と闘ったことを聞いたマーラは激高した。

「ワリキュールでの潜入捜査は許可したけど、怪しい者を相手にするなんて、計画を潰す行為でしょう!」

 マーラはソドルを叱責した。

「その者がワリキュール国王側の見張りなら、ワリキュールの国王に取り入ることが出来なくなるわ」

 マーラは膝の力が抜けるようにテーブルに手をついて身体を支えた。

「こちら側の動向を知られないうちに倒してしまおうと考えたので」

 ハユナの考えに

「反対よ。何もしないほうが良かったのよ。こっちに敵意があることを教えることになるでしょう? たとえ、その者を倒して口を封じたとしても。・・しかも一人じゃなかったんでしょう? 大使館まで設けた意味がないわ。それに宮殿に飛んできた飛行船を奪おうなどと軽率なことをして」

 マーラはこらえていた怒りをソドルにぶつけた。

「返す言葉はありません」

「エランデルの情報は? 掴んできたんでしょうね」

「それが・・エランデルでもハーロック伯爵さえ知る者はいませんでした」

とマユナがこたえた。

「ワリキュールでもエランデルでもハーロックの情報が得られないなんて・・なにをしているのよ!」

 マーラは怒鳴った後

「ハーロックは魔王でもなく、魔術師マジシャンでもなく、ほんとうに只の伯爵かも知れないわね」

と椅子にへたるように座った。

「・・で、どうします?」

 ソドルもマーラの計画を理解出来なかったことを反省した。

「もうひとつの計画を実行する。ぼやぼやしているとハーロックに知れてしまうわ。そうなればスラーレンの奪還は不可能になる」

「しかしマユナの調査によれば、ハーロックはエランデルでも知る者はいないとのこと。ハンス侯爵の言ったエランデル国の伯爵というのもまやかしかも」

「それはハーロックが市井に身を隠しているからよ。ハーロックはこのワリキュールのどこかに居るはず。ブランド家に集めてもらっている貴族軍はどのくらい集まっているかしら」

「こちらに来る前に確認したところ、既に1000名は確保したとか、その中には魔術師マジシャンもいます」

「すぐにスラーレンに戻るわよ。そして王宮を奪還するわよ」

「予定では10000名だったはす」

「計画ではね。でも、そんな余裕は無くなるわ。戻って第二の計画を実行する」


*****


 リンメイは貴族街に潜入し、数か所で集会が行われているのを知った。

「王家奪還に協力する者は支度せよ。みんなで押し寄せれば魔王も怖くない」

 リンメイはとぼけて

「何の集まり?」

と聞いた。

「宮殿から魔王である国王を追い出してスラーレン王家を復活させるんだ。ドルイン様が決起したのよ」

「ブランド家の?」

 スラーレン御三家のひとつ、ブランド家のドルインが決起したとの情報はリンメイを驚かせた。

 

 リンメイは真意を確かめるためにブランド家の館に潜入した。

「ドルイン殿、マーラ嬢の使いが戻って来て、宮殿の奇襲攻撃の準備をとのことです」

「第一の計画はあきらめたか。私もそんなまだるっこしい計画は、もともと反対だったがな。シルビアも結局失敗している。直ぐに第二計画の準備に入ろう」

「第二計画って・・」

 リンメイは数か所で集会を持ったのは計画のための兵を集めることだと推測した。そしてその目的はヒュンケルの居る宮殿を襲うこと。ドルインはマーラと手を組んで王家奪還を計画したようだった。


 リンメイはドルインの計画を確認し、ヒュンケルに知らせようとドルインの館を出た。

 しかし

「潜入者か。ヒュンケル側だとすると魔族か」

と見つかった。

 リンメイは倒すか逃げるか迷った。

「ここで倒しているうちに、新たな追手が来たら・・」

 リンメイは情報を掴んだこともあり、逃げることにした。だが・・

 行く手を結界で閉ざされた。

「上位魔術師(マジシャン)?」

「逃がさない」

 追っ手がリンメイに追いついたところで

電撃エレキットパワー

を追っ手に放った。

 追っ手がひるんだ隙に、リンメイは逃げ延びようとした。

 だがもう一人の追っ手も現れた。

 追っ手の速さはリンメイに引けを取らない。

 しかし負けるわけにはいかない。

 宮殿に向かって逃げた。

「マジックショッカー」

 追っ手が逃がすまいと魔法攻撃を放ってくる。

 足を撃たれてリンメイは倒れこんだ。

「大人しく捕縛されれば命はとらないわ」

 追っ手がリンメイに近づいたところで

「そうはさせないわ」

 シズが現れた。

「インパクトバレット」

 シズは追っ手に衝撃弾を浴びせて倒した。

 リンメイに攻撃されて後からやってきた追っ手にも

「エレキングショッカー」

を浴びせて倒した。

「私もヒュンケル様に仕える魔族。このくらいは容易よ。怪我をしたようね。ごめんなさい、治癒魔法ヒーリングマジックは使えないの」

 シズはそう言ってリンメイを起こし

「テレポーション」

 宮殿に転移した。


「怪我は大丈夫か」

 ヒュンケルがリンメイを心配して声をかけた。

「足を・・大したことはありません。彼女も魔法を?」

 リンメイはシズが魔法を使って助けてくれたので驚いていた。

「シズは魔族だが、少々魔法も使える」

 ヒュンケルが教えてくれた。

「ありがとう。転移も出来るんだ」

「遠くは使えませんよ」

 シズは笑顔でこたえた。


 リンメイは

「貴族がここに奇襲攻撃をかけてきます」

とヒュンケルに言った。

「多くの者を集めています。その中には魔術師マジシャンもいます」

「遂に決起したか。人族との争いは避けたかった。・・だが、向こうから仕掛けてくる以上、避けられないか。シズ、応戦準備」

 ヒュンケルがシズに言うと

「人族を生かして追い返すのは不可能かと思います」

とシズがこたえた。

「仕方ないだろう。我々がここを引き払うか、押しかけて来る者を殺すしかない」

 ヒュンケルたち魔王軍とスラーレン貴族たち反乱軍の攻防の幕が切って落とされようとしていた。


 ◇


 ワリキュールでは・・。

 ハユナとマユナはマーラから大使館に留められた。

「マーラ嬢の言うことなんか聞いていられないわ。私たちでワリキュールに居るらしいハーロックを探さない?」

 ハユナがマユナを誘った。

「ハーロックが居なくなれば逆に感謝されるかも」

 ハユナとマユナは大使館から探索に出た。

 その様子を、イビルが監視していた。

「見張られることを考えていないのかなぁ」

 イビルは『<心波>(メッセージ)』でリサに伝えた。


「ハーロック様、ハユナとマユナが街に出たようです」

 リサがそれを雅則に伝えた。

「目的はハーロック探しか? ここにも現れるかも知れないな」

「どうする?」

 悠介に聞かれて

「生かしておく価値はない。出て行って相手をしてやるさ。それより大使館に来たマーラが折り返すようにスラーレンに戻ったらしいから、そっちのほうが心配だな」

 雅則はスラーレンを心配した。

「いくら御三家の娘と言ったって、何が出来る?」

「取り越し苦労かな?」

 雅則たちがハユナとマユナの動きを注視している頃、スラーレンの宮殿に危機が迫っていた。



















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